【福井・石川・富山】北陸3県2Dayパスでおトクに行く! ローカル線乗り継ぎ旅
愛読書は時刻表、旅色LIKESライターの鉄道旅担当・なおです。今回旅したのは福井、石川、富山の北陸3県。北陸新幹線が敦賀まで延伸開業しましたが普通列車に乗ってゆっくり行く旅もまた楽しい。新幹線を使わずにお得に北陸を旅する方法をご紹介します。
目次
こんにちは、なおです。先月、先々月に引き続き旅の出発点は福井県の敦賀駅です。
北陸地方を走っていた米原駅~直江津駅までの旧JR北陸本線は、北陸新幹線が開業したのを機に各県ごとに分割されて第三セクター方式(※1)の私鉄に移管されました。米原駅~敦賀駅までの間のみJR西日本の路線のまま残っていますが、それ以外の区間は福井、石川、富山、新潟の各県が設立した会社が運行を担っています。その結果、夏休みなどの期間に全国のJRで普通列車を乗り放題で利用できる「青春18きっぷ」の利用ができなくなりました。安く遠方に旅行したいと考えている方にとっては大きなデメリットとなります。
※1 地域開発や都市づくりなどを目的として、国あるいは地方公共団体と民間企業との共同出資によって設立された事業体
ですが安心してください!そのデメリットを補って余りあるきっぷが新たに用意されました。それが「北陸3県2Dayパス」。上の絵の敦賀駅から越中宮崎駅までの間の区間を走る普通列車を利用できるきっぷです。その値段なんと2,800円。青春18きっぷは1日当たり2,370円ですから断然こちらの方がお得です。しかも青春18きっぷとは違っていつでも使用できます。JR西日本のアプリ「WESTER」で購入するWEBチケットでスマートフォンの画面にきっぷが表示されます。今回はこのきっぷを使って北陸地方を旅していきます。
ハピラインに乗って「めがねのまち」鯖江へ
敦賀駅から各駅停車に乗って約35分で鯖江駅に到着しました。鯖江市の中心駅で3月までここを走っていた特急サンダーバードやしらさぎの多くが停車していましたが、特急廃止後各駅停車のみとなりました。
鯖江市は国内製めがねフレームの約90%以上を生産するめがねのまちです。冬場に産業がないこの地の暮らしを向上させるために、明治38(1905)年、増永五左衛門が大阪からめがね職人を招いて農家の副業として広めたのが始まりとされています。
めがねマンホールや「めがね街路樹桝」などもあり、メガネストリートに点在する「めがね」を探しながら歩くのも楽しいです。15分ほど歩いた場所にある「めがねミュージアム」は鯖江に来たらやっぱり立ち寄りたいところ。めがねの歴史をはじめ、様々な種類のめがねやめがね製作器具などの展示があります。私は普段めがねをしているので親近感を持って展示品を見て歩きました。ショップも併設されているのでめがねのまちでお気に入りの一品を探してみるのもいいかもしれません。
◆めがねミュージアム
住所:福井県鯖江市新横江2-3-4
電話番号:0778-42-8311
開館時間:10:00~19:00
定休日:年中無休
観覧料:無料
アクセス:ハピラインふくい鯖江駅から徒歩約15分
新幹線開業で生まれ変わった“恐竜全面推し”の福井駅
再びハピラインに乗車して約15分で福井県最大の駅、福井駅に到着しました。駅はリニューアルされお土産店や飲食店も新規店舗が入り、より楽しくなりました
。
福井といえば恐竜。福井駅からえちぜん鉄道に乗って約55分のところにある勝山市は全国の恐竜化石の8割が出土され、フクイラプトルなど福井の名を冠した恐竜の化石も発見されています。そのため福井観光の玄関口となる福井駅はどこもかしこも恐竜に囲われており、恐竜全面推しでPRが行われています。
新幹線ホームに近い東口には屋上広場があって、ガラスの向こうに北陸新幹線の姿を見ることができます。もちろんここも恐竜に席巻されています。恐竜に囲まれながら電車やバスを待つのも悪くないものです。
ここでお昼を取ることにします。この春福井駅に隣接して誕生した「くるふ福井駅」内にある「魚廣」。北陸に来たらやっぱり海の幸、お寿司でしょう。今回はフリーきっぷの旅でかなりお得に旅ができています。その分おいしいものを食べることにします。十貫にぎりは生のカニ、白エビなど、仕入れの状況でネタが変わることがありますが北陸の地のものがいただけます。駅からすぐのところで手軽に新鮮な魚が食べられるお店ができたのはとてもうれしいです。
◆魚廣 くるふ店
住所:福井県福井市中央1-1-25 くるふ福井駅
電話番号:0776-37-3153
開館時間:11:00~21:00(L.O.20:30)
定休日:年中無休
アクセス:北陸新幹線、ハピラインふくい、えちぜん鉄道福井駅から徒歩約3分
新幹線を間近で見よう!白山トレインパーク
福井駅からは再び電車に乗って石川県に向かいます。金沢駅に向かう列車は途中の大聖寺(だいしょうじ)駅でIRいしかわ鉄道に変わりますが、すべて直通しますので運営会社が変わったことを感じることは全くありません。
加賀笠間駅という小さな駅で下車しました。駅前は住宅街が広がる都市近郊の駅ですが、北陸新幹線開業である観光施設の最寄り駅となりました。
それが住宅街を抜けたところにある「白山市立高速鉄道ビジターセンター」、通称「トレインパーク白山」です。北陸新幹線の白山総合車両所に隣接した場所にできた体験型施設で、北陸新幹線の概要のほか、車両所で検査を受けている新幹線の様子や、線路を通過する北陸新幹線の姿を見ることも。別料金になりますがトレインシミュレーターで遊ぶこともできます。
最上階の展望デッキからは走り行く北陸新幹線の姿を見ることができます。土日は子どもたちの来場も多く颯爽と走っていく新幹線の姿を見てみんなおおはしゃぎでした。新しくできた北陸新幹線の駅はホームドアが設置されていて駅でもその姿を見ることができないので列車の全貌が見られるこういった施設は貴重な存在です。展望デッキの入場だけなら無料ですのでぜひ訪ねてみてください。
◆白山市立高速鉄道ビジターセンター(トレインパーク白山)
住所:石川県白山市宮保町2828番地1
電話番号:076-235-9677
開館時間:9:00~17:00
定休日:水曜日(祝日の場合翌平日)、年末年始(12/29~1/3)
入場料:1階新幹線学びと体感エリア、3階こどもあそびエリアは、各エリアとも高校生以上500円※中学生以下無料
運転シミュレータは別途要 大型300円、小型100円(要予約)
アクセス:IRいしかわ鉄道加賀笠間駅より徒歩約14分
金沢で夏の茶屋街を散歩
加賀笠間駅から電車に乗って約15分で金沢駅に到着しました。
今回は旅程の都合上、金沢には2時間しかいることができなかったのであまり遠くまで行くことはできませんでした。効率よく歩くことにしましょう。
今回は金沢を代表する観光地、ひがし茶屋街を訪ねました。伝統的なお茶屋さんのほかにもお土産店が多く並び、外国人観光客にも人気のスポットです。金粉たこ焼きや地酒を楽しむことができるお店があったり、醤油や甘酒、味噌を買えるお店があったり。短い時間でしたが金沢の雰囲気を楽しむことができました。
◆箔座 金の縁起屋(金粉たこ焼き)
住所:石川県金沢市東山1-13-23
電話番号:076-253-8881
開館時間:10:00~16:30(変更の場合あり)
定休日:水曜日(変更の場合あり)
アクセス:北陸新幹線、IRいしかわ鉄道金沢駅から北鉄バス橋場町下車徒歩約7分
◆ひがしやま酒楽(加賀の地酒)
住所:石川県金沢市東山1-25-5
電話番号:076-251-1139
開館時間:10:00~17:00
定休日:水曜日(変更の場合あり)
アクセス:北陸新幹線、IRいしかわ鉄道金沢駅から北鉄バス橋場町下車徒歩約7分
◆ヤマト醤油味噌(ひしほ)
住所:石川県金沢市東山1-27-11
電話番号:076-251-2235
開館時間:10:00~17:00
定休日:水曜日、年末年始
アクセス:北陸新幹線、IRいしかわ鉄道金沢駅から北鉄バス橋場町下車徒歩約7分
金沢駅への帰り道はひがし茶屋街にほど近い、主計(かずえ)町の茶屋街に寄り道していきます。ひがし茶屋街とともに重要伝統的建造物群保存地区となっていますがこちらは人通りも少なく静か。金沢の茶屋街の雰囲気をしっぽりと楽しみたいならこちらのほうがおススメです。
わたしはここからさらに富山県方面に向かいましたが、金沢の夜を楽しみたい方、金沢をもっと楽しみたい方はここで一晩を過ごすのもいいでしょう。
前編のおわりに
駆け足で金沢観光を終えて電車に乗ってさらに東へ。富山県の高岡駅にやってきました。富山県に入るとあいの風とやま鉄道が運行を担当します。
高岡駅まで「北陸3県2Dayパス」を使ってやってきました。ここからは別料金になりますが高岡市内を走る万葉線に乗って旅を続けます。この先、2日目の旅はまた次回書きたいと思います。
鉄道の移動距離は171.3キロメートル。普通にきっぷを買っていれば3,660円のところ、1,400円で移動することができました。慌ただしくなった部分もありましたが、列車の発車時間に合わせてどう行動するかを考えるのもローカル線の旅の醍醐味です。次回も北陸ローカル線の旅の魅力を存分にお伝えできたらと思っています。