菜の花にミモザ、桜に元気づけられる。都内の穴場な花スポットへ

年末年始の慌ただしさから疲れが出てきている人も多いのでは? そんなときは、花の鮮やかな色にパワーをもらいに出かけませんか。観光エリアからほど近い、都内でゆったり花を楽しめる穴場スポットを、旅色LIKESメンバーで東京シティガイド検定の資格を有するてぃまらんさんが紹介します。桜はもちろん、菜の花やミモザといったひと足早く見頃を迎えるビタミンカラーの花は心にグっと響くものがありますよ。
※写真は2024年2~3月撮影
目次
菜の花畑でまぶしい「浜離宮恩賜庭園」
入苑後の第一印象は「まぶしい!」
一面黄色の花畑が目に飛び込んできます。梅の花と菜の花の香りがあたりに漂い、晴れ晴れした青空に蜂が蜜を集めて忙しく飛び交っていました。景色を眺めて花の香を嗅ぐ、というのは五感に訴えるものがあります。心に澄み切った一陣の風が吹き抜けるような景色です。
菜の花は例年2月下旬~3月中旬ごろに開花し、園内の梅林では、昨年訪れた2月には紅梅や白梅が一部見ごろを迎えていました。かつての将軍様の離宮、庭の手入れや木々の剪定が見事です。梅や松が回遊式の庭園を彩っています。また、浜離宮のある汐留エリアは20年前の開発で高層ビル群が立ち並び、古き良き日本庭園と、現代の林立するビルの対比が面白い構図です。
◆浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)
住所:東京都中央区浜離宮庭園1-1
電話:03-3541-0200(9:00~17:00)
開園時間:09:00~1700(入園は16:30まで)
ハート型のミモザ? 「木場公園」
3月8日は「国際女性デー」。イタリアでは「ミモザの日」と呼ばれ、2月中旬頃から広告を見かけるようになり、ショップやレストランでも黄色の素材が増えてきます。
そんな時期にぴったりなのが木場公園。ここにはたった一本のミモザの木があるんです(ミモザって「樹」なんだ、と衝撃を受けました)。
木場公園は道路で分断されており、その内の南半面のエリア、ひっそりとひとけのない芝生のところにぽつん、と一本けなげに咲いています。本当に見事でした。秘密の花園のようにそこだけふんわりとした空気が漂い、鳥の聲が虚空に響き渡ります。毎年訪れたい、と思う空間です。
◆木場公園
住所:江東区木場四・五丁目・平野四丁目・三好四丁目・東陽六丁目
入園料:無料(一部有料施設あり)
色とりどりの河津桜が咲き誇る「大横川」
木場公園の東側を流れる大横川は、東京都墨田区・江東区を流れる運河。最寄り駅は門前仲町駅です。
夕方になるとビルの陰になってしまうので日の高い時間に訪れるのがおすすめ。約500mの遊歩道に90本ほど植えられている河津桜は、濃い色の樹もあれば薄い桃色の樹もあり、一か月近く楽しめます。近所の人が朝夕散策するのどかな場所なのですが、この時期ばかりは国内外からの観光客で密度が少し濃くなるエリアです。
【番外編】人気パティシエ監修、食の複合施設「BANK」

施設のシンボル・樹齢約1000年のオリーブの木。兜町に集う人々の憩いの場所になるようにとの想いが込められている
紹介した花スポットからほど近い場所にある、いま注目の施設にもぜひよりみちして。木場駅から2駅、茅場町で下車し、金融・証券の街のイメージがある日本橋兜町へ。ここにはかつては銀行だった建物をリノベーションして一階にはレストラン、ベーカリー、地下一階には個性的な花をそろえる花さん、そしてコーヒーやマフィンをいただけるカフェが併設された複合施設が2022年にオープンしました。銀行のゆかりがあるということでその名も「BANK」。そしてそれぞれの入店するお店がお金にちなむ名前です。手掛けたのはフレンチレストランでのシェフパティシエ経験を経て、「ease(イーズ)」・「teal(ティール)」などの人気パティスリーを手掛けた大山恵介さん。
【地下一階】「Coffeebar & Shop coin」
「COIN」は、週末は満席に近い賑わいを見せる人気店。作家の食器とオリジナル家具を販売し、一角にはカフェ&バーを併設しています。コーヒーは注文時に店員さんに好みなどを相談できますよ。
【地下一階】フローラルデザインショップ「Flowers fēte(フェテ)」
コーヒーが来るまでの間、隣の花屋さん「fête」で花を買うこともできます。ミモザを売っていたので花を見繕っていただきました。これから花が咲くことを想定して、つぼみの花を選んでくださいました。店内の花ぞろえはついついあれもこれもと頼みたくなるぐらい個性的で、物欲が沸々と湧き上がります。
【一階】ベーカリー「Bakery bank」
一階のベーカリーでは、水分量と粉の種類にこだわり、「ease」で育ててきた天然酵母を使用したこだわりのパンを、コーヒーなどと一緒に楽しめます。
ベーカリーの隣、大山さん初プロデュースとなる「Bistro yen(イェン)」にも注目です。
◆BANK
住所:東京都中央区日本橋兜町6-7 兜町第7平和ビル 1F、B1F
スキマ観光にも。花からパワーチャージできる旅

「Bakery bank」期間限定の「ガパオパン」。ガパオに使われるナンプラーの香りがパンにも合う
テイクアウトしたパンをいただき、ミモザを家に飾れば旅の余韻に浸れます。
今回取り上げたスポットは、東京駅・丸の内~銀座・新橋~お台場・豊洲エリアといった観光地からほど近くに位置しているので、観光に+@で楽しんだり、スキマ観光したりしても良さそうです。都内の菜の花の開花は例年2月から(浜離宮はそろそろ見頃を迎えます)。桜より一足早く見頃を迎える菜の花やミモザの黄色に元気を分けてもらう旅はいかがですか。
◆この記事を書いたメンバー

てぃまらんさん
元国内外のホテリエで、京都文化観光検定2級、東京シティガイド検定、国内旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)を取得。