神戸のディープスポットへ。月2回の湊川隧道と街に根付く商店街で食べ歩き
福岡出身大阪在住、食べること大好きな旅色LIKESライターヒロミです。神戸といえば今年4月にリニューアルしたばかりの神戸ポートタワーをはじめ、旧居留地や神戸北野異人館があるおしゃれな三宮・元町エリアを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。神戸在住の友人から「ほかにも面白いところがある」と連れて行ってもらったのは、「湊川隧道(すいどう)」という河川トンネルと昭和な匂いがする商店街。今回は、ディープな神戸の穴場をグルメスポット交えてご紹介します。
目次
有形文化財に登録されている「湊川隧道」とは
「湊川隧道」は、近代土木技術を用いた日本最初の河川トンネルです。明治34(1901)年に完成しました。このトンネルがある新湊川は、明治半ばまで現在の湊川公園、新開地あたりを通り、市街地の中心部に流れていたのだそう。大雨になると市街地が水害の被害に見舞われたことから、湊川の付け替え工事が行われ建造されました。その後、阪神大震災による甚大な被害も受けたことや新湊川トンネルの建設により、平成12(2000)年に約100年に渡る河川トンネルとしての役目を終えました。
現在は月に2回ある一般公開時のみ、トンネルの中を歩くことができます。レンガ造りの内部は大きな機械を使わず造られたそうですが、信じられないほど立派。私が訪れた夏場は、外気との温度の差でトンネル内にもやがかかってとても神秘的でした。一般公開でもトンネルの途中までしか行けませんが、毎年11月18日の「土木の日」前後に湊川隧道を含む新湊川約1.7kmを歩く「新湊川ウォーク 湊川隧道通り抜け」というイベント時は、隧道の最初から最後まで通ることができます。2024年は11月9日開催です。1年に1回の機会に悠久の時を感じてみませんか。
◆湊川隧道
住所:兵庫県神戸市兵庫区湊川町9丁目3-1
電話:090-5255-6288(湊川隧道保存友の会事務局)
一般公開日:月2回(第1土曜日、第3土曜日)
第1土曜日(1月除く)は自由見学
第3土曜日は第1部(説明会・ミニコンサート)、第2部(自由見学の2部制) ※ 第1部は先着150名で入場制限
トンネルの周辺は神戸のグルメスポットだった!
神戸隧道から最寄駅の神戸電鉄湊川駅と神戸市営地下鉄湊川公園駅の間には、グルメスポットがたくさん! 昔から神戸の台所といわれる「東山商店街」とマルシン市場などの5つの商店街から構成される西日本最大級の商店街「神戸新鮮市場」があり、食べ歩き(お酒が好きな方はしご酒)も楽しめちゃいます。八百屋や魚屋、お惣菜屋などと飲食店が連なって、今では珍しくなった活気のある昔ながらの商店街の雰囲気そのもの。電車で神戸隧道に行く際は必ず通る場所ですので、ぜひとも立ち寄ってほしい。なかでも、わたしのおすすめスポットをいくつかご紹介します。
大きな燻製ソーセージのホットドッグ「もくもくドッグ」/マルシン市場
湊川隧道に一番近くにあるマルシン市場から。1947(昭和22)年開場。約20店舗と商店街自体は小ぶりながらも、魚屋やお肉屋のほか、天ぷらや焼き魚などの惣菜屋があり、食材はここでという地元の方も多いそう。そんなマルシン市場に今年オープンしたばかりのお店がホットドック専門店の「もくもくドッグ」です。神戸市にある今や予約困難といわれている肉専門店「ふじお商店」監修の岩中豚の自家製スモークソーセージを使ったホットドッグをいただけます。ソーセージが肉肉しくて食べ応え充分。ホットドックはノーマルとチリドッグの2種類で、お酒も置いてあるので、スモークナッツをアテに“パン飲み”しちゃいましょう。
◆もくもくドッグ
住所:兵庫県神戸市兵庫区東山町2丁目3 マルシン市場内
営業時間:11:00〜16:00 ※15:00閉店のときもあり
定休日:水曜日、不定休あり
散策途中にちょっと1杯! レモン水と冷やしあめの「鼻知場商店」/東山商店街
次は東山商店街へ。東山商店街の名物ドリンクは「鼻知場(はなちば)商店」のレモン水と冷やしあめです。店頭に2つの大きなタンクが置いてあって、次から次に「冷やしあめ1つ」とお客さんが注文していました。冷やしあめは、麦芽糖に生姜の絞り汁を火にかけてシロップ状にした蜜を水で割った飲み物で、関西の夏の定番です。イートインはないので、そのままお店の前でグイッと飲んでいきます。どちらも散策して疲れた身体にちょうどいい甘さ。「冷やしあめ」は甘ったるいだけなく、生姜が意外と効いていてすっきり感がちょうどよかったです。これで1杯50円なので、通る方の多くが飲んでいくのも納得!
◆鼻知場商店
住所:兵庫県神戸市兵庫区東山町1-11-8
電話:078-531-1823
営業時間:8:00〜18:00
定休日:不定休
ビールのお供にサキイカの名物「おかやん」/東山商店街
一際行列が目立っているのがサキイカが人気の「スルメのおかやん」。作りたてのサキイカを求めていつも行列ができるのだそう。注文するとできたてアツアツのサキイカを試食にいただけますが、柔らくて味もしっかりとしていてついついビールが飲みたくなります。サキイカは(大)1,080円、(小)540円。この日は並んでいる方が10名以下でいつもよりマシだということで並びましたが、みなさんサキイカを大量買いするので(20袋以上お買い上げの人もいました!)約1時間ほど並びました。ほかにもえいひれやかわはぎなどお酒のアテまてがたくさん。お土産にもおすすめです。
◆おかやん
住所:神戸市兵庫区東山町2-7-19
電話:078-531-3941
営業時間:8:00〜17:00
定休日:月・火曜日
ここはだけ令和? 焼き芋の「神戸芋屋志のもと」/東山商店街
喉を潤したいと見つけたのは、商店街入り口近くにある焼き芋専門店「神戸芋屋志のもと」。昔ながらの喫茶店や居酒屋が多い商店街のなかで、令和の雰囲気を感じるおしゃれな雰囲気のお店です。2020年全国やきいもグランプリで初代日本一になった焼き芋屋で、いくつか支店がありますが、ここ湊川本店ではカフェスペースがありイートンインができます。冬は焼き芋がおすすめですが、夏は蜜芋ソフトクリームがおすすめ。ミルクアイスに焼き芋を練り込んでいるので、ソフトクリームだけどねっとりした焼き芋を食べているよう。セットになっている飲み物はお芋に合うオリジナルのお茶で煎茶、ほうじ茶、和紅茶と3種類から選ぶことができます。
◆神戸芋屋 志のもと 湊川本店
住所:神戸市兵庫区荒田町1丁目22番1号ワコーレシティKOBE湊川公園1階6号室
電話:078ー600ー9294
営業時間:10:30〜18:00
定休日:火曜日
ディープな神戸はいかが?
港町のイメージが強い神戸ですが、少し足を延ばすとまた違った魅力に出会うことができます。今回ご紹介した湊川エリアは神戸の台所といわれているだけあって、よりローカルな食や文化に触れることができました。商店街にはご紹介したお店のほかにも、串カツにうどんに餃子など名店揃いで昼間から地元の人で賑わっています。またお時間あれば湊川駅、湊川公園駅から1駅(歩いてもわずか約7分)の新開地駅の周辺もおすすめです。月2回公開の湊川隧道と合せてディープな神戸を探してみませんか?