敦賀からローカル線で若狭・舞鶴へ~小浜線で水を感じる夏旅【福井・京都】
愛読書は時刻表、旅色LIKESライターの鉄道旅担当・なおです。今回は北陸新幹線の新たな玄関口となった敦賀駅から西に延びるローカル線・小浜線に乗って沿線の魅力をお届けします。
目次
北陸新幹線の玄関口・敦賀駅から小浜線に乗って西へ
こんにちは、なおです。先月、この春に北陸新幹線の西の玄関口となった敦賀市を紹介しました。
今回は敦賀駅から西に延びるローカル線、JR小浜線沿線の魅力についてです。

小浜線は新幹線から最も離れた1番線から発車。
JR小浜線は敦賀駅から西に向かって走るローカル線です。福井県の若狭地方を走り抜けて京都府の東舞鶴駅まで延びています。小浜市などには観光資源が豊富にありますが、ローカル線のため本数があまり多くありません。時刻表をよく確認して乗車するようにしてください。それではライトブルーの電車に乗って小浜線の旅に出かけましょう。※実際回った順と異なり東から順にご案内していきます。
敦賀駅を出ると電車はすぐに田園風景の中へ。向こうには海が見えます。若狭地方は海岸線が複雑で電車は海岸線に近づいたり、遠のいたりしながら走るのが特徴です。美浜駅から西に進むと三方五湖(みかたごこ)とよばれる湖沼群へ。五湖とひとまとめにされていますがそれぞれ淡水湖、汽水湖、海水湖と違った個性を見せます。三方五湖レインボーラインの上からは絶景が広がります!
◆三方五湖 レインボーライン山頂公園
住所:福井県三方郡美浜町日向75-2-6
電話:0770-47-1170
営業時間:夏季9:00~17:00、冬季9:00~16:30
鯖街道の玄関口として栄えた港町・小浜
敦賀駅から1時間10分ほどで小浜線の中心駅、小浜駅に到着します。北陸新幹線は将来、小浜市を経由して京都に向かう計画になっています。北陸新幹線の延伸で観光客が増えたという話を聞きましたが、小浜市まで延伸されればより一層賑わうようになるのでしょう。
小浜西組の古い街並みを歩く
小浜駅から西に17分ほど歩くと古い街並みがあります。日本有数の港町として栄えた小浜は1600年ごろこの地を支配した京極氏による小浜城が築かれ城下町としても発展していきました。京都との繋がりが強かったため間口が狭く、奥に長い町屋の造りなど類似した特徴が見られます。町人地は東組、中組、西組が整備され、特に西組は明治の大火以後の建物が今も多く残ります。往時の街並みを今に残していることから「小浜市小浜西組伝統的建造物群保存地区」に指定されました。2007年には連続テレビ小説『ちりとてちん』の舞台になったことでも有名です。
◆小浜市小浜西組伝統的建造物群保存地区
住所:福井県小浜市小浜香取93-1(三丁町道標)
電話番号:0770-52-3844(若狭おばま観光案内所)
アクセス:JR小浜線小浜駅から徒歩約17分
鯖街道の起点・小浜を知る「小浜市鯖街道ミュージアム」
小浜市は鯖を中心とした海産物の一大産地です。京都の食を支えるために都まで運送をしていましたが、そのルートの総称を「鯖街道」と呼んでいます。鯖街道ミュージアムの前がその起点となった場所です。「京は遠ても十八里」といいながら塩で締めた鯖を担いで都まで運びました。途中の宿場でリレーをして京都まで24時間でたどり着いたといいます。塩引きしたあと一日かけて運んだ鯖は、いい塩梅で潮がしみこんでおり高値で取引されていました。
◆小浜市鯖街道ミュージアム
住所:福井県小浜市小浜広峰17番地の1
電話番号:0770-64-6034(小浜市文化観光課)
開館時間:9:00~17:00
定休日:毎週火曜日、12月29日から翌年1月3日
観覧料:無料
アクセス:JR小浜線小浜駅から徒歩約10分
【ひと足延ばして】鯖街道最大の宿場町・熊川宿
鯖街道に興味を持った方は小浜駅から滋賀県の近江塩津駅に向かうバス「若江線」に乗って熊川宿を訪ねてみましょう。熊川宿は福井と滋賀の県境にある山間の宿場町で、人馬継立(じんばつぎたて)と呼ばれる運び屋の中継地点としても発展を遂げました。荻野家は文化年間(1810年ごろ)に建てられた 熊川宿最古の建物。往時の繁栄をしのぶことができる建物です。1.2キロにわたり宿場町が残り往時の姿がそのまま残る建物もあるので当時の繁栄を想像することができます。
◆宿場町「熊川宿」
住所:福井県三方上中郡若狭町熊川
アクセス:JR小浜線小浜駅からJR西日本バス「若江線」で30分「道の駅熊川宿」下車すぐ
海辺の道の駅でひとやすみ・若狭本郷駅で途中下車

電車に乗って小浜駅からさらに西へ。車窓から海が間近に見えるようになります。

「おひ」ではなく「おおい」。ここはおおい町です。
海が見えた先の若狭本郷駅でちょっと電車を降りてみることにします。ここから徒歩15分ほどのところに「道の駅おおい」や商業施設が並んでいるので歩いて向かいます。
車窓からも見える「青戸の大橋」は青い海を越えて向かいの半島を結ぶ橋。橋を渡った先には大飯原子力発電所があります。さらに国道を東に向かって歩くとガラスのブロックをいくつも積んだようなオリジナリティあふれる建物「SEE SEA PARK」。カフェやアウトドア、マリンスポーツ用品のショップのほか、地元企業、コワーキングスペースなども入った複合施設です。パスタ屋もあってそちらで夕食を食べようと思ったのですが、この日は休み。向かいに道の駅があるのでそちらに行くことにします。
◆SEE SEA PARK
住所:福井県大飯郡おおい町成海1-8-5
電話番号: 0770-77-4489
営業時間:10:00~22:00(※各店舗によって営業時間は異なります)
定休日:水曜日
アクセス:JR小浜線若狭本郷駅から徒歩約17分
「SEE SEA PARK」のほぼ向かいにあるのが「道の駅 うみんぴあ大飯」。梅酒など若狭の地域産品を売るほか、レストランもあります。わたしが道の駅に来たのは閉店間際の18:00前で、残念ながらレストランは閉店。梅酒(福井の梅の約80%が若狭町で生産されています)と鯖すしのお弁当を買って、オープンテラスで食べることにします。オープンテラスの利用は18:00を超えてもOKです。

若狭湾を望む絶好のロケーション!
テラスからの眺望は抜群! 若狭の青い海とその向こうに大島半島を眺めながら若狭の恵みをいただきます。若廣の「醤油かおる焼き鯖すし」は鯖を醤油ベースの漬け汁に潜らせたあとに焼き上げた伝統の味。醤油の香りが口の中に広がります。空の上を飛ぶとんびに取られないように気をつけながら頂きました。
◆道の駅 うみんぴあ大飯
住所:福井県大飯郡おおい町成海1-1-2
電話番号: 0770-77-4600
営業時間:9:00~18:00
休館日:第1、3月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
アクセス:JR小浜線若狭本郷駅から徒歩約15分
終点・東舞鶴で赤れんが倉庫めぐりと艦艇クルーズを楽しむ。
小浜線で若狭本郷駅からさらに西に移動して京都府に入り、終点・東舞鶴駅に到着しました。小浜線の終点ですが、ここから先は舞鶴線が綾部駅に向けて延びているので終着駅の印象は薄いです。
鉄道遺構を抜けて舞鶴赤れんがパークへ
舞鶴一の観光スポット、舞鶴赤れんがパークまでは徒歩20分ほどで遊歩道が整備されています。東舞鶴駅から延びていた中舞鶴線(舞鶴線支線)の廃線跡で海軍兵や軍需物資を運んでいましたが、戦後1972年に廃止されました。今は鉄道遺構としてかつて鉄道があったことを静かに伝えています。
遊歩道を抜けて到着したのは「舞鶴赤れんがパーク」。舞鶴湾のほとりに30棟ほどあった海軍の倉庫を改装して博物館や店舗、おみやげ品を売る公園として開放しています。赤れんがのレトロ感が素敵。赤れんが博物館は、旧海軍の魚雷倉庫として活用していたことから鉄骨が入った強固な作りをしています。
◆舞鶴赤れんがパーク
住所:京都府京都府舞鶴市字北吸1039-2
電話番号:0773-66-1096
営業時間:9:00~17:00
定休日:無休
アクセス:JR小浜線東舞鶴駅から徒歩約20分、東舞鶴駅から京都交通「東西循環線」市役所前下車徒歩約2分
遊覧船に乗って艦艇めぐりにGO!
舞鶴赤れんがパークの前の乗船場から舞鶴湾めぐりの遊覧船が出ています。舞鶴湾の遊覧船のポイントは景観を楽しむよりそこに停泊している自衛隊の艦艇を見学できること。日によってみられる艦艇は違いますが、わたしは11艦の艦艇を見ることができました。これはかなり多い方だそうでラッキーでした。自衛艦のことはわからなくてもガイドの方が細かく説明してくれるので勉強になります。外にいれば海を渡る風も気持ちいいですよ。
◆舞鶴湾めぐり遊覧船
住所:京都府京都府舞鶴市字北吸1039-2
電話番号:090-5978-8711
運行期間:3月中旬~12月下旬の火・水曜日、土日祝日、GW、お盆期間
運行時間:10:00~14:00 1日3便 ※時期によって増便
所要時間:約35分
料金:大人 1,500円、3歳~12歳 800円、2歳以下 無料
おわりに

今回は北陸新幹線の新たな玄関口・敦賀駅から西に延びるローカル線、小浜線をご紹介しました。新幹線にばかり光が当たりがちですが、そこから先を走るローカル線にも目を向けていただき、アクセスしやすくなった小浜などにも立ち寄ってもらったらうれしいです。今年の10月には敦賀駅から小浜線などを経て、城崎温泉に向かう新たな観光特急「はなあかり」がデビューする予定です。ますます楽しくなる小浜線に乗って若狭・舞鶴の旅を楽しんでみてください。