お餅を目当てに峠に行ってみたら県境がおもしろかった県(件)【長野~群馬】

旧碓氷(うすい)峠名物の力餅ってご存知ですか? 車を走らせ旧軽井沢銀座通りを抜け、別荘街を横目に更に登り「旧碓氷峠」の頂上まで来るといくつか販売しているお店がありますが、そのうちのひとつ、創業350年の「しげの屋」さんへ。このお店、群馬県と長野県の県境にまたがって建っていて住所も二つあるという珍しいお店なんです。昨年訪れた際の鮮やかな紅葉(例年10月中旬~11月上旬が見頃)の景色とともに、その魅力をご紹介します。
目次
看板に走る赤いラインが目印の「しげの屋」

看板の下を通る赤いラインが県境
しげの屋の力餅は、江戸時代より中山道最大の難所と言われる碓氷峠を行き来する人々にふるまわれ、愛されてきました。お店では力餅のほか、信州そばやシフォンケーキなどもあり、テラス席ではワンちゃんも同伴することができます。黄味(きなこ)、甘味(あんこ)、黒味(ごま)、胡桃(くるみ)、おろし醤油、みそくるみの6種類のなかから、定番のあんことおろし醤油、それと門前そばをいただきました。
つきたてのお餅は柔らかくあんこも程よい甘さ、甘いのと、からみ餅の辛いのでエンドレスにいけそうです(笑)。門前そばも本格的な二八の信州そばでした。
◆元祖力餅しげの屋
住所:長野県北佐久郡軽井沢町峠町2・群馬県安中市峠3
電話:0267-42-5749
呼び名が二つ? 「熊野皇大神社」と「熊野神社」へ
ところで、なぜ門前そばかと言うとこちらのお店の真ん前には熊野皇大神社が鎮座しているのです(長野県側では「熊野皇大神社」、群馬県側では「熊野神社」と呼ばれているそう)。あ! 本来そちらがメインのはず、罰当たりな私は餅に目がくらんでいました。神様ゴメンナサイ。
熊野皇大神社も県境が中心を通っていて、左右の灯籠の柄もちがえばお賽銭箱も長野と群馬に分かれ、宮司さんもそれぞれいらっしゃいます。御朱印も長野側と群馬側で別々にいただくことができます。
おまじないのテーマパーク?
この時点でも面白いのですが、ありとあらゆるおみくじや厄払いのおまじないなどが目白押しなんです。おまじないのテーマパークかい? いろいろなおみくじやおまじないがあったので、ぜひお賽銭をたくさん持って(笑)行ってみてください。
長野県側に寿齢1000年のご神木「しなの木」があり、ハートの形の穴が空いていることからパワースポットとなっています。願い事を唱えながら右回りにぐるりと回ると1年寿命が延びるとされていて、(いろいろ気になるところもありながらも)回ってみました。しなの木の〝しな〟とは「結ぶ」という意味があり縁結びのご利益もあるそうで、フォトスポットやハート切り絵の御朱印など、ハートマークをあちこちで見かけます。
ここから奥社まで歩いて10分くらい、熊が出ないことを祈りながら、いや、出ないでねーっておしゃべりしながら登っていくと小さな「八咫烏社」がありました。その後方には「真田社」なるものを発見、なんと! あの真田幸村が北条討伐の際にこのあたりに陣を敷き戦勝祈願をしたのだそうです。
見どころ満載な神社、熊野皇大神社の方はホームページもなかなかユニークなので訪れる前にのぞいてみては。
◆信濃国特別神社 熊野皇大神社
住所:長野県北佐久郡軽井沢町峠町1
長野と群馬の山々の絶景をいっぺんに
神社のすぐ近くには旧碓氷峠 見晴台があります。約4㎞続く遊歩道では、紅葉がきれいだったので写真をたくさん撮りました。昨年の10月末、暖かい日が続いているから見頃と思っていましたが、長野はもう秋が進んでいました。あ?群馬?(笑)
◆旧碓氷峠 見晴台
住所:長野県北佐久郡軽井沢町峠町
県境は面白く、ちゃんとしたパワースポットだった

旅の締めくくりは甲信越道横川サービスエリアで峠の釜めしを頂き、可愛らしいプリンをお土産に。プリン率高めな私です(笑)
お餅を目当てに行きましたが思いがけずとても面白い旅になりました。軽井沢のすぐ近くなので機会があったらぜひ立ち寄ってもらいたいです。紹介したスポットはすべてワンちゃんと一緒に行けるので、一緒に旅するのも楽しそう。この日もたくさんのわんこに会いました(我が家はニャンコなので連れて歩けないのでうらやましいと思ってみています)。碓氷峠の頂上、長野県と群馬県の境目はおもしろい! でもちゃんとしたパワースポットでした。