県の北西部に位置する庄内エリアは、四方を海と山に囲まれた自然豊かな地域です。その恵まれた地形と気候から日本有数の稲作地帯としても知られ、庄内平野で育ったお米はおいしい酒造りにも生かされています。海の幸に山の幸、そしてお米と、四季を通して食材の宝庫である庄内は「食の都」と呼ばれるほど。明治期から続く米の貯蔵庫「山居倉庫」や点在する酒蔵を巡れば、庄内の豊かな食文化を体感する旅が楽しめます。
夏に旬を迎える庄内の天然岩牡蠣は、大きな身と濃厚な味わいが特徴。食べた瞬間、海の香りが口いっぱいに広がります。おすすめの食べ方は、生。レモンを少し絞ると牡蠣の甘みがいっそう引き立ちます。「道の駅 鳥海 ふらっと」では、この岩牡蠣をその場で開いてくれるので、新鮮な味を堪能することができますよ。
東に神室(かむろ)連峰、西に月山(がっさん)や鳥海山(ちょうかいさん)といった険しい山々に囲まれた最上エリアは、深い原生林が数多く残る日本有数の巨木の里。南部から西部にかけて最上川が貫流し、「最上川舟下り」では四季折々に美しい最上峡の絶景を楽しむことができます。年に一度の名物といえば、新庄市の「新庄まつり」。260年以上の歴史を持つ豪華絢爛なお祭りで、平成28年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。自然、祭りと圧倒的なスケールで訪れる人を魅了します。
「最上伝承野菜」は、最上地域で古くから栽培されている野菜や豆類を対象に選ばれたもので、現在33品目。なかでも冬の保存食として長い間愛されてきた「最上かぶ」は、土に埋まっている部分は白く、土から出た部分が赤紫色になるのが特徴で、肉質は柔らか。甘酢漬けや煮物、生のままサラダとしてもおいしくいただけます。
県の最南端、最上川の最上流部に位置する置賜エリア。最上川の源である吾妻連峰の大部分は「磐梯朝日国立公園」に指定されており、手つかずの自然が残る名所となっています。置賜の豊かな自然に身を投じるアクティビティも人気で、パラグライダー体験やウォークイベントが楽しめるスポットも。身体を動かしたあとは、癒しの温泉へ。名湯揃いの米沢八湯をはじめ、温泉にも恵まれた置賜エリアで心と身体をリフレッシュしましょう。
置賜地域の3市5町で飼育された黒毛和牛のうち、厳しい基準をクリアしたものだけが認定される米沢牛。その魅力はなんといってもきめ細やかな霜降りです。柔らかく上質な脂が口の中でゆっくりと溶け、旨味と香りが鼻から抜けていく極上の逸品。全国的にも名高い米沢牛を、ぜひ本場で味わってみてください。
宮城県との境に位置する蔵王連峰や、出羽三山(でわさんざん)の一つである月山など、山々に囲まれた村山エリア。寒暖差がはっきりとした盆地ならではの気候を活かし、さくらんぼやラ・フランス、米などの生産が盛んです。江戸時代には最上川舟運によって上方文化が伝えられ、当時の交易品だった古雛は今なお町内の旧家に残されています。また、温泉にも歴史あり。開湯1900年を超える蔵王温泉や、大正ロマン漂う銀山温泉など、湯巡りも楽しいエリアです。
実はラーメン消費量全国トップクラスの山形。そんな山形県は天童市にあるそば屋のまかないから広まったといわれているのが、この「鳥中華」です。澄みきったそばつゆの和風だしと中華麺は意外にも相性抜群。その評判はほかの地域にも広がり、今では県を代表するご当地ラーメンとなりました。