「ジブリ作品を忘れてほしくない」11月1日開業のジブリパークに旅色編集部が行ってきました!
2022年11月1日に愛知県長久手市での開業が決まった「ジブリパーク」に一足早く訪問し、宮崎吾朗監督による会見や、未完成のエリアを一部取材しました。今回は、制作途中の現場を少しだけお見せします。開業日にどんな姿になっているのか、答え合わせしてみてください。
目次
ジブリパークとは
愛・地球博記念公園の中にできるジブリパークは、スタジオジブリ作品の世界を表現したテーマパークです。すでにある建物を再利用して、リノベーションされた建物が多いことが特徴。建物を増やすのではなく今あるものを生かすという発想を持ち、環境にダメージを与えずに新しく生まれ変わらせようという意識のもと造られました。
ジブリパークにできる5つのエリア

ジブリパークには5つのエリアが存在します。11月1日の開業に合わせて完成するエリアは3つで、残りは2023年に完成予定。今回見学したのは、11月1日オープンのエリアから「青春の丘エリア」と「ジブリの大倉庫エリア」の2つ。まだ完成していないため全てはわからないですが、見ているだけでワクワクするような建物が少しづつ見えてきました。
青春の丘エリア
こちらのエリアには「耳をすませば」の「地球屋」と「ロータリー広場」、「猫の恩返し」の「猫の事務所」があります。「猫の事務所」、大人が頭をぶつけてしまいそうなくらいのミニチュアサイズで可愛いです! 他にも「天空の城ラピュタ」や「ハウルの動く城」などの世界観を思わせる19世紀末の空想科学的要素を取り入れた「エレベーター塔」も建設されています。こちらは、既存のエレベーター施設を改修するようです。青春の丘を歩いていると謎の表札を発見。苗字は「鈴木」さんとのこと。「鈴木」さんとはもしかして……? それにしてもなぜここに表札があるのでしょうか。詳細は11月1日の開業日に判明するかもしれません。
ジブリの大倉庫エリア
宮崎吾朗監督が一番楽しみにしていると言っていたのが、ジブリの大倉庫エリア。展示室、子どもの遊び場、売店と喫茶、収蔵施設などが整備されます。ここは2018年に営業が終了したプール施設の跡地をリノベーションしてできたエリアで、今あるものを生まれ変わらせたいという宮崎吾朗監督の思いが、ここにも詰まっていました。ジブリの大倉庫エリアに入るとまず「大きい!」という印象を受けたのですが、それもそのはず、三鷹の森美術館の4倍の規模だそうです。
どんどこ森エリア
今回見学が叶わなかったこちらは、愛・地球博開催中にも話題になり、今もなお人気の施設である「サツキとメイの家」があるエリアです。昭和の田園風景をイメージして造られました。「サツキとメイの家」も見ただけでワクワクしてしまいますが、特に気になって仕方がないのが、どんと大きなトトロの遊具「どんどこ堂」ではないでしょうか。このトトロを見ていると、コマに乗って大空へはばたくとなりのトトロの名シーンを思い出します。今回見れなかったことが本当に残念ですが、実際に見る前から、すでにどんどこ森エリアの象徴になりそうな予感がしています……!
2023年に開業予定の施設
11月1日の開業に合わせてできる3つのエリア以外に、2023年に開業予定のエリアが2つあります。
もののけの里
こちらは映画「もののけ姫」のエミシの村とタタラ場をもとにしたエリア。和風の里山的風景をイメージし、「タタラ場(体験学習施設)」、「炭焼き小屋」、休憩処などが整備される予定です。もののけ姫の世界観が堪能できるエリアになりそうで、2023年が待ち遠しくなります。
魔女の谷エリア
「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」などの北ヨーロッパ風の空間をイメージし、「オキノ邸」と庭園、ハウルの城と荒地、レストランなどが整備されます。一体、どのような空間になるのでしょうか。いくら想像力を膨らませてみてもなかなか浮かびません。詳細は2023年までのお楽しみです。
ジブリパークへにかける思い
会見では大村秀章知事、鈴木敏夫プロデューサー、そして宮崎吾朗監督が、今回の開業に向けた熱い思いを語られました。どれも興味深い話ばかりでしたが、皆さんに共通しているのは「ジブリパークで楽しんでほしい」ということでした。
大村秀章知事
「ジブリパークは発展していくものだと思っているので、将来的にはエリアを増やすといったことも考え進化させていきたいと思っています。やっぱジブリパークいいなって言っていただけるように運用していき、コロナが収まれば国内に限らず世界から来ていただけると嬉しいと思っています。ジブリパークは誰でも楽しめる場所となっております。来場者にはぜひ、映画の主人公になった気分で楽しんでいただきたいです」
鈴木敏夫プロデューサー
「ここに来たのはいつ以来だったかなと思いだしたところ、2020年11月に、宮崎駿監督とお忍びで一緒に来ました。宮崎駿さんはたとえ息子であろうと黙ってみていられないタイプ。つまり、監視のために来ました。宮崎吾朗監督にジブリパークの途中経過について文句を言う準備をしていたところ、「決めた。これは吾朗に任せる。俺が口出すことじゃない」と。何かと口に出す宮崎駿監督が何も言わないなんて、これは本当に珍しいことですが、実は吾朗に任せたと言いつつ、宮崎駿監督自身も内緒でジブリパークの案を考えていました(笑)。もしかしたら、「宮崎駿案」を生かして今後、吾朗君が何かやるかもしれません。今回、ジブリパークをやった結果、本当に良かったと思いました」
宮崎吾郎監督
「2013年9月、宮崎駿監督の長編作品引退の発表に伴い、2014年末に当時の制作チームが解散することになりました。ずっと長編作品をつくってきたので、今後も残したかった。ジブリ作品を忘れてほしくないという思いから、形にのこる何かをつくりたいねという話をしていたところに、テーマパークの話をいただきました。ここが「愛・地球博記念公園」になる以前の「愛知青少年公園」時代に、キャンプや遠足、合宿をした方たちの思い出話を聞かせていただき、この地にいろんな思い出を持っている人がいるのに、ジブリパークができることで、思い出がなくなってしまうことは筋違いだと思いました。ですので、お邪魔にならないように、隙間みたいなところに入っていくイメージです。いままでここで遊んで楽しんできた皆さんにも、さらに愛される場所になればいいと思います」
他にも気になるところばかり! 11月はジブリパークへ
まだ未完成のジブリパーク、案内してもらったエリアの中にはネットが張り巡らされているところも多くありましたが、ジブリファンにはたまらないテーマパークになりそうということは、よくわかりました。ちなみに入場料は未定とのこと。そして、当面の間、チケットは事前購入者に限られるようです。発表されていないことも多く、気になることはたくさんあると思いますが、くわしい中身は11月1日の開業を楽しみにしましょう!
施設情報
ジブリパーク
住所:愛知県長久手市茨ケ廻間 乙 1533-1