旅色
Mar. 2023 Vol.169
目次
信州 佐久のふわり旅時間
[月刊旅色]2023年3月号
COVER
モデル / 永尾まりや
写真 / 山田大輔
スタイリング / 藤井エヴィ
ヘアメイク / 波佐間悠子
  • スペシャルインタビュー
    スペシャルインタビュー
    永尾まりや
  • 1泊2日のRefresh Trip
    1泊2日のRefresh Trip
    佐久市[長野県]
  • 特別コラム
    特別コラム
    佐久市が誇る名産グルメ
  • 浅田政志の宿旅
    浅田政志の宿旅
    レゴランド®・ジャパン・ホテル
    [愛知県]
  • エリアフィーチャー
    エリアフィーチャー
    須坂・小布施[長野県]
  • 立ち寄り温泉のすゝめ
    立ち寄り温泉のすゝめ
    野沢温泉[長野県]
  • テーマのある旅
    テーマのある旅
    お花見クルーズ
  • タベサキ
    タベサキ
    東京喫茶店グルメ
  • 旅色LIKES
    旅色LIKES
    サステナブルな旅 #01
  • ホテルレストラン探訪
    ホテルレストラン探訪
    WASHOKU 蒼天 SOUTEN
  • [PR]しまむら×旅色
    [PR]しまむら×旅色
    大人の春旅スタイル
  • おすすめ宿
    おすすめ宿
    地酒を楽しめる宿
  • 読者プレゼント
    読者プレゼント
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      読者と“ちゃんと考える” サステナブルな旅
      読者と“ちゃんと考える”

      #01  “農color”で染色体験

      農業廃棄物から新たなものを生み出す“アップサイクル”について考える
      畑の肥料に再利用するコンポスト(堆肥)は染料となるものを乾燥させて生まれました
      「農業廃棄物を再利用してできた染液で染めたからこそ、ものを大切にする気持ちを再確認できました」(旅色の読者・かっきーさん)

      サステナブルツーリズム(持続可能な観光)、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)など、SDGsを意識した旅のスタイルを耳にする機会が増えました。この連載では、旅色編集部が“読者”と“サステナブルな旅”について体験して一緒に考えていきます。初回は食に携わる仕事をし、日ごろから着物旅を楽しむ読者のかっきーさんと茨城県土浦市「futashiba248」の染色体験を通して、食べることだけではない農作物の新たな魅力と、廃棄される農作物から新たなものを生み出す“アップサイクル”について学びました。

      写真/入江達也 文/白田 麻依子(旅色編集部)

      体験した読者はこの方
      かっきー(旅色LIKES 1期生)

      かっきー(旅色LIKES 1期生)

      熊本県在住。大好きな熊本だけでなく九州の魅力について旅色LIKESで連載中。最近は着物で旅する「着物旅」にもハマっているそう。日ごろから意識しているサステナブルなことは、野菜を調理するときにできる限りごみを増やさないこと。野菜の皮や種まで料理に使い、どうしても食べられない部分は畑の肥料にしているようです。

      「旅色LIKES」とは
      旅での体験や悩みの共有をしたり、新たな旅のカタチを見出す活動をするコミュニティ。
      定期的に講座やイベントを開催中。
      >>「旅色LIKES」

      農作物から生まれる色 “農color”で染色体験 at futashiba248[茨城県土浦市]

      農業廃棄物で染色をすることから名づけられた“農color”。
      今回は、神栖(かみす)市で作られたピーマンから染液を作り、ストールを染色していきます。
      果たして、どのような色に仕上がるのでしょうか?

      染色のPoint1 柄つけでデザインを決めて染色する

      染色は布に柄つけをするところから始まります。柄つけには輪ゴムやビー玉を使用して絞りの柄をデザインすることも可能。かっきーさんはストールの端だけ白地を残し、ほかは均一に染まるようにしました。この日使用した染液は、神栖市で作られた廃棄ピーマンや葉、茎を煮出し、布で濾(こ)したもの。染液は黒く見えますが、仕上がりは完成するまでのお楽しみです。
      ピーマンの染液

      染色のPoint2 媒染をして布に色を定着させる

      染色が終わったら先ほどストールに付けた染液を定着させるための工程「媒染」をします。媒染には染料と天然素材を結びつける役割があるだけでなく、鮮やかな仕上がりにしてくれる効果も。染色したストールを、アルミニウムが含まれた媒染液に20分程つけておくときれいに染まります。今回は染めない部分があるので、そこには媒染液が触れないように注意が必要です。
      媒染液にストールをつけている時に光が当たると、キラキラとして見えてきれいです!

      染色のPoint3 仕上げに水洗いをして乾燥させたら完成

      媒染が終わったら、仕上げに水洗いをします。輪ゴムやビー玉などで柄をつけた場合はそれらをすべて外し、色が出なくなるまでよく洗います。水洗いができたらしっかりと乾燥させて完成です。ピーマンで作られた黒い染液から、優しい黄色に仕上がりました。
      ピーマンの染液から優しい黄色に仕上がりました

      “ちゃんと考える” Interview

      農業廃棄物を通して知る“染色”と“サステナブルな旅”の関係
      染色体験を通して、サステナブルな旅について“ちゃんと”考えた読者のかっきーさんと、
      東京でのアパレル業界勤務を経て、現在はfutashiba248を経営している、
      アップサイクル染色クリエイターの関将史さん・裕子さんにお話を伺いました。
      関将史さん、裕子さん

      染色を茨城県で始めたきっかけをお聞かせください。

      関 将史さん:実家に住む父に突然、「大子町(だいごまち)にりんご狩りをしに来ない?」と誘われ、2人で行ったんです。実際に行ってみて、農園の美しさに感動しました。この風景を見て、地元で働くのもいいなと思いました。同じくらいのタイミングで、茨城で藍染めをしている方からりんごや梅でも染色ができることを教わり、りんご農家の方からは廃棄される農作物がたくさん出ると伺いました。当時私たちは都内に住んでいて、私はアパレル業界で働き、妻も子ども服のデザイナーをやっていて、いつか染色を一からできたら面白いねと話していたので、染色活動を始めました。

      “農color”という言葉に込められた思いを教えてください。

      関 裕子さん:農業廃棄物で染色をすることから“農color”と名付けました。農業廃棄物を染色の材料に使えたら面白いのでは? と考えたことがきっかけで始めました。水戸の百貨店で一時的にポップアップストアを出した時や、ECサイトのイベントに出店して農業廃棄物から生まれた染液を使った染色の取り組みを広めていくうちに「これってSDGsですね!」や「アップサイクルですね!」とよく言われるようになりました。これからも色を通して茨城の魅力を伝えられたらと思っています。

      かっきーさん

      ここからは、かっきーさんに伺います。染色体験はいかがでしたか?

      かっきーさん:染色体験自体は過去にしたことがありますが、農業廃棄物を使った染色体験は初めてでした。今回はピーマンを使用して染色したのですが、想像以上にきれいに染まったので嬉しかったです。緑色のピーマンが黄色に染まることも意外でした。差し色にもぴったりなストールができたので、普段からコーディネートに取り入れたいと思います。

      今回の体験で、”サステナブル”が身近になりましたか?

      かっきーさん:以前から旅をするときはホテルのアメニティを使わないようにしたり、ペットボトルの飲み物は買わずにタンブラーを持参するなど、できるだけプラスチックごみを出さないように意識しています。あまり気にかけていなかったのですが、このようなことって“サステナブルな旅”につながっていますよね。普段から何気なくしている当たり前のことが大切なのだと気が付きました。

      さいごに、“サステナブルな旅”についてそれぞれお聞かせください。

      関 将史さん:近所の魅力を再発見してみることだと思います。私は茨城県出身ですが大子町でりんご狩りができることを知らなかったように、地元のことを知らない人ってたくさんいると思います。

      関 裕子さん:都内になくて、地元にあるものに目を向けるのも一つではないでしょうか。年に2回くらい大子町のりんご農家の方と、りんご狩りをしながら染色体験をする、というイベントを開催しています。これも“サステナブルな旅”ですよね。

      かっきーさん:考え方次第で、色んなことが“サステナブルな旅”につながるのではないかと思いました。例えば、地のものをその旅先で食べるという話がありましたが、私は熊本県に住んでいて、毎月熊本や九州の魅力を発信する記事を書いています。その土地にある魅力的なものを発信することも、“サステナブルな旅”の提案につながっているのかもしれませんね。

      関さんご夫妻、かっきーさん、それぞれに違った試みでありながらも、地元の魅力を再発見することが”サステナブルな旅”につながってくると教えてくれました。日々の当たり前の積み重ねが、”サステナブルな旅”につながるのかもしれません。

      今回お世話になった施設

      futashiba248

      「染色した商品をきっかけに地域や農家を知ってもらう」というストーリーを大切に、茨城県を拠点に夫婦で活動。地元農家からの農業廃棄物を譲り受け、再利用して作り出した染色を“農color”と名付けられたそう。染色を通して、茨城の魅力を伝えます。

      住所/茨城県土浦市板谷1-4003-23
      電話番号/050-5372-2803
      営業時間/11:00〜16:00
      ※ご来訪の際は事前にご連絡を

      CONTENTS
      • スペシャルインタビュー
        スペシャルインタビュー
      • 1泊2日のリフレッシュトリップ
        1泊2日の
        リフレッシュトリップ
      • 特別コラム
        特別コラム
      • 浅田政志の宿旅
        浅田政志の宿旅
      • エリアフィーチャー
        エリアフィーチャー
      • 立ち寄り温泉のすゝめ
        立ち寄り温泉のすゝめ
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        テーマのある旅
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      • ホテルレストラン探訪 WASHOKU 蒼天 SOUTEN[東京]
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