ホンモンジゴケに会いに! コケ愛好家・藤井久子さんと行くコケ観察会in池上本門寺
7月2日(土)、コケ愛好家の藤井久子さんを講師に、池上本門寺を散策するコケ観察会実施しました。池上本門寺は、その名前を冠したホンモンジゴケを中心にさまざまなコケを見ることができる場所。コケ好きなら一度は行っておきたい“コケスポット”です。みなさん、ルーペを片手に夢中になってコケを観察していました。今回はその様子をまとめてレポートします。
目次
講師はコケ愛好家・藤井久子さん
今回講師として来てくれたのは、コケ愛好家の藤井久子さん。ライター・エディターで、著書に『コケはともだち』(リトルモア)、『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』、『コケ見っけ! 日本全国もふもふコケめぐり』(家の光協会)。岡山コケの会、日本蘚苔類学会会員でもあります。
旅色LIKESでも、コケをフィーチャーする旅「コケトリップ」をテーマに記事を連載しています。
また、昨年9月にはコケトリップの魅力に迫るオンラインイベントを開催しました。今回のイベントは、その時に出た「リアルでのコケ観察会もしたい!」との声から実現したものなんです。
イベントの舞台は池上本門寺
今回イベントを行ったのは、東京都大田区にある池上本門寺。日蓮宗の大本山で、関東に現存する中で最も古い五重塔があるほか、幸田露伴や力道山といった著名人のお墓を見ることができます。観光地としてもとても魅力的な場所……なのですが、今回は観光名所は後回し。コケ観察に集中しました。
また、五重塔付近には、「ホンモンジゴケ」というコケが生息しています。日本で初めて発見されたのが池上本門寺だったためそう名付けられたのだそう。五重塔の修復工事の際など、枯死の危機を2度も乗り越えた、力強いコケでもあります。詳しくは、藤井さんの連載記事をチェックしてみてくださいね。
まずはコケ観察の基本を学びます
散策の前に、まずは藤井さんからコケ観察の方法をレクチャーしてもらいます。ルーペは目に当て、観察したい対象に顔ごと近づくのが正しい観察の仕方とのこと。ルーペを通すことで、肉眼で見るとはまた違ったコケの姿に出合うことができます。
藤井さんにならってルーペでコケを観察する参加者の皆さん。約20人が地面に這いつくばるという異様な光景に(笑)。募集要項に「汚れてもよい服装」でと書いてあった理由がよくわかったのではないでしょうか。
いよいよコケ観察ウォーク開始!
レクチャーが終わったら、本日のメインコケ・ホンモンジゴケを観察しに五重塔へ移動します。
五重塔の四方を囲む石垣のうち、ホンモンジゴケが見られるのはある一辺だけ。日当たりなどの細かな条件で、生息する場所が決まってくるのだそうです。柵の隙間からそっと触れたり、写真を撮ったり、藤井さんの説明を聞きながら観察します。「想像したよりもふかふかでびっくり!」という声も。
※コケには細心の注意を払って触っています。むやみに強く触れたり採取したりするのはやめましょう。
ホンモンジゴケを見たあとは、五重塔から移動し、自由にコケ観察をしました。池上本門寺にはホンモンジゴケ以外にも、ミカヅキゼニゴケやオオジャゴケといったコケが生息しています。みなさん、しおりに記載されたコケの図鑑と照らし合わせながら観察していました。
本妙院でコケ観察&昼食会
実はホンモンジゴケは池上本門寺だけではなく、すぐそばにある子院・本妙院でも見ることができます。池上本門寺でのコケ観察のあとは、昼食会の会場でもある本妙院へ移動。苔庭を観察させてもらうことに。五重塔と違い柵がないので、よりじっくりと観察できました。
昼食会は本妙院の早水住職も交えて、にぎやかに行われました。ごはんを食べ終わった後も、藤井さんが私物のコケ図鑑やコケグッズを見せてくれ、話題が尽きることはありません。気になるコケの話やコケを撮影するためのカメラの話など、さまざまな“コケトーク”が繰り広げられていました。
帰り道も「コケトリップ」!
池上駅を利用する参加者は、藤井さんと一緒にコケ観察をしながら駅へ。池上本門寺周辺は街中でもコケを見ることができ、「コケトリップ」にぴったりの街なんです。
最後までコケ尽くしとなった本イベント。実際にコケを観察して歩くことで、より「コケトリップ」の魅力を知ることができました。編集部ではさっそく、第2弾を検討するべく候補地を探し始めています!