【実食レポート】初詣に合わせて訪れたい 京都で中華料理×日本茶の世界を楽しもう
こんにちは! 京都大好き編集部員、ヨシカワです。もうすぐ2023年、新たな年の始まりです。全国各地で初詣へ出かける方も多いかと思いますが、わたしのおすすめはやはり京都。数多くの寺社仏閣が揃うこのまちでお参りと併せてぜひ行っていただきたいお店があるのでご紹介させて頂きます。
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大人の雰囲気漂うお店 「茶京華 結」
今回ご紹介したいのは、京都市内にある「茶京華 結」。お店から徒歩圏内には紅葉で有名な「南禅寺」や「永観堂」、ウサギのモチーフが話題の「岡崎神社」などがあり観光客も多いエリアなのですが、お店周辺はひっそりとした佇まいで店内もカウンター5席のみ。完全予約制で大人の隠れ家といった雰囲気なので、デートにおすすめです。リッチな空間も素敵ですが、魅力はそれだけではないんです!
地場産の食材を使った「絶品中華」
この日のメニューはこちら。
【京中華と京のお茶のペアリングをカジュアルに楽しむコース/5,000円(税込)】
・ゴボ丹とニラ饅頭(お番茶のスコッチハイボールで乾杯)
・舞鶴鮮魚と京セリの塩炒め(竹村玉翠園さんの和束産煎茶の旨みで味わう)
・柔らか棒棒鶏(山本甚次郎さんの抹茶の伝統の香りで味わう)
・ミルク天ぷらとスイートポテト月餅(柳桜園さんの香り高い焙じ茶と共に)
・京を結ぶ麻婆豆腐(森井ファームさんの炙り煎茶でサッパリと)
・土鍋炊き込みご飯
・杏仁豆腐(最後はお抹茶体験で楽しむ)
※時期・コース料金によりメニューは異なる可能性があります。
【この日いただいたお茶の生産者さんについて】
竹村玉翠園:宇治茶らしい、旨味を重視したお茶が特徴の日本茶専門店
山本甚次郎:約400年前から続く伝統的な栽培方法にこだわる生産者さん
柳桜園:明治8年創業の「抹茶」を主力商品とする日本茶専門店
森井ファーム:木津川のほど近くでオーガニック栽培をされています
「京都産の食材を使うこと」「京都産の日本茶と合うこと」を考えられて作られたメニューはどれも絶品! 特にわたしがおいしい、と思ったのは「柔らか棒棒鶏」。棒棒鶏であまり柔らかい、と感じたことは今までなかったのですが、調理方法にこだわった鶏肉は口の中であっという間になくなってしまいました......。もう一つおすすめなのは「麻婆豆腐」。辛さはあるけれど、しびれるような感覚はなく、土鍋ご飯の上にかける丼スタイルなのでどんどん箸が進んでしまいます!
ここでしか知れない「京都のお茶」の魅力
さて、「中華料理とお茶」と聞くと中国茶を思い浮かべる方が多いと思いますが、こちらでは「京都産の日本茶」とのペアリングにこだわっています。味付けが濃く、油や香辛料の香りも強い中華料理と日本茶を合わせるのはなかなか難しいそうですが、さまざまなお茶屋さんへ伺い茶葉を仕入れたり、そのお茶にあったメニューをじっくり検討したりすることで絶妙なマッチングを生み出しているそう。
お茶の種類だけでなく点て方にもこだわりが。ただお湯を注ぐだけでなく、料理によってはハイボール仕立てにしたり、エスプレッソ仕立てにしたり......。さまざまなお茶体験ができるので、「ただ料理の間に飲むもの」ではなく、「料理とお茶」それぞれの良さを知れます。
料理が出来上がるまでの間、茶葉の香りをかがせてもらったり、お茶屋さん・お茶についても説明もしていただけるのでそれぞれの特徴についてしっかり理解できるうえ、頂いたお茶は「平等院鳳凰堂」がある宇治駅周辺や京都駅の伊勢丹でも販売されているので、記憶が鮮明なうちに購入して帰ることができるのもうれしいポイントです。
最後は自分でお抹茶を点てよう!
食後はこれまでのお茶の知識を踏まえて別室に移動しお抹茶体験! 趣ある和室で丁寧な説明を受けながら濃厚なお抹茶を点てます。ただシャカシャカ混ぜるだけかと思うなかれ。なかなか根気のいる作業かつ、泡立ての塩梅が難しかったです。しかし、コツも教えていただきながら無事完成。出来上がったお抹茶をまず一口飲み、残りは杏仁豆腐の上にかけていただきます。いま京都で人気の抹茶ゼリーから発想を得て出来上がったメニューだそうで、濃い抹茶とさっぱり杏仁豆腐が驚くほど相性抜群です!
中華料理×日本茶にかける熱い思いにふれて
最初、「味や風味の濃い中華料理と日本茶って合うのかな?」と思ってしまったのですが、お店の方のこだわりによって見事マッチングしたこの「食体験」は日本茶文化が根付く京都でぜひ楽しんでいただきたい、と自信をもっておすすめできるお店になりました。
もちろん、料理もお茶もおいしいのですが、カウンター席でじっくりお店の方にお話を伺いながら食事をするのも非常に良い経験になりました。実は、こちらにはお茶の専門家や農家さんがいらっしゃることも多く「このお茶、使ってみたら?」とおすすめされることも多いんだとか。ですが、“京都産の食材”“京都産のお茶”にこだわっているため、なかなかその条件をクリアする料理の考案が難しいそう。
「いいな! と思ってもお茶が静岡産だったり、例えば“点心とお茶”なんて合うな、と思っても叉焼とかは肉汁と油、日本茶の相性が合わずあきらめてしまったり......だけど、いいお茶屋さん・お茶に巡り合い、べストな組み合わせが生まれたときはとても嬉しいですね。今回お出しした“ミルク天ぷらとスイートポテト月餅”は点心だけど、油のしつこさはなく、ほうじ茶の香ばしさも損なわれてないので自信作です! 」とのこと。
カウンターだからこそじっくりお話が伺えるので、お茶と料理の世界の奥深さをより知ることができ、「せっかく旅行に来たならその土地のおいしいものをじっくり食べなければな」と改めて実感してしまいました。ぜひ、初詣や京都旅行の際に「ここでしか味わえない食体験」、堪能されてみては?