【京都】猫と絹織物の町、京丹後市峰山町。リニューアルオープンした宿で文化に触れる滞在を

一大観光地・京都ですが、府の北部に位置する京丹後市峰山町をご存知でしょうか。日本唯一の狛猫さんのいる町で、猫好きにぴったり。さらに、2024年にリニューアルオープンしたホテルと隣接するサウナが、町の文化も知れる仕掛けがいっぱいで素敵なんです! ワーケーションで全国を巡る旅色LIKESライター・&ヨシカがまたすぐにでも再訪したいと思った、ホテルとサウナをご紹介します。
目次
列車でも至福の体験が叶う京都丹後鉄道が走り、猫にゆかりがある町、峰山
京都丹後鉄道と言えば、レストラン列車の「丹後くろまつ号」をはじめ、普通運賃だけで乗ることができる「丹後あおまつ号」などデザインも車内での体験も楽しい列車をたくさん走らせている鉄道会社。天橋立を擁する宮津市を中心に、東は兵庫県豊岡市、西は京都府舞鶴市、南は京都府福知山市と魅力的な町をつないでいます。
私は昨年秋に仕事で宮津市に2泊3日滞在後、1日乗車券を使って丸一日京都丹後鉄道の旅を満喫。遅い時間になり暗くなってきたため急遽延泊を決め、予約したホテルの最寄り駅である峰山駅に降り立ちました。近くの天橋立駅や宮津駅は有名だけど、峰山駅って聞いたことがない……。 ホテルまでの道にもお店もあまり見当たらず、明日起きたらすぐにどこかに移動しようと考えていましたが、ホテルと隣にあるサウナ施設がとても素敵だったので、ゆっくり体を休めることに決めました。さらに峰山町が日本唯一の狛猫のいる町だとわかり、猫好きの私は大興奮。町の猫を巡った旅も別記事で紹介しているので、合わせて読んでみてくださいね。
京丹後の魅力を知ることができる「KISSUIEN Stay & Food 」
峰山駅から徒歩8分ほどの場所にあるホテル「KISSUIEN Stay & Food」。1969年に「吉翠苑」として開業し、2022年からフロントやレストラン、大浴場を刷新、2024 年に全室リニューアルオープンしました 。モデレートシングルルームは、デイベッドもありシングルルームとは思えないような広々とした空間でとても快適でした。
チェックイン後にフロント近くで色々見ていると、偶然ホテルの代表の方がいらしたので、館内を案内していただけることに。まずは、京丹後の伝統技術を使って地元のデザイナーが制作した作品が展示されているコンセプトルーム(全6部屋)へ。奈良時代にはじまったとされる「丹後ちりめん」をあしらったオブジェがあったり、各部屋にコンセプトカラーがあったり、と宿泊することで地域の伝統や文化を感じられます。琉球畳のスペースもあり、小さいお子さんから年配の方までくつろげそう。
次はロフト付きで天井が高くゆったりとした空間で4人まで宿泊可能なバンクベッドルームへ。仲間同士で隣のサウナ施設に来る人に人気だそう。
夕食はホテル内の京丹後の食材をふんだんに使用した料理を提供するRestaurant aun(レストラン アウン)で。おすすめされた「原木舞茸の天ぷら」や「京丹波高原豚と旬野菜の蒸籠蒸し」、京丹後舞輪源(まいりんげん)蒸留所のフレッシュクラフトジンなどをいただきました。京丹後市は魚もお米も野菜もおいしくて住人の腸内環境がよいらしく、京丹後市に住む100歳以上の人たちの比率は全国平均の3倍を誇っているとのことですよ。
食事後、店内のカウンタースペースの壁に一対の猫の置物を発見。スタッフさんが近くに置いてある置物を集めて見せてくれたり、この町には狛猫のいる神社があることや、この猫の置物を自分でアレンジできるワークショップを教えてくれたりしました。
こちらのホテルには、共用空間にも京丹後の素敵なものがさりげなく配置されています。大浴場にかけられている丹後ちりめんの暖簾、ウェルカムドリンクには地元のお酒が。お土産スペースにもセンスの光るデザイン雑貨やお菓子やドリンクなど、「京丹後もん」が勢ぞろい。館内のどこにいても居心地がよく、いろんな発見にワクワクします。
◆KISSUIEN Stay & Food
住所: 京都府京丹後市峰山町杉谷943
電話番号:0772-62-5111
お医者さんがオーナーの温浴施設「ぬかとゆげ」
ホテルのお隣にある素敵な日本家屋はなんと、米ぬか酵素風呂とフィンランド式サウナを併設した世界初の施設です。ホテルの初代会長(代表取締役の祖父で吉翠苑の創業者)の自宅を改装し、地元の整形外科医の吉岡さんがオーナーとなり、KISSUIEN Stay & Foodと連携する形で予防医療につながる温浴施設として2022年に開業しました。オープンしてすぐにサウナシュラン10位に入賞するほどの人気なんです。ホテルのお部屋に上がるエレベーター横にはサウナと酵素浴の空き状況がわかり、予約もできるタブレットがあるのでちょっと空いた時間にすぐ隣に行けるという立地もいいですね。
私はチェックインした夜にサウナ、翌日朝に酵素浴に入ってみました。貸し切りのサウナは「寝転びサウナ」「シアターサウナ」「バリアフリーサウナ」など5室あり、それぞれのコンセプトによりフィンランド語で名前が付けられています。私は女性人気が高い「休憩、ブレイク」を意味するペアサウナ「TAUKO」に入りました。このお部屋はサウナの本場・フィンランドの雰囲気を楽しめる空間になっています。また、京都北山檜のととのい椅子や今治タオル、こだわりの酵素ドリンクやクラフトコーラなどサウナにまつわるさまざまなコンテンツも楽しめます。サウナで寝転んでゆっくりしたいところですが、このようなこだわりに触れるとテンションが上がってしまいます。こちらのお部屋は90分制ですが、10分単位で延長が可能で延長料金は比較的リーズナブルなのでついつい長居してしまいそうです。
翌日は米ぬか酵素浴を。砂風呂は何度か入ったことがありますが、ふかふかの米ぬかに体を沈めるのは初めて。米ぬかには酵素の働きを助けるビタミンやミネラルが豊富に含まれており、自然発酵で熱源を使わずに60℃から70℃になり、体感温度は42℃前後ほど。体の深部まで温まり、免疫向上・美肌効果などが期待できるそう。途中クールダウンの時間もありますし、熱ければ手や足を出してしまいましょう。体がぽかぽかするのと、ふわふわの米ぬかに包まれるのとで30分でも十分リラックスできますよ。
◆ぬかとゆげ
住所: 京都府京丹後市峰山町杉谷941-1
電話番号:0772-66-3988
営業時間:酵素風呂 8:40〜18:00 ※最終入酵18:00、サウナ 6:00〜24:40
予約受付時間:酵素風呂 当日13:00まで、サウナ 当日22:00まで
定休日:木曜日
おわりに

帰りに気づいた……峰山駅は機織り機をモチーフにしたデザインの駅舎
今回の宿はワークスペースがありながらも、リフレッシュ施設が大充実で、仕事をせずにゆっくり過ごすおこもり旅になりました。まだまだ寒さがこたえるいま 、寺社仏閣だけじゃない、京都の魅力を知れるホテルで、のんびりサウナで整う滞在をしてみませんか。