大河ドラマで話題! 家康公出生の地・三河で3つの東照宮を巡ってみた

歴史やものづくりに触れられる旅が大好きなLIKESライターの長月あきです。放送中の大河ドラマ『どうする家康』が放送半年の折り返し地点を迎え、後半戦に突入しました。各地にある家康公ゆかりの地を旅している方も多いのではないでしょうか。家康公出生の地・愛知県三河地方には数多くの関連スポットがありますが、今回は三河にある家康公を祀る3つの「東照宮」をご紹介します。
目次
杉の巨木に囲まれたパワースポット 「鳳来山東照宮」/愛知県新城市
愛知県新城市(しんしろし)の鳳来寺山中にある、鳳来山東照宮(ほうらいさんとうしょうぐう)。家康公の母、於大の方(おだいのかた)が鳳来寺山に籠もり薬師如来に祈願したところ家康公が誕生した、という由緒を知り三代将軍家光公が創建した東照宮です。パワースポットとして知られる鳳来寺山は、山全体が国の名勝天然記念物に指定され、登山・ハイキングコースとしても人気です。東照宮以外にも、鳳来寺や仁王門など歴史的建造物や史跡が随所にあり、自然と歴史情緒を楽しめます。
鳳来山東照宮は山頂にある駐車場(有料)から徒歩約10分の場所にあります。体力がある方は、表参道から1,425段の石段を約1時間上るルートを、途中に点在する史跡を楽しみながら歩くのも良いでしょう(当然歩きやすい靴、それなりの服装で向かうのをおすすめします)。
樹齢370年を超える杉の巨木に囲まれた石段を上ると鳥居と拝殿があり、辺りは厳かで神聖な空気で満たされています。
大河ドラマ放映に合わせて、2023年中は家康公が着用していたという金色の甲冑「金陀美(きんだみ)具足」のレプリカが拝殿に置かれています(本物は国の重要文化財に指定されており、静岡県の久能山東照宮が所蔵)。甲冑の前に置かれている郷土玩具「寅童子(とらどうじ)」は、寅年・寅の日・寅の刻に産まれたといわれる家康公にちなんだ縁起物の起き上がりこぼしです。家康公の誕生と同時に、鳳来寺に祀られていた十二神将のうち寅童子と呼ばれた真達羅大将(しんだらだいしょう)像が消え、1616年に家康が亡くなるといつのまにか像が元の場所に戻っていたという伝承から、家康公は寅童子の化身だったといわれています。
参拝を終えたらぜひ売店にも立ち寄ってみてください。こちらでは「鳳来麩」という面白いお麩が販売されています。鳳来寺山周辺で見られる天然記念物、モリアオガエルの卵塊(卵を含んだ白い泡の塊)そっくりに作られた麩です。ほかではなかなか見られないサイズのお麩なのでわたしも思わず買ってしまいました……!
◆鳳来山東照宮
住所:愛知県新城市門谷字鳳来寺4
電話番号:0536-35-1176
◆鳳来寺山パークウェイ駐車場
駐車場使用料:普通車(通常期550円、繁忙期1100円)
※詳細は新城市ウェブサイトからご確認ください。
使用時間:8:00~18:00 ※12月31日23:00~1月1日8:00までは通し営業。
天井画がフォトジェニックな「松平東照宮」/愛知県豊田市
家康公が、竹千代→松平元信→松平元康→松平家康→徳川家康と、改名していることはご存じでしょうか。徳川家のルーツといえる松平氏発祥の地が愛知県豊田市にある山里・松平郷。ここには家康公と、松平氏・徳川氏の始祖と言われる松平親氏(まつだいらちかうじ)を祀った松平東照宮があります。
ぜひご覧いただきたいのは、108枚の漆絵が施された天井画。2015年に家康公400年祭メモリアル事業として、漆芸家・安藤則義氏が松平郷の四季折々の草花を描いたものです。天井画の拝観には200円かかりますが(高校生以下無料)、御朱印をいただくと無料で拝観できます。2023年中は大河ドラマ放映記念の特別御朱印が授与されていますので、御朱印を集められている方はチェックしてみてください。

松平東照宮の境内にあるのが松平家産湯の井戸。家康公が岡崎城で誕生した際には、この井戸の水が産湯用に届けられたそう。しかし岡崎城にも産湯の井戸があるので、はたしてどちらの水が使われたのでしょうか……。
松平東照宮を訪れたついでに松平郷を散策します。松平東照宮から高月院にかけての約2ヘクタールが松平郷園地として整備されており、のどかな風景の中、歴史と四季折々の自然を感じながら散策できます。

松平郷の一番奥にある松平家の菩提寺「高月院(こうげついん)」。家康公をはじめ、時の将軍から明治維新まで庇護を受けてきました。山門や本堂は家光公によって建立されたものです。
松平郷を一通り散策したら、松平郷園地内にある「天下茶屋」で休憩。家康公長寿の秘訣と言われる、麦飯とろろが看板メニュー。また、江戸時代の有名な川柳「織田がつき 羽柴がこねし 天下もち 座りしままに 食うは徳川」にちなんだ「天下もち」も名物です。
徳川家のルーツともいえる松平氏発祥の地・松平郷。歩いて回れる広さですのでゆっくり散策してみてくださいね。
◆松平東照宮
住所:愛知県豊田市松平町赤原13
電話番号:0565-77-8089(松平観光協会)
料金:拝観無料 ※天井画の観覧は200円
営業時間:拝観は終日 ※松平郷館10:00~15:00
◆高月院
住所:愛知県豊田市松平町寒ケ入44
電話番号:0565-58-1623
料金:拝観無料
社務所受付時間:9:00~16:00
定休日:無休
◆武家屋敷風休憩所 天下茶屋
住所:愛知県豊田市松平町赤原34-5
電話番号:0565-58-3725
営業時間:10:00~15:00(LO14:30)
定休日:水曜日
現在保存修理工事中の「瀧山東照宮」 宝物殿は必見! /愛知県岡崎市
家康公生誕の地である愛知県岡崎市の瀧山東照宮(たきさんとうしょうぐう)は瀧山寺の境内にあります。このお寺は奈良時代に創建された古刹で、源頼朝公にゆかりがあるほか、足利家や家康公の庇護を受けるなど、各時代の将軍家と縁のあるお寺です。瀧山東照宮は、鳳来山東照宮と同じく家光公が建立したものでこちらも日本三大東照宮の一つと称しています。残念ながら、私が訪れた際は保存修理工事中で本殿はシートで覆われていました。立て看板に工期は令和6年5月までと書かれていましたので、来年には綺麗になった社殿が見られそうです。
瀧山寺宝物殿では、源頼朝公の遺髪と歯を納めてある運慶作の聖観世音菩薩立像ほか、国の指定重要文化財や、運慶と湛慶の仏教彫刻など貴重な文化遺産を、ごく間近に見られます。
岡崎城から車で20分程度の場所なので足を延ばしてみてはいかがでしょう。
◆瀧山東照宮
住所:愛知県岡崎市滝町山籠107
電話番号:0564-46-2296
◆瀧山寺宝物殿
料金:400円
休業日:年中無休(臨時休業あり)
営業時間:9:00~17:00(季節によって変更あり)
おわりに
今回紹介した3つの東照宮は、日光や久能山の東照宮ほど大きくはありませんが、家康公出生地の東照宮とあって深い縁のある場所です。家康公ゆかりの地めぐりの際にはぜひチェックしてみてくださいね。