【川瀬良子の農業旅】農作業を体験したい人必見! 栃木県で2年ぶりの農縁プロジェクト

こんにちは! 農業旅を連載している、旅色アンバサダーの川瀬良子です。今回は、コロナ禍でしばらく延期になっていた「農縁プロジェクト」の活動についてお届けします。栃木県益子町の宮下さんの畑で夏野菜の収穫体験やバーベキューをしてきました。先に言っちゃいますが、やっぱり畑は楽しい!
目次
元気に育ったナスとピーマンを収穫体験
2023年9月上旬。栃木県益子町(ましこまち)の農家・宮下さんの畑で農縁プロジェクトの仲間が久しぶりに集合しました。今回の目的は、夏野菜の収穫のお手伝いと、採れたて野菜のバーベキュー! コロナ禍の制限で活動が延期になっていたので当日が待ち遠しく、数日前からウキウキが止まりませんでした。

この日の益子町の最高気温は34℃で、立っているだけで汗がぽたぽた落ちる暑さ。10時頃、畑に着くと宮下さんと先に来ていたメンバーがすでにたくさんの野菜を採っていて、今日への気合いを感じました(笑)。負けじと、私もすぐにハサミを手に収穫作業に合流。

実っているナスは黒に近いぐらい深い紫色で、眩しいくらいツヤツヤと光っています。一つ採るたびに、おいしそう! と、声に出してしまうほど。ナスは葉っぱやヘタにトゲがあるので、注意しながら収穫するのですが、宮下さんの畑のナスにトゲがないことに気づきました。宮下さんに聞いてみると“とげなし千両二号”という品種で、毎日の管理作業や収穫、出荷先の袋詰めなどの作業効率がよくなるのだとか。なるほど~! 農作業初心者の農縁メンバーも、安心してお手伝いができることもメリットですね。
ピーマンも、お馴染みの緑色以外に黄色や黒いものまで。黄色は“浜ニュークリーム“、黒が“浜クロピー“という品種です。さらに、ベルのような形の“ベル型ピーマン“もあり、畑のあちこちから「綺麗な色~」「不思議な形~」など、さまざまな感想が聞こえていました。

それぞれが収穫したものを1つに集めてみると、すごい量に! カラフルな野菜たちを見ていると元気がみなぎってきます。それと同時に、やはり食ベた~い!
採れたて野菜を使った贅沢バーベキュー

この日いちばんの楽しみは、約2年ぶりのバーベキュー。農家さんのなかに元料理人の山本さんがいました。栃木県小山市でバラやアーティチョークを作っています。山本さんが自ら調理を名乗り出てくださったので、お任せすることに。農縁プロジェクトは、このような出会いがあることもおもしろいんです。

シンプルに焼くだけでもおいしい宮下さんのナスをスティック状に切り、焼きそば用に買っていた豚バラ肉をくるくると巻いて網焼きに。豚の油を吸ったナスはトロ~っとやわらかい食感になっていて、めちゃくちゃおいしかった~! ちゃんとナスが主役なんです。
ピーマンは、焼いても水分が多く残っていてジューシー。採れたてだからこそ、水分が多くあって味が濃いんです。とれたて野菜を味わう贅沢ランチを楽しみながら、みんなで野菜のおいしさを共有しました。
畑のオーナーの北條さんが「がんばってね~! 」と、塩むすびとスイカを差し入れてくれました。採れたての紫蘇を海苔のようにまいて食べるのですが、絶妙な塩加減のおむすびと相性抜群。あまりのおいしさに、全員がパッと食べてしまって、誰も写真を撮っていませんでした(笑)。暑い日だったので塩分補給にもなりましたし、お気遣いや優しさに心が一気に元気いっぱいに。農作業がきっかけで、地域のみなさんと交流できることも楽しいです。この日は、収穫の時間よりもみんなで食べておしゃべりしている時間の方が圧倒的に長かったです(笑)。畑に笑い声がずっと響いていました。
農縁プロジェクトに参加したメンバーの感想

ゆうじさん
「自然の中で土を耕したり野菜を収穫したり、非日常の貴重な体験が味わえて感無量です! 」
みささん
「農家さんや地元の方と話すたびに、育てている野菜やその土地のことをとても大切にされていることが伝わってきます。農縁プロジェクトはいつも新しい発見があります」

じゅんさん
結婚を機に今まで縁の無かった栃木県に移住。Instagramで「#農業体験」と検索したときに農縁プロジェクトを見つけて参加しました。
「自分たちで収穫して食すなんて、本当に贅沢な体験です。宮下さんが野菜を大事に育てられている姿を見て、もっといろんな方が農業に触れて感じて、知ってほしいなと思います。毎回いろんな出会いがあって、農縁の縁で笑顔が広がり楽しいです。今度は農業体験に興味のある友達を連れて一緒に行きたいと思います」
さいごに

宮下さんに今年の農業の様子を聞いてみました。7月から猛暑が続き、雨が少なかったことも影響して、今まで経験した事がないくらいナスの実が変形してしまったそうです。昨年と比べて大幅に出荷量が減少。農家を10年続けていて、水不足が深刻でジョウロで畑に水をまいたことは初めてだったそう。厳しい環境を乗り越えて食べることができる野菜たち。お話を聞いてからいただくと、味わいも変わってきます。改めて、宮下さんや全国の農家さんへの感謝の気持ちが溢れました。

農縁プロジェクトは、現地集合が可能な方はどなたでも参加していただけます。年齢関係なく自分にできる作業があり、作物の成長への感動を共有する仲間もできます。ご興味のある方はぜひ農縁プロジェクトのInstagramに送って下さいね。一緒に農作業しましょ~!
宮下さんから
「農縁プロジェクトに参加される方には、普段の生活とは違う、益子の自然と穏やかに流れる時間を感じて、リフレッシュしながら何かしら感じていただきたいです」

畑には、数えきれないほどの魅力があります。自然の中にいるだけで癒されたり、土に触れることで童心に返れたり。畑に行くたびに違った魅力を発見し続けているので、毎回変わらず楽しみになるのだと私は思います。今回も暑さを忘れるぐらい楽しかったです。農縁プロジェクトのみなさん、ありがとうございました!