- 日帰り
松山でひと味違うノスタルジー文学旅 人気スポットも満喫
- 松山(愛媛県)
- 予算:7,000円〜
・旅行する時期やタイミングにより変動します。あくまでも目安ですので旅行前にご自身でご確認ください。
・料金は1名あたりの参考価格で、宿泊施設は1泊2食付き週末料金を参考にしています。
・レンタカー料金および駐車場代金は含まれていません。
更新日:2024/10/30
文学の街・松山。定番「坊っちゃん」「坂の上の雲」に、名作ショートショート「海酒」をフィーチャリング。ありきたりなセオリー旅とはひと味違う、ノスタルジックな旅で貴方だけのビーチグラスを探しに行きましょう。
道後温泉本館
約3000年の歴史を誇り、日本最古といわれる温泉。文豪・夏目漱石は、松山中学赴任時に足繁く通い、「坊っちゃん」に“住田の温泉”として登場させ、主人公に「立派なものだ」と語らせている。本館は公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定された。
- 【住所】 愛媛県松山市道後湯之町5番6号
- 【TEL】 089-921-5141
- 【営業時間】 神の湯階下6:00~23:00(札止め22:30)、神の湯2階席6:00~22:00(札止め21:00)、霊の湯2階席6:00~22:00(札止め21:00)、霊の湯3階個室6:00~22:00(札止め20:30)、霊の湯貸切室6:00~22:00
- 【定休日】 毎年12月、一日休館して年末大掃除
- 【料金】 <神の湯階下(60分)>大人(12歳以上)700円、小人(2〜11歳)350円、<神の湯2階席(60分)>大人1,300円、小人650円、<霊の湯2階席(60分)>大人2,000円、小人1,000円、<霊の湯3階個室(90分)>大人2,500円、小人1,250円、<霊の湯3階貸切室 しらさぎの間(90分)>大人1組 6,000円、人数×1,300円、小人650円、<霊の湯3階貸切室 飛翔の間(90分)>大人1組 3,000円、人数×1,300円、小人650円
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 松山ノスタルジー文学旅のスタートは、夏目漱石さんに敬意を表して、朝から温泉に入りましょー
- ★ 入湯するのに複数のパターンがありますが、「霊の湯」3階個室利用をおすすめします。また、女性の方に朗報です! 名物「坊っちゃん泳ぐべからず」の警告木札は、これまで男湯でしか見ることができませんでした(考えてみれば当然ですよね)。それが5年半に及ぶ保存修理工事によってお風呂の構成が変更され、女湯(神の湯)でも見られるようになったんですっ。──さて、なぜ霊の湯3階個室利用が良いのか、そして警告木札が女湯でも見られるようになったからくりは? その理由と真相を知りたい方は、NPO文学旅行のホームページ:https://www.bungakuryokou.net/japanese/experience/ へ、ぜひお越しください
- ★ 5つめの画像「坊っちゃんの間」は、どのパターンで入湯しても見学することができます。部屋には「赤シャツ」や「うらなり」のモデルとなった方々の写真が掲示されていますよー
- ★ ところで、漱石さんの小説は「坊ちゃん」ではありません。その表記は「坊っちゃん」なんです! ここを間違うとどうなるか……こちらのお話は文学旅行noteのほうへ → https://note.com/airplane_deer/n/n491215c9d7c5
- ★ 明治27年に完成した「神の湯本館」、明治32年竣工の皇族入浴用棟である「又新殿・霊の湯棟」、大正13年竣工の南棟と玄関棟は、国の重要文化財。ノスタルジーというにはいささか高尚ですが、唯一無二の雰囲気を味わってください
- ★ 近くの小高い場所にある市営駐車場が安くて便利です
坂の上の雲ミュージアム
司馬遼太郎の大河小説をモチーフとしたミュージアム。松山市が取り組む「『坂の上の雲』のまちづくり」における中核施設に位置付けられている。空に向かって5度広がる逆三角錐の建物は、建築家・安藤忠雄氏による設計で、小説の世界観を表現したもの。
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 施設概要にあるように、松山市は全国ではじめて“小説を活かしたまちづくり”を推進中なんです。もうね、はっきり言って、まち中どこへ行っても文学旅行なんですよ、松山市は
- ★ 司馬さんは「坂の上の雲」というタイトルで、いったい何を表現しようとしたのでしょうか? それは「あとがき」を読まなければ分かりません──「百姓国家がもったこっけいなほどに楽天的な連中が、ヨーロッパにおけるもっともふるい大国の一つと対決し、どのようにふるまったかということを書こうとおもっている。楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう」← 司馬さんのロマンティシズムが炸裂しているのです(ウルウル)
- ★ 館内での移動は、回廊状のスロープ=ひとつづきの緩い坂をのぼっていくことになります。2つめの画像「支柱のない空中階段」を利用すれば、遥かにかがやく白雲を目指して歩んでゆくような気分に。2025年7月には、安藤忠雄氏のプロジェクト「こども本の森」の松山版もミュージアム内にオープン。安藤建築ファンにとっても、これは行くしかないっしょ!
- ★ 駐車場はないので、周辺のコインパーキングを利用しましょう
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ ここからは「海酒」(田丸雅智・筆)の源流をたどっていきます。まずは商店街から。もともと三津浜は港町として、松山の中心地に対してちょっとした“自尊心”を持っていたそうです。「こっちの人らは“城下のもんが何言よんぞ”というような感じで、独立した文化をもっとったんです。それがいつの間にか松山市に吸収合併され、住所名も変わってしまったというね……」と、ある店主が説明してくれました。そうした地域の矜持が、次のスポット4のような施設を生む源泉になっているのかもしれませんね
- ★ それはそうと、そろそろお腹が空いてきました。 美味しいお昼ご飯にしませんか? 5、6枚目の写真にあるように、地域には「三津浜焼き」と呼ばれる、昔ながらのB級グルメ名物があるんです。要はお好み焼きなのですが、生地には魚粉がふりかけられており、キャベツやちくわ、肉、魚、卵、ソバなどの具材とあいまって独得です。三津浜地区には20軒程度の専門店があるらしいゾ。急げ〜! おいしー!
- ★ 商店街の入り口に駐車場があります
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 三津浜地区は商店街を中心にユニークな地域活性化に取り組んでいます。そのひとつにご案内いたしましょう。スポット名称こそ「旧濱田医院」としましたが、その実体は松山と横浜にオフィスを持つ法人による、まちづくりプロジェクトの拠点「ミツハマル」でもあるんです
- ★ こちらの法人では、使われなくなった公共施設などを地域住民に安価に売却あるいは賃貸し、地域コミュニティのための施設または地域活動資金捻出のための施設として利活用する事業を展開しています。10年以上空き家状態だった“元お化け屋敷”には現在、カフェや手作り洋服店、アンティーク古物販売店などがテナント入居しています
- ★ また同地区では、地元住民による任意団体がさまざまなイベントを開催するなど、「コト」によってまちを盛り上げようとする人たちも多いんです。その雰囲気の良さに惹かれて他地域から移住して来る若者も少なくありません。彼らの物語はスポット8の最後に、またね
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 商店街を少し行くと、かつての水運の面影を見ることができます。「渡し」がそれで、いまだ現役。しかも海上なのに市道の一部というから泣かせるじゃありませんか。起源は15世紀半ば・戦国時代に、「港山城」を居城とする河野通春(こうのみちはる)が毎朝、米や野菜を対岸の城まで運ばせたことだったといわれています。江戸時代には、句会に参加するため小林一茶が利用したとも。現代になると実写映画・アニメ「がんばっていきまっしょい」で主人公の女子高生が通学に使っている、とか
- ★ 司馬さんも「坂の上の雲」だけでなく、「竜馬が行く」や「菜の花の沖」といった作品で三津に触れています。登場人物が四国へ行くような場面では“長州人が三津に上陸した”といったふうに描写されて。それほど三津(浜)は、海上交通の要衝として安芸や周防と結び、松山の発展を牽引してきた地域だったのです。なお、この渡しは、ノスタルジックな往時の面影を遺す風景として四国八十八景に選ばれています
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 駅舎も木造となれば、ノスタルジーを通り越して、逆に新しさを感じてしまうところ、ありませんか? 2013年公開の映画「真夏の方程式」(原作:東野圭吾、主演:福山雅治)ロケ地として界隈では知られています。その佇まいは、物理学者・湯川学(福山雅治)の人柄を表すような重要な場面に使われただけでなく、架空の街「玻璃ヶ浦」の全体イメージを印象づける演出に、ひと役買っていました
- ★ 最後の画像でわかるように、山側から駅舎を見るとヨーロッパ風のアーチがデザインされていて、これが洋風建築の面影=アールヌーヴォーなんだな、とうなずいたりしてね。ふむふむ
- ★ さて、この駅でレンタカーを返却して、伊予鉄道の旅を楽しむことにします。海沿いを走る列車の車窓から景色を眺めつつ、一駅先へ行きましょう
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 行ったことはないし、見たこともないのに、なぜか懐かしい風景──この駅も、そんな感じがしませんか? むかし観たドラマのように、かつてあったはずなのに、いまはもうないもの──祖父母の着物、母のジュエリー、父の腕時計──ドロップハンドル、花柄のポット、海の家と友だち、きらきら光る波、空を舞う紙ヒコーキ──あの日の思い出は本当の出来事だったのでしょうか。そして今、駅舎に立つこの瞬間も、世界はリアルな時間を刻んでいるのでしょうか。すべては夢のまた夢……なんてね。「海酒」の作者・田丸さんも、幼い頃に祖母と電車に乗ってこの駅で降り、次のスポット8の海岸へ遊びに行っていたようです
- ★ ところで話は変わりますが、伊予鉄道についてマメ知識をひとつ。「や〜きゅ〜う、す〜るなら、こういうぐあいにしやしゃんせ」と唄って踊る、野球拳ってあるじゃないですか。あれは伊予鉄道野球部の“一発芸”が発祥といわれています。当初は脱衣するような芸ではなく、じゃんけんで負けるとアウトになり、それでおわり。南国伊予の素朴で伸びやかな明るさを感じさせるエピソードとして好きなんですよね〜。それがなぜ脱衣するようになったか、真相はなぞです
鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 今回モチーフにした「海酒」は、「海色の壜」(田丸雅智著 出版芸術社・双葉社)に収録されたショートショート。故郷である三津の海をイメージして創作されたお酒の味わいは、どこまでも瑞々しく、さわやかさのなかにノスタルジックなほろ苦さを感じさせます。今では装飾品やアートとして販売されるようなったビーチグラスが、小道具として良い働きをするんです
- ★ 「海酒」の清冽な味わいは、作者・田丸氏をショートショートの名手として知らしめただけでなく、松山市が主催する「坊っちゃん文学賞」の募集要項にも変化をもたらしました。それまで4万字の短編だった募集要項を、松山市は4,000字以内のショートショートへ変更したんです。これも時代の要請ですよねぇ
- ★ かつての「梅津寺パーク」は現在、「梅津寺公園」(有料)として運営されています。園内には「坊っちゃん」が乗った伊予鉄の機関車が展示され、また遊園地の跡地は「愛フィールド梅津寺」として、サッカーチーム愛媛FCの練習場やイベントなどに活用されています
- ★ 人影のなくなったこの海岸で、貴方も探してみませんか? 果たせなかった夢や希望、あるいは美しい思い出たち──それらを閉じ込めた小さな宝石のようなビーチグラスを。まだ残っているかもしれません、貴方だけのグラスが……。こんなところにあるわけないじゃないか、と思っていませんか? いやいや、ひょっとしたら見つけられるかもしれませんよ、時の彼方に置き忘れていたあの頃の想いを……
- ★ 三津浜ビーチグラス物語は文学旅行noteへ→ https://note.com/airplane_deer/n/n8d27a7e9e859
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