分散型ホテルを深堀ってみたら、八重山の島旅に行き着いた!
「月刊旅色4月号」のテーマ「まちに、泊まる」に関連して、旅色LIKESメンバーと一緒に「分散型ホテル」について考える会を行いました。耳慣れない言葉ではありますが、会の後「実は体験していた!」と気づいたサヤカさん。沖縄県の八重山諸島での“まちに泊る”体験とは?
目次
◆この記事を書いたメンバー
サヤカさん
都内在住トラベリーマン(ただの旅好き会社員)。もっぱら海外、時々国内も、改めて日本の素晴らしさを知る旅を深めたい! 今日この頃。好きな旅スタイルは、#リゾート #温泉 #海 #ホテルステイ #絶景 #世界遺産 #のんびり #非日常 #癒し #美味しい #現地集合 #ANA派 #歩く #そこにしかない空気感。
「分散型ホテル」を考えてみて気づいたこと
某日、旅色LIKESが主催する「ちゃんと旅を考える会」に参加した。テーマは、分散型ホテル。アルベルゴ・ディフーゾとも言うらしい。これ、イタリア語。おしゃれだね。でも、それって何? っていうのが正直な感想だし、はてな(?)マークが頭の中を飛び回る中、こわごわ覗いてみると、これが結構興味深かった。
“町の中に点在している空き家をひとつの宿として活用し、町をまるごと活性化”
日本の公式サイトにアルベルゴ・ディフーゾの経営形態やホスピタリティに関して「10の決まり」がある。お堅い定義は抜きにして、柔軟に捉えてみると、その土地の人や文化と交流しながら「町に泊まる」とか「町をまるごと楽しむ」ってことじゃない?! となると、ふと「実はすでに体験していた」ことに気づく。
例えば、石垣島を中心に巡る八重山諸島って、もう町さえ超えて、島ごと楽しむって感覚。石垣空港に降り立って路線バスに揺られて30分に位置する石垣港離島ターミナルに着けば、そこが島を楽しむ旅のスタート地点となる。今回は、石垣島と竹富島の旅を、分散型ホテルになぞらえてご紹介します。
【島旅その①】石垣島で“食”にどっぷり浸かる、勝手にグルメスタンプラリー
行きの飛行機の中で、石垣ならではの食べたいものをリストアップして上陸。今回、ホテルは離れているものの、スタンプラリーの目的地は離島ターミナル、もしくはユーグレナモールを起点に約30分の範囲を繋ぐことに。いずれも徒歩圏内です。
①「パポイヤ」で、石垣牛ハンバーグ。
ステーキレストランですが、あえてのハンバーグをチョイス。はりきって! オリオン生とともに。老舗のコク深いソースとジューシーなお肉が絡み合い、一瞬で完食しました。(そう言えば、パポイヤってどういう意味だろう……ずっとポパイエって記憶してた)
◆パポイヤ
住所:沖縄県石垣市大川258レオビル8F
電話番号:0980-83-3706
② 「来夏世(くなつゆ)」で、八重山そば。
すんごい住宅街の中に突如現れるステキなお店。お客さんがひっきりなしに訪れます。メニューは、やさしいお味の八重山そばとジューシー(※)のみ、と潔いほどにシンプル。「島とうがらし」と「ぴーやしー(こしょう)」による味変が、やめられない。
※沖縄風炊き込みご飯
◆来夏世
住所:沖縄県石垣市石垣203
電話番号:0980-82-7646
③ 「海坊主」で、ブレンドコーヒー。
ターミナル近くの喫茶店。薄暗い店内は静かで落ち着いていて、時折交わされる常連さんとの会話をBGM替わりに、丁寧に淹れられたコーヒーを味わえる。石垣に来ると必ず立ち寄るアドレス。
◆海坊主
住所:沖縄県石垣市美崎町8-12
電話番号:0980-82-3674
④ 「たけさん亭」で、石垣牛焼肉。
石垣牛を食べるために石垣に来たといっても過言ではない、メインイベント。店員さんにお伺いしたところ、石垣牛はかなり脂身が強いとのことで、赤身の多い肉の盛り合わせをオーダー。とはいうものの好物のハラミも外せず。本当にジューシーなお肉でした。
◆たけさん亭
住所:沖縄県石垣市浜崎町2-2-4
電話番号:0980-88-0704
⑤ 「南の島(ぱいぬしま)」で、泡盛。
八重山そばを食べたくて寄ったのですが、夜はやっていないとのこと。即座に気持ちを切り替えて、泡盛とゴーヤサラダで一杯、いや二杯。〆はやさしいお出汁のアーサ汁。
◆南の島
住所:沖縄県石垣市大川224
電話番号:0980-82-8016
⑥「石垣島THE SHAKE」で、生シェイク。
そろそろ塒に帰ろうと歩き出すも、煌々と何やら人だかりの新しいお店を発見!! 10月も終わりに夏の虫のように吸い寄せられ、メニューを見ながら悩むこと数分で、黒糖シェイクをゲット。冷たさといい、甘さといい、疲れたカラダと胃袋に染みわたりました。次回は、推しのフルーツ系を試そう。
◆石垣島THE SHAKE
住所:沖縄県石垣市大川1丁目730コート 1F
石垣島で泊まるなら「フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ」へ
離島ターミナルからタクシーで15分ほどに位置する、1泊ではもったいない圧巻の設備。おしゃれなナイトプール&バーは目の保養になったし、ジャグジー付きの大浴場は歩き疲れた足をほぐすのに十分すぎる快適さでした。朝食の充実度と、スパのホスピタリティの高さは、石垣の滞在先としてイチオシです。
【島旅その②】竹富島で沖縄の原風景に触れて、なりきり島民時間
島旅2日目は、石垣港離島ターミナルから、フェリーでわずか10分のところに浮かぶ竹富島へ。のどかで美しい沖縄の原風景を体感できる、島の必見スポットをご紹介します。ホテルを起点に島全域を自転車で巡ることができる、これぞ分散型ホテル!
① 島の家
サンゴの石垣に囲まれた赤煉瓦の家々、屋根の上のシーサー、白砂の道。集落を散歩して眺めるもよし、民宿やホテルに滞在して、ゆんたく(おしゃべり)で家の中から島民気分を味わうもよし。
② 自転車と海
周囲約10kmの小さな島なので、レンタサイクルで島一周しても1時間程。集落をぐるっと囲む舗装道は、島の空気を吸い込みながら爆走するのに打ってつけ。疲れたら、外に逸れる道を抜けて、海へ。透明の海に突き出る桟橋や砂浜の心地よい景色、住み着いた島猫との出会いもありました。
③ 水牛車
島の朝の静寂と、案内人の歌と三線のコントラストが美しい水牛車。そんなに広くはないとおぼしき集落の小径を力強く水牛は車を引いて進み、ゆっくりと角を曲がっていく。ユーモラスなおじいの語りは必聴です。
④ 竹富民芸館
なごみの塔から歩いて数十メートルのところに位置する民芸館。館内では、約300年の歴史を持ち、竹富島の代表的な織物であるミンサーなどの織物の製造工程を詳しく紹介したパネルを展示しています。織る作業を見学することもできて、入場無料。解放された扉と看板の模様に惹かれて、つい覗いてしまう。
◆竹富民芸館
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富島
電話番号0980-85-2302
⑤ 島の夕暮れ
日なかは日帰り旅行者がいて賑やかな島も、船がなくなる夕暮れ時には、島民しか知らない島らしさを取り戻す。ぽつぽつと通りに灯りがともり始めると、何とも言えないノスタルジックな集落の雰囲気が漂い、この島で暮らしてきた島民のような気分を味わうことができます。
竹富島で泊まるなら「星のや竹富島」へ
シーサーが鎮座する琉球赤瓦の伝統的な家々が客室となっているので、プライベートを確保しつつも島民の気分で滞在できるのが嬉しい。ゆんたくラウンジでは、泡盛や島唄でもてなしてくれる。お部屋で頂く夕食は「柑橘薫る島鍋」をチョイス。大変にボリュームのある牛肉と豚肉のしゃぶしゃぶですが、シークワサーの爽やかさでペロリと完食のオススメしたい逸品です。
◆星のや竹富島
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富
電話番号:0570-073-066(予約)
4月の「月刊旅色」は「まちに、泊まる」がテーマ。宿だけではなくその周辺を楽しむ旅のスタイルを提案している。八重山諸島は、いわば「しまに泊まり、しまを楽しむ旅」であり、立派な『アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)』体験だと思うのです。冒頭の「ちゃんと旅を考える会」でも分散型ホテルの事例が紹介されました。どんな新しい発見があるのだろうと、ちょうど春風も心地がいいし、試しにふらりと行ってみたくなる今日この頃です。
気になる、日本の分散型ホテル3選
最後に、日本の分散型ホテルの事例から、個人的に気になるところをご紹介します。日本で初めて協会から認定を受けた「矢掛屋」を筆頭に、町がまるごと活性化された本来の意味での分散型ホテルでまちを楽しんでみてこそ“ちゃんと旅する!”だと思うのです。
◆矢掛屋 INN&SUITES/岡山県
住所:岡山県小田郡矢掛町矢掛3050-1
電話番号:0866-82-0111
◆NIPPONIA(ニッポニア) 小菅 源流の村/山梨県
住所: 山梨県北都留郡小菅村大久保3155-1
電話番号:0428-87-9210
◆松本十帖 松本本箱
住所:長野県松本市浅間温泉3-13-1
電話番号:0263-46-0500