使ったドローンは4年半で8機。とまこのドローン遍歴と最新機種「Mavic3」について
Photo by 阿部雅龍
はい! ドローンアーティストのとまこです。今回は、ドローンそのものについてお話しさせていただきます。2021年11月に新機種「DJI Mavic3」が発売されてから、ドローン業界がウキウキしていることもありまして、また、これまでどんなドローンを使ってきたか、買うべき機種について質問を受けたときに個人的によくおすすめしているものは何か、そんなお話もいかがでしょう。ドローンを手に入れると、ひと味違う旅時間を楽しめるかもしれませんからね。そうそう、ここでは触れませんが、ドローンを購入したら飛ばす前に航空法を知ることもお忘れなく。
目次
4年半で8機! これまでわたしが使ってきたドローンは?
わたしがドローンを始めたのは2017年7月で、4年半以上が経ちました。
今使っているドローンは8機目。森に突っ込んだり、波をかぶったり、今でもよくひとりで事故っています(笑)。もちろん、毎度の事故で買い換えるわけではないので、我ながら、ひとり祭りが派手だなぁという感想です。
ちなみに、過去に2回失敗談の記事を書いているので、どうぞ読んでいただき、笑っていただき、こんなにめげない人もいるならドローンにチャレンジしてもいいかな? なんて思っていただけたら幸いです。
いつも購入するのは「DJI社」のドローン。世界のドローンシェアの7割以上を占めているそうで、信頼があり、実際とっても使い心地がいいので、今のところDJI社一択です。
さて、初めて使った機種は「Mavic Pro」でした。一度壊して、同じ機種を購入し直しています。
2018年の9月には「Mavic2 Pro」が発売されたので、買い換えてレベルアップしました。レンズがハッセルブラッド製になり、俄然美しく撮影できるようになったのです! プロペラのブルブル音もだいぶ軽減されましたよ。
今回改めて自分の機材を振り返って驚いたのは、Mavic2 Proを5機も使っているということ! ドローンには機体保険もあるのですが、いつも壊すつもりなどないので入っていないのですよ……少しは反省すべき、目を覚ませ自分(笑)。
そして最近、2021年11月に「Mavic3」が発売されたのです。待ってました! 今回はなかなか大きな進化があって、ドローンファンの間では評価が高く、わたしもとっても喜んでいるひとりです。
ちなみに、今回こそは「DJI Care Refresh」という機体保険に入りましたよ。
新機種Mavic3の進化に驚いたこと① フライト時間がめっちゃ長い
新しくなったMavic3、控えめに言って、めっちゃいい!
何がいいかというと、一番嬉しいのがフライト時間。最大飛行時間が46分って、これは驚異的な時間です! 前機種「Mavic2 Pro」が31分だったのと比べて一気に15分増し、と言うことは約1.5倍。すごいことですよね。さらにその前の「Mavic Pro」が27分だったから……この成長率はとんでもないです!
サンゴ礁の海でリーフエッジを超えた先、ずっと向こうの深い海の色も撮りたいわたしには本当に朗報なんです。遠く遠くまで飛ぶだけで電池と時間を使ってしまったら落ち着いて撮影できませんから。遠くの撮影もしたい(国土交通省への目視外フライトの申請済み)わたしにはだいぶ嬉しい進化なのです。
また、太陽次第、雲次第で、空の様子が読めない朝日・夕日時間の撮影にも、このフライト時間の長さは夢のよう。「あー、今ちょうど太陽と雲が最高なのに!」というタイミングで着陸させて、電池を替えないといけない時の悔しさったらありません。そのリスクが大幅に減るのは本当に嬉しい限りなんですよ。
新機種Mavic3の進化に驚いたこと② 望遠が効きすぎて楽しい
Mavic3の望遠機能にまつわるびっくりエピソード、聞いて下さい。それは2021年12月、Mavic3を手に入れて間もない頃のことです。香川県観音寺市の観音寺港にめちゃくちゃ大きいクレーン船が来ていました。ずいぶん長いこと港に置かれていたケーソンを運ぶためとのことですよ。
ケーソンとは巨大なコンクリートの箱みたいなもので、垂直方向にスッと立つ様子は、壁のないビルのようにも見えました。それがいくつか並んでいたんですよ、建築されたまま、誰にも住まれることなく放置された廃墟団地みたいで、とっても奇妙な雰囲気。クセになる情景だったんです。
ちなみに、ここにあったケーソンの用途は、いわしの寝床。観音寺市の離島でいりこ(いわし)漁がとってもさかんな伊吹島の近海に沈めると聞きました。とうとう本来の目的を果たすべく運ばれるんですね。
それから数日後、有明浜でドローンを飛ばしていて、望遠機能を試すべく、対岸10kmに浮かぶ息吹島を撮ってみたんです。これが望遠なしで撮影したもの。
で、倍率をどんどんあげていくと……あんな遠くにある島の細部が浮き上がってくるではないですか。
あれ? あのシルエット、観音寺港にあったクレーン船じゃない? もう行っちゃったのか! まさか海のずっと向こうの小さな島の出来事を、クレーン船の行方を、ドローンの望遠機能で知ってしまうとは。びっくりもびっくりです、覗き見気分ハンパない! これが28倍の威力かー。
最大28倍もズームできるこの機能、遠くを見渡せるという意味でもとても便利だし、表現の幅が広がります。動画でここぞという時にアップを差し込むと、印象に残る効果的なアクセントになりそうです。こんな感じはいかがでしょう? ズームを取り入れた動画をご覧下さい。
Mavic3のよさはたくさんありますが、個人的にはこの2点が何より進化したところだと思っています。
新機種Mavic3の進化に驚いたこと③ 動きと画質、安心感
他にもまだまだあります、新機Mavic3の素晴らしさ。旅好きさんが集う「旅色LIKES」で、メカの細かすぎる紹介は要らないと思うのでサラッとね。
操作性の気持ちよさったらすごいんです。滑らかで機敏なのは、Mavic2 Proでも十分満足していたのに、驚くほどレベルアップ! 画像もさらに美しくなったし、少しですが機体が軽くなったことに企業努力が伺えてとても感心です。
それから、電池の機体への付け方が変わり、機体の内部に入れ込むようになったことにめっちゃ喜んでいるんです。なぜなら危険が減ったから。Mavic2 Proの頃は電池を機体の上に乗せてはめ込む形だったのですが、それだと電池が長い時間日差しを直で浴びることになるんですよね。例えばこんな宮古島でのワンシーン。日差しの強烈さが伺えるでしょ。
こんな光を30分近く浴び続けたフライト後の電池の熱さはさわると「あっっっつ!」と声が出るレベルですよ。そんなことを繰り返すと、電池は少しずつ膨らんでヒビが入り……でも、つい使っちゃうことがあるんです、充電が追いつかない時とか。「まぁ、今回の1フライトくらいは平気でしょ」って。機体にハマりづらくなっているのを感じつつも、無理やりハメ込んでフライトしていると、途中で電池が外れて機体が落下! そんなこともありました(泣)。
でも、機体内部に入れられるなら、電池が直接光を浴びることも、そもそも外れるなんてことありません。たびたび光の強い南の島で飛ばしているわたしにとっては、だいぶ安心感が高まります。
個人的な目的でドローンを使いたい方に、よくおすすめしている機種
よく「ドローンは何を買ったらいいですか?」という質問を受けるんです。気持ちはよーくわかります、何を買ったら正解なのか、経験者の意見を参考にしたいものですよね。その時はまず、用途を聞きます。よく聞く目的については仕事ではなく、自分のために楽しく撮影をしたい、という類の回答が多いですね。旅先でこんな記念写真をみんなで撮るのは楽しいし。
その時には「Mavic Air2」をおすすめしています。ちなみに、Mavic3やMavic2 Proがこちらの上位機種にあたる関係性です。Mavic Air2を進める理由は大きく2つ。まず、こちらならドローンを飛ばす際に一番大切な、安全で楽しいフライトと、満足のいく撮影スペックを十分に確保してくれると思っているからです。レンズもいいし、最大フライト時間が34分ってなかなかいいフライト時間ですよ。
2番の理由としては小さくて軽い! なんてったって540gですから。持ち運びが楽ちんだと、気軽にスーツケースやリュックに忍ばせられるから、ドローンを使うことをやめづらくなると思うのです。
いくら持ち運びが楽だと言っても、これより小さい機種になってくると、個人的には耐風力が足りないように感じるのです。また、障害物検知機能も下がるので、結果、衝突や行方不明の可能性が上がって、フライトの楽しさ気持ち良さが減ってしまうように感じています。なにより、フライト時間が短いことも気になるんですよね。なので、Mavic Air2が最適だと思っています。
いつもお届けしている空撮は、こんな相棒たちから生まれていたというお話しでした。あなたの好奇心を少しでもそそることができたならうれしいです。