【京都在住ライターのご近所さんぽ】さくらいろの京都をゆったり楽しめる穴場へ
京都在住の旅色LIKESライター・ちあきです。寒い寒い冬が過ぎ、お日さんが優しいお顔を見せてくれはる日が増えてくると、そろそろ花の季節が待ち遠しくなります。京都の町は、夏は暑いし、冬は寒いけど、春は「ホンマに京都に生まれてよかったな」と思うおすすめの季節です。今年の桜の開花情報はまだ先と告げてますけど、今日はちょっとお先に桜色の京都をおさんぽしましょ。
目次
桜に囲まれた不思議な建物「傍花閣/渉成園(しょうせいえん)」
まずは京都駅からテクテク10分ほど歩いて、東本願寺さんの飛地境内地にある庭園、渉成園(しょうせいえん)へ。西門から入ると正面に濃い桜色の枝垂れ桜が見えます。「お邪魔します」って、お庭の北門から入ると目の前は桜の道が続いてます。
花のなかに見えるのは、その名も傍花閣(ぼうかかく)。二階建ての建物は左右両側に屋根付きの階段があって、外から直接2階へ上がれる一見すると不思議な建てもんなんです。なんでこんな変わったもんを建てはったんやろって思うけど、壁のない外階段からは、ふんわり漂う花の香が感じられ、この季節の幸せを一層深く感じられるんからかもしれません。
平日なんかはお客さんも少ないし、静かでゆったりとした時間が流れてます。お庭の東側にある大きい池にはお日さんが反射してキラキラ揺れる水面の合間に鳥たちが羽を休めてます。
振り返ると、桜の花陰からは、京都タワーが見えますやろ。ここは、ちょっとしたオアシス、そんなとこですやろか。
◆東本願寺
住所:京都市下京区烏丸通七条上る
電話:075-371-9181(代表番号)、075-371-9210(参拝に関する問い合わせ番号)
開門・閉門時間:3~10月 5:50~17:30、11~2月 6:20~16:30
「京都国立博物館」で昼食を
渉成園でゆっくりお花見をしたら、ちょっとおなかが空いてきました。おひる、食べに行きましょか。
渉成園を出て、鴨川を渡り、東のお山に向かってしばらく歩くと左手にお城のような洋館が見えてきます。京都国立博物館です。お向かいは三十三間堂さんやさかい、そこを目印に来はったらええと思いますえ。
京都国立博物館は、明治30年に開館した歴史ある博物館です。門の奥は「東の庭」という庭園が広がっていて、右手に迎賓館赤坂離宮を設計した片山東熊(とうくま)さんが設計しはった「明治古都館」、左手にはお城の門みたいな立派な門、正面には2014年に開館した近代的な「平成知新館」が建っています。いつも興味深い特別展が開催され、人気展の時は行列ができています。
さてお待ちかね。サンドイッチを食べに来たんは、ミュージアムに隣接する「前田珈琲京博店」。
ここは空いていたら、お店の外のテラスで桜咲く明治古都館を眺めながらコーヒーがいただけるんです。今回は「ふわふわ玉子サンド」(950円)をいただきました。花の季節は短いしベストタイミングはなかなか巡ってきいひんけど、はらはらと散る桜がテラスの池に落ちる様を眺めることが出来たら、多分それが絶好の日より。木陰はちょっと寒いしお日さんが出てるんを確認してからテラスに出はったほうがよろしいえ。
◆京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527
電話:075-371-9210
開園時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:大人700円、大学生350円、高校生以下・70歳以上 無料
※特別展の内容は公式HPよりご確認ください。
◆前田珈琲京博店
住所:京都市東山区茶屋町527
電話:075-533-6262
営業時間:9:15~17:00 ※展示の入れ替えなどに伴い、営業時間の変更あり
定休日:月曜日 ※祝日休日の場合翌火曜日
鴨川沿いへ
おなかもいっぱいになったし、お日さんもまだ高いし、鴨川沿いをおさんぽしましょか。
加茂川と高野川が合流するあたりから中書島(ちゅうしょじま)の西側で桂川と合流するまでの約12キロメートルの川のことを鴨川って呼ぶんやそうです。加茂川と鴨川、ちょっと違うんやね。鴨川には25本の橋がかかっているそうで、そのうち有名なんは秀吉さんが作らはった「三条大橋」と「五条大橋」。
五条大橋は牛若丸と弁慶が切りあったという逸話の残る橋です。ちなみに牛若丸は、壇ノ浦で勇猛果敢に戦い平家を滅亡に追いやったとされる源義経の幼名です。
今日は、五条大橋の一本南にかかる七条大橋から北へと上がります。
鴨川の東側を北へと向かうこの道は、ホンマに気持ちのいいおさんぽコースです。川沿いには桜の波。歩道の東側の川端通り沿いにもずうっと桜が植えられています。
桜色の木の間から対岸の桜が見えてますやろ。そんな景色が何キロメートルも続いています。
遊歩道から川岸に降りて歩くと、さくらの下に小手毬や菜の花が揺れていています。暖かい日は腰を下ろして川の音に耳を澄ましてみるのも京都流。時々、ランナーやサイクリングの人も行きかいます。
四条大橋まで来たら、東華菜館の豪奢な建てもんが見えます。東華菜館はヴォーリズ建築。あちこちに素晴らしい装飾があってうっとりする建てもんです。今でも現役で使われているエレベーターは日本最古のもんらしく、見ごたえがあるんですけど、また今度。
ここらでもう一本西に流れる高瀬川へ行ってみましょ。
高瀬川沿いへ
四条通りから御池通りにかけての高瀬川沿いは有名な桜の名所です。今日はおひるに歩いてますけど、夜はライトアップされ、昼間とちごて、なんや艶っぽい街に変わります。
この辺りは、飲食店がぎょうさんあるとこでもありますし、かつて幕末の志士たちが闊歩したあたりでもあります。気を付けて歩いてたら、志士たちにまつわる石碑を見つけられますさかい、おもしろいですよ。
校庭の桜の下で
ぎょうさん歩いて疲れたさかい、お茶でも飲んで帰りましょか。
ここは、明治2年開校された立誠小学校をリニューアルして作られた「立誠(りっせい)ガーデン ヒューリック京都」です。1階部分は商業施設や文化施設になっていて上階はホテルになっています。
建物のあちこちに古い小学校の名残が残っていて懐かしい気分になりますえ。
昔、校庭やった芝生のお庭は、やっぱり桜が咲いています。芝生に腰かけて、コーヒーショップでテイクアウトしたコーヒーをゆっくり飲むことにしましょ。あ~ほっこりした。
ほな、またこんど。