【今月の旅写真】バレンタイン前にチェック! チョコレート専門店を探して ~春日通りをバス旅~
チョコレートは、ギフトにも自分へのご褒美にも嬉しいちょっと特別なスイーツ。疲れた時や気分転換、体温を上げるためにも冬に食べるのが最適なのだとか。どこででも手に入れやすいチョコレートですが、オリジナリティを感じるチョコレートに出合いたいと思い探していたところ、文教地区(東京都文京区)を貫くように走る道、春日通りにチョコレート専門店が立ち並ぶことを発見しました。近隣のお出かけスポットにも立ち寄り、冬を満喫します。また、チョコレートをテイクアウトしてから撮影するテーブルフォトのコツなどもご紹介いたします。
Text&Photo:こばやしかをる
撮影機材: RICOH GRⅢ&GRIIIx
目次
後味が爽やかな「カカオ工房 トリビュート」のホットチョコレート
まずは、ホットチョコレートを飲んで体を温めたいと思い、JR山手線大塚駅北口から10分ほど歩いた場所にある「カカオ工房 トリビュート」さんにうかがいました。
カカオ工房 トリビュート店内
道路面より半地下に入口があります
「カカオ工房 トリビュート」さんは、ニカラグアの農家で生産されるカカオ豆を選定し、仕入れを行っています。カカオフレーバーを最大限に引き出すため、輸入後は豆の選別・焙煎・実と皮を分ける作業やペースト状に練り上げる作業~成形・個包装まで、すべての行程に渡って人の手を介しています。作り手の責任を持つという職人ならではのこだわりとともに、工房設備を持つこと、手軽に楽しんでもらえる価格帯で提供できることを考えてお店の場所を決めたのだそう。駅から少し離れている場所であることにも納得です。
ゆとりある空間に10席ほどのイートインスペース
店内にはイートインスペースもあり、ゆったりとした環境の中でチョコレートを味わうことができます。この日は、ソイミルクで味わうホットチョコレートをいただきました。フルーツのような爽やかな味わいと優しい口当たりで、今までのホットチョコレートでは感じられなかった軽さに驚きます。これがカカオ本来の味なのだと実感しました。
撮影ポイント:テーブルフォトでは、カメラGRIII&GRIIIxのクロップモード(デジタルズーム)が活躍。焦点距離50㎜にして撮影すると、画面が歪まずに撮影することができます。店内で撮影する時は、窓際の光が入る明るい席に座り、逆光で行いましょう。
ホットチョコレートの他にもコーヒーや、フードメニューにガトーショコラ、クッキー、スコーンなどもあり、カフェとしても利用できます。
「お肉に例えると、ショコラティエがステーキ屋さん。うちはお肉屋さんです。デコレーションなどの見た目の美しさではなく、素材の味をそのまま提供するのがモットーです」と、分かりやすくご説明くださいました。シンプルで飽きの来ないおいしさを提供されていますので、足を延ばして訪れてもらいたいお店です。
◆カカオ工房 トリビュート
住所:東京都豊島区上池袋1丁目35-6 やしろビル
営業時間:月木金 11:00~18:00/土日 10:00~18:00
定休日:火曜日・水曜日
都営まるごときっぷ(1日乗車券)をフル活用
JR大塚駅へ戻り、ここからバス旅の始まりです。都バス・都営地下鉄・都電さくらトラムなどの都営交通を一日利用できる「都営まるごときっぷ」(700円)をバス車内で購入し、駅前から「都02:錦糸町駅行」に乗車。春日通りを乗り降りしながらチョコレート専門店を巡りました。
東京都のシンボル、いちょうのマークが都営交通の目印です
「都営まるごときっぷ」は、バスに乗車するタイミングで購入可能。都バスのみ乗車可能な1日券(500円)もあります。
チョコレート専門店の立ち並ぶ春日通りは、かなり高低差のある急勾配の坂道で、徒歩移動はハード。バス停留所から最寄りのお店も多いことからバス移動がベストです。地下鉄利用だと駅構内の移動にかかるタイムロスを省くこともできます。また、都営バスはかつての都電(市電)を撤廃した場所を走っているため、住宅地などの足を運びにくい場所へのアクセスがしやすいのも特徴です。世界一複雑といわれる東京都内の交通網、都バスを乗りこなせたら旅の上級者ですよ。
茗荷谷「デュカンダス・ドゥ・ショコラ」の新作をテイクアウト
デュカンダス・ドゥ・ショコラ茗荷谷店
茗荷谷駅前のバス停を下車。徒歩3分の「デュカンダス・ドゥ・ショコラ」さんのある茗荷谷は自然環境も豊かなので、散策と合わせて出かけてみてはいかがでしょうか。訪れた日はお店の目の前にある「教育の森公園」で晩秋の紅葉に出会えました。近くには、桜並木で有名な播磨坂、小石川植物園もあります。
「デュカンダス・ドゥ・ショコラ」のスタッフさんがおすすめの新作、「生チョコダックワーズサンド」は、クランチチョコと生チョコレートを焼き菓子のダックワーズでサンドし、さらにチョコレートでコーティングしたもの。フランボワーズとキャラメル、二つの味があります。パッケージのままでは中身が分からないので、自宅で撮影をしてみました。
撮影ポイント:昼間室内で撮影する際には、照明を全て消し、レースのカーテン越しに入る光を利用します。レースのカーテンによりディフューズ効果を生み、光が拡散され柔らかくなります。手前にはレフ板(白い画用紙でも可)を立てかけて影を弱めます。
◆デュカンダス・ドゥ・ショコラ 茗荷谷店
住所:東京都文京区小石川5-6-9ドミ小石川1F
営業時間:10:00~19:00
定休日:毎週火曜日
ナッツとフルーツをふんだんに使った「リスト(LIZST)」のチョコレート
表通りから一本入った住宅街にあります
春日二丁目のバス停を下車して徒歩3分。リスト(LIZST)さんは、バス停のある春日通りより一本奥へ入った住宅地の一角にある個人サロンのようなたたずまいのお店です。白い扉を開けると木目が基調の明るい店内で、自宅に招かれたようにほっとする空間になっています。ナッツとフルーツをコーティングしたチョコレートの数々が取りそろい、棚に並んでいます。以前、浅草店で購入したオレンジピールチョコレートのおいしさに惹かれ、必ず訪れたいと思っていたお店の一つ。
オレンジピールチョコレートを食べた時に感じていたことは、とても肉厚のオレンジと、他のお店にはないボリューム感。チョコレートの甘さもくどくなく、果実の味もしっかりと口の中に広がるバランスの良さ。ナッツやフルーツが好きな方ならきっと大満足のはず。このほか、日本橋人形町の洋菓子店「たがやす」さんとコラボしたオレンジピールのパウンドケーキや焼き菓子もあります。
撮影ポイント:夜間、室内蛍光灯でクリアBOX入りのピーカンナッツを撮影してみました。アクリルなどのパッケージの撮影は、ディフューザーとして乳白色のビニール傘を使い、光を遮ります。ディフューザーがあれば、光が拡散され柔らかくなり、反射も防ぐことができます。
◆リスト春日店 (LISZT KASUGA)
住所:東京都文京区春日2-14-2
営業時間:11:00~18:30
定休日:毎週日曜日・月曜日(祝日営業、月曜日が祝日の場合はお休み)
老舗のトリュフ専門店「99 ROUTE DU CHOCOLAT」
本郷三丁目駅のバス停を下車。徒歩5分の「99 ROUTE DU CHOCOLAT」さんは、1977年創業のチョコレートトリュフ専門店です。ビルの一階にあり、扉を開けると、ギャラリーやサロンのような気品を感じる店内です。ショーケースには、上品な器に乗せられたトリュフや板チョコが並びます。「ささやかなお礼の気持ちや小さな励ましを伝えたい時にもチョコレートをもっともっと身近なものに感じてほしい」というオーナーシェフの思いを感じられる丁寧に作られたチョコレートの数々。アルコールの効いたトリュフ以外にもお子さんでも食べられる板チョコや、それらを詰め合わせた小さなパッケージは、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれる一品です。
トリュフは一粒200円(税別)から。種類が豊富なので迷いながら選ぶ楽しさもあります。自分へのご褒美に老舗ならではの贅沢な味わいをテイクアウトしてはいかがでしょうか。
◆99 ROUTE DU CHOCOLAT本郷店
住所:東京都文京区本郷2-13-10 湯浅ビル1F
営業時間:10:00~18:30
定休日:なし
東京ドームシティでイルミネーション&リラクゼーション
最後に、都営大江戸線の「本郷三丁目駅」から「春日駅」に戻り、東京ドームシティを訪れました。東京ドームシティは、各種スポーツやライブコンサート、イベント開催地として有名ですが、ホテル、グルメ、ショッピング、アミューズメント、そして温泉まで楽しめる複合施設でもあります。冬の季節は、東京ドームシティ全体がイルミネーションに彩られ、どの季節よりも華やかな雰囲気です。前回の記事を参考に、イルミネーション撮影も楽しめますよ。
併設の温泉施設「Spa LaQuaスパ ラクーア」は手ぶらでも訪れることができますので、一日の終わりに冷えた体をしっかりと温めるのもいいですね。翌朝まで営業されていることや、複数の路線で帰路に着くことができるアクセスの良さもメリットです。
◆東京ドームシティ
住所:東京都文京区後楽1-3-61
<東京ドームシティ ウィンターイルミネーション>
2023年2月28日(火)まで開催/毎日17:00~24:00まで点灯
◆Spa LaQuaスパ ラクーア
住所:東京都文京区春日1-1-1 東京ドームシティLaQua 5~9F
営業時間:11:00~翌朝9:00 (店内施設・店舗の営業時間は異なります)
おわりに
体の中まで温まるホットチョコレートをはじめ、パリッとした食感や口の中で溶ける滑らかな舌触りのものなど、どのチョコレートにも特徴があり、魅力あふれるお店ばかりでした。落ち着いた環境の中でじっくりと商品を選べるというのも贅沢で優雅な時間です。せわしない時期にこそ、くつろぎの時間を持ちたいですし、親しい人とおいしさをシェアしてコミュニケーションを図るのも大切ですね。それこそが、冬のご褒美のような気がした一日でした。