スイーツの領域展開! 代々木公園にあるパンとケーキの店「ホルン」で異世界に包まれる
近頃、有難いことにお仕事が立て込んでいて、下手くそなランニングフォームでがむしゃらに走り抜けている日々。そんなわたしは繁忙に比例して、甘いものに救われる機会が多くなっているのだが……最近、気づいてしまったことがある。
目次
仕事終わりにスーパーを徘徊して、今夜のご褒美をニヤニヤと物色するのがルーティンなのだが、近頃のドラフト会議を勝ち抜くのは、“カカオ70%”などが品よくラベリングされているパッケージのお菓子。いわゆる大人の甘さと言うやつ。もうティーンの頃のように、新作が出る度にフラペチーノをご機嫌に吸っていたあの頃とは、身体が素直に欲しがるものが変わってきたようだ。
本日の旅の行き先はパンとケーキの店「ホルン」
気づいたら、大人になってしまっていたわたしが(今年30歳を迎えるので、大人じゃないと大変困るのですが)、本日憩いの場として訪れたのは、代々木公園に店を構える「ホルン」。
衣食住に寄り添うことがテーマだそう。「ホルン」のパン、焼き菓子、ケーキ達は、毎日でも食べられる! とグルメな友人からのお墨付き。
その上品な甘味は、ちびっこから大人まで幅広いファン層に愛される場所だ。
うっとりするほど異質な空間が広がる店内
イートインスペースは、地下にある。階段を降りると、あら不思議。まるでお城の秘密部屋に迷い込んだような、クラシックで異世界な空間が広がるのだ。日常から非日常への最高の領域展開……あぁ、好きです。
日々の焦燥とは断絶された空間で味わうのは、愛しくて可愛いスイーツ達。こんな贅沢、いいのかしら?
本日のスイーツ①「いちごのショートケーキ」
ぷっくり愛しい苺が君臨するショートケーキ。取材の時期は旬で輝く苺さまがメインに。ショートケーキのフロントマンは季節の移ろいによってフルーツの顔ぶれは変わるそう。苺の甘酸っぱさを優しく包む生クリームと、ほわほわのスポンジ。口の中で柔らかく溶けて、弾けて、じんわりと幸せに満たされる。
何故か幼い頃、近所の憧れのお姉さんにハグされた時の事を思い出した。柔らかくて、髪の毛からシャンプーの良い香りが漂って、はにかんでしまったあの時。優しい甘さは上品に、ノスタルジーの記憶を引き出す(謎角度のエモさですみません)。
幸せな心地を反芻していたら、気づいた時にはその形跡はあっという間にお皿の上から消えてしまっていた。寂しくなるほど、フォークを運ぶ速度が落ちなかった。飽きないって最高のスパイスだ。一生添い遂げられる。
本日のスイーツ②「ミルフィーユ」
まだまだ貪欲な味覚は、この断層から愛しいミルフィーユを捉えたい。
さくり。
ザクッでもなく、サクッでもなく、この擬音語が文体ではぴったりではなかろうか。少し厚手のミルフィーユのパイ生地が崩れる瞬間、音から優しさが溢れてくる。咀嚼の度に、ほろほろと心地よく生地が崩れる楽しさと、噛み締める度に滲み出る仄かな甘みとバターの香り。生クリームとカスタードが溶け合ったディプロマットクリームの上品な濃厚さに「うふふ」と笑みが溢れてしまって、ちょっと恥ずかしい。
余韻に浸りながら、紅茶を啜るも束の間、また直ぐにフォークを握ってしまうのは「ホルン」のスイーツ達の罪なところ。すぐに口恋しくなるのは、絶妙な甘さのせい。存在感は申し分ないのに、甘さが前に出過ぎない。
謙虚で素直な美少女を愛でている気持ちである。いや、わたし何者?(笑)
まさにスイーツの領域展開。恐れ入りました
旬によって柔軟に顔ぶれが変わるホルンのスイーツ達。季節が巡る度に、訪れたくなってしまうよ。お口から、こんなに優しくて幸せな旬を堪能できるなんて、贅沢すぎるよね。胃の衰弱化を杞憂していた私に、最高の朗報が届いた食体験。日々に寄り添う甘さは、毎日が少し幸せになる賢さと幸せを届けてくれる。また近々、すぐにでもそれに浸りたい。
◆ホルン
住所:東京都渋谷区上原1丁目2-1
電話:03-6804-8265
営業時間:10:00〜19:00、イートイン10:00〜17:30(LO17:00)
定休日:月曜日