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FO-CAL[フォーカル]

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吉野川の清流と、四季折々の表情をみせる吉野山の麓にある吉野町。大阪や京都から1時間30分ほどでアクセスでき、豊かな自然に恵まれ、悠久の歴史や文化が根付くこの町に移住を決める若者たちがいます。都会を離れて生活拠点を吉野町に移した小野正太さんに、吉野町との出会いから移住に至る経緯、そして町の魅力についてお聞きしました。

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第二の故郷をここに吉野町で働く・暮らす

吉野町との出会いを教えてください! 定額住み放題サービス「ADDress」で来た地が吉野でした。 2020年のパンデミックが起こるまでは東京・田町の本社で働いていました。電車で通勤していたのが、コロナ禍でフルリモートに変わり、一年ほど自宅で仕事をしていました。自分の性格的に同じ場所にずっといるのが苦手なのと、もともと旅行が好きなのもあって在宅ワークに飽きてしまったんです。そんなときに月額4万4000円で全国どこでも提携拠点に泊まれる「ADDress(アドレス)」というサービスを知り、これは試してみたいと思って2021年3月に初めてサービスを利用。初めて来たのが吉野の拠点だったんです。

吉野に移住を決めた理由は? 吉野の人の温かさが決め手に。 月の半分はADDressを利用して九州や関西などいろいろなところを巡り、もう半分は東京の自宅に戻るという生活を続けていたところ、自然と2~3カ月に1回は吉野に来るようになっていきました。吉野は、移住体験スペース「三奇楼」さんが提携拠点で、景色が良くて仕事もすごく集中できるし、やっぱりいいなと思ったんです。どの拠点もそれぞれ魅力はあるのですが、自分にとっては吉野の人の温かさが良くて、それが決め手になりました。景色もいい、仕事もはかどるという格好の場所なので、自分がいつ来てもいいような場所が欲しいなって思い始めていたところへ、ちょうど空き家があるよということで、ノリで家まで購入しました(笑)。

PROFILE 小野正太(おの しょうた)在京IT企業勤務のビジネスデザイナー。2022年4月に吉野町に移住。フルリモートで仕事をしつつ、たまに東京に出掛ける2拠点生活実践中。
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第二の故郷をここに吉野町で働く・暮らす
「三奇楼」とおなじく、吉野内外の人が集まるコワーキングスペース「YOSHINO GATEWAY」。小野さんも週に2、3回訪れており、今回の撮影もこちらで行いました

吉野に住む人たちってどんな人? 訪れる人を温かく受け入れてくれます。 地元のみなさんは訪れる人を受け入れてくれる、受容力が高いというか。2回、3回と来るたびに顔を覚えてくれて、また訪れると「おかえり!」と迎えてくれる。「自分はまたここに来てもいいんだな」って思わせてくれる雰囲気がいいなと思っています。

移住に不安はありませんでしたか? 地域の方との交流があったのと、一気に拠点を移さなかったのがポイントかも。 僕の場合はとてもラッキーだったと思います。三奇楼さんの隣には蔵BARという蔵の中にバーがあって、そこで地元住民の方が毎週金曜日にバーを開くんです。そこには旅人や地域住民の方も来ていて、地元の方と繋がる交流の場が設けられているのが大きくて。そこから芋づる式に人脈ができていく。外から来る人たちを歓迎するその雰囲気に惹かれました。きっとほかの地域にもあると思いますが、僕がいたタイミングでそういう交流が持てたのは大きいと思います。それと、現在はまだ実質2拠点生活を送っていて、東京の本社で仕事があるときは東京の自宅に1週間ほど滞在して、残りの3週間は吉野にいます。間もなく東京の家は退去予定ですが、一気に拠点を移さず双方に戻れる場所を持って徐々にスライドしていくのも移住のポイントかもしれません。

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第二の故郷をここに吉野町で働く・暮らす

吉野に住んでみて心境に変化はありましたか? 人との距離が近くなり、自分のことを見つめ直すように。 東京にいたときは地域のコミュニティに参加するなんて考えられなかったのですが、移住してみて地域の人と距離感が近く関わるようになって、みんないい人だなっていうのを感じました。実は、消防団に入ることにしたんです。東京も、よく調べてみると消防団や地域のコミュニティがちゃんとあるってことに気づきました。逆説的ですけど、僕も地元とか東京のローカルなコミュニティに入ってもいいなって思ったのは大きな変化でしたね。吉野の人たちは、こちらからコミュニケーションを取ると心を開いてくれるんです。逆に閉ざしているとお互い閉ざしたまま。それって実は吉野だけではないような気がして、そんな気づきもありました。

吉野で「働く」のはどうですか? 仕事や会社以外の大切なことに気づけました。 東京での暮らしは仕事がメインで、会社と自宅の往復という生活で、会社での出来事が自分の生活の中心みたいな感じになっていたのですが、吉野に来てからは朝起きたらすごくきれいな景色が目の前に広がっていて、仕事が終わったらきれいな夕日が見える。仕事や会社ではないものに、自分の人生をコントロールしてもらえることに気づけたんです。自分が生きたいように生きていいんだと、背中を押された感じがしています。

吉野川の美しい景色を眺めながら仕事ができるコワーキングスペース「YOSHINO GATEWAY」
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第二の故郷をここに吉野町で働く・暮らす
吉野での再起を望んだ後醍醐天皇が祀られている吉野神宮(画像提供:吉野神宮)

移住を考えている人に向けて吉野町の魅力を伝えるとしたら? 吉野には挑戦したい人を応援してくれる雰囲気があります。 吉野町の人たちって新しいチャレンジをしようと思っている人が多くて、そういう人たちを応援してくれる雰囲気があります。お店とかビジネスとか、こういうことをしたいんだよね、ってボソッと話したことに対して、みんなが協力して盛り上げてくれる。例えば蔵BARにお店を出してみたいという人がいて、オーナーさんに相談してやってみようかと話が進んで、地元の人にお願いして地産の食材を採りに行って、それを使った料理を提供するイベントが開催されたこともありました。地元の人も参加してすごく盛り上がりましたね。吉野は昔から再生を期して訪れる場所っていわれていて、後醍醐天皇や京都から追われて来た人が自分の再起を決めて立ち上がるような場所。それとはちょっと意味合いが違うかもしれないですけど、考えていることがあって、ここで力を溜めて頑張ると突き抜けるみたいなパワーがあると思います。

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第二の故郷をここに吉野町で働く・暮らす

吉野町のお気に入りスポットは? 吉野川と吉野山の風景は最高です! 三奇楼さんにデッキがあるのですが、そのデッキの上から眺める吉野川の風景が好きです。僕が移住を考え始めるきっかけにもなった景色ですね。あとは自宅から見える吉野山の景色。特に桜の時期はピンクの絨毯がとても綺麗です。

最後に、吉野町を一言で表すとしたら? 「ニュー都会」、「都会2.0」の魅力がある場所。 僕は自然もアウトドアも好きと言いつつも、やっぱり便利なところが好きなんです。だから、いまここが一つの都会、これからの都会っていう感じがしています。吉野は人の優しさと受容力の高さだけじゃなくて、自然もたくさんあるし、大阪にも2時間かからず行ける。そんなちょうど良さと、人の温かさがベストフィットしたところが吉野の魅力の一つだと思っています。

三奇楼のデッキからの眺め(小野さん撮影)/桜が美しい春の吉野山(小野さん撮影)
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第二の故郷をここに吉野町で働く・暮らす

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美しい自然に囲まれながら、都心部からもほどよい距離の吉野町。移住を体験できる施設や、東京圏からの移住に際しては支援制度もあります。興味がある方は、ぜひこちらをチェック!

吉野町の移住・定住情報

自然と伝統が育む特産品 吉野町のええもんガイド

Special Interview 山本美月

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