私的魅力度ランキング第1位! 知られざる福井県の魅力お伝えします
お客様から依頼を受けプラン作成をしております、旅色コンシェルジュの板垣です。2022年の全国魅力度ランキング37位の福井県ですが、私的には魅力度ランキング第1位の福井県! 今回は北陸新幹線が2024年春に敦賀駅まで開業されるという事で、東尋坊、恐竜博物館、永平寺だけではない、ちょっとチープかつ、おしゃれな写真も撮れちゃう! そんなスポットを紹介します。
目次
福井県の魅力にドハマりした理由。
弟がとある事情から福井県にご縁があり住むことに。ゴールデンウイークや夏休みには家族で会いに行き、東尋坊、永平寺、福井県立恐竜博物館、一乗谷、福井のかずら橋、他にもたくさんの観光地に足を運びました。お寿司、越前そば、若狭の梅干しなどグルメも満喫しているうちに、自然豊かでおいしい食べ物も多い福井県の魅力の沼にハマりました。
今回は、石川県の小松空港から旅をスタートし、1日目は永平寺、東尋坊、大野城などの観光地がある嶺北エリア、2日目は敦賀赤レンガ倉庫、三方五湖、水晶浜などの観光がある嶺南エリアと福井県を縦断しました。ちょっとハードでありながらもしっかりと魅力をキャッチできたのでご紹介します。
1日目:①黒龍酒造/ESHIKOTO
小松空港から車に揺られること45分。
2024年に創業220年を迎える「石田屋二左衛門」が、2022年6月17日にオープンした「ESHIKOTO」へ。 古い言葉で「いい」という意味があることから名付けられた「ESHIKOTO」は、逆から読むと「とこしえ=永久」になることから、「永久の豊かな時間」という想いも込められているんだそうです。
お酒を製造・販売をするだけでなく、福井県、永平寺町に何か貢献できる事がないかと構想から10年をかけてオープン。四季折々、足を運ぶ度に景色の変化を感じられる九頭竜川が望める景観は古き良き日本風景を演出してくれます。
・貯蔵セラーやイベントスペースを備えた「臥龍棟(がりゅうとう)」
・酒や食を楽しむ「酒樂棟(しゅらくとう)」の2つのエリアがあります。
日本と西洋の建築美は大胆で美しく、木の温もりが感じられる臥龍棟(がりゅうとう)。室温12℃で保たれている熟成庫には、ずらりと「ESHIKOTO AWA」が並んでいます。(※内部は通常は撮影禁止、一般非公開)
館内の黒い壁部分はすべて1500年の歴史を持つ「越前和紙」。こちらはこの後紹介する「やなせ和紙」さんの越前和紙を使用しています。実際に触ってみましたが、なめらかで柔らかな手触りでした。
続いては、お酒と伝統工芸の小売店「石田屋 ESHIKOTO店」と、レストラン「Apéro & Pâtisserie acoya」の2棟が併設されている「酒樂棟(しゅらくとう)」へ。
「石田屋 ESHIKOTO店」のテイスティングコーナーでは、おすすめの「AWA Limited」、「永 五百万石」、「梅酒13」を試飲。テイスティングできる種類は、定期的に変更するそうなので訪れる度に違ったお酒が楽しめるのが嬉しいですね。
①特徴、②福井土産でおすすめのペアリング(※ ペアリングはお店の方に伺いました)
【 AWA Limited 】
① シュワっと爽快な飲み口の、15ヵ月以上瓶内熟成させたスパークリング清酒
② 福井生まれ、福井育ちの「五月ヶ瀨」
【 永 五百万石 】
① まろやかなお米の味わいと、スッキリとした酸味を感じられる上品な純米大吟醸
② 上質の昆布をカリカリに焼いて、お砂糖を幾重にも重ねた「雪がわら」
【 梅酒13 】
① 福井県産黄金の梅を使用。杏や桃のようなフルーティーさが感じられる
② 第22回全国菓子博覧会内閣総理大臣賞受賞した「羽二重くるみ」
次に向かったのは食材、調味料、食器、オール福井産の「Apéro & Pâtisserie acoya」。
黒を基調とし洗練された店内では、九頭竜川を眺めながらお食事が可能です。食器やトレーは越前焼や越前漆器、越前和紙など福井の工芸品という至る所で福井を感じられる空間です。
「Pâtisserie acoya」では、黒龍酒造の大吟醸の酒粕を使用したケーキや、梅酒をつくる際に漬け込んだ黄金梅を贅沢に使用したケーキなどを販売。自分へのご褒美や大切な方へのプレゼントにいいかも!
②RENEW2022/越前漆器エリア/椀椀/TSUGI
車に揺られること約30分。
2022年10月7日(金)~9日(日)で、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催されていた、持続可能な地域づくりを目指した工房見学イベントRENEW2022へ参加!
の前に、河和田で採れた地野菜をふんだんに使った料理がバイキング形式でいただける「椀椀」で昼食。メインは「とろろご飯」、「グリーンカレー」、「ハンバーグ」から選びます。私は「とろろご飯」を注文。ゆずのフレッシュな香りと、ピリッとした辛味が口いっぱいに広がる「山うに」は、全メイン料理に乗っています。少量でも爽やかな辛味を感じられ、シンプルなとろろご飯にもマッチし万能薬味だな~と感じました。こちらのお店の更に魅力なのが、とろろご飯だけでも満足なのにバイキング形式で家庭料理が食べられるところ。優しい味わいでガツンとカロリーを摂取している! という感覚ではなく、罪悪感なく楽しいランチタイムが過ごせます。
実は、注文時にクジ引きがあり、いくつか景品があるそうで引いてみると「椀」の文字が! あまり運はいい方と思っていない私は当たりを引き嬉しさよりも驚き! 年内は大事に取っておき、お正月お雑煮を食べる際に使おうと思います。
昼食を済ませたら、うるしの里会館でRENEWでの参加受付を済ませ周辺を散策。
「うるしの里通り」と書かれた壁を、かわいい~と写真を撮りつつ歩いていると、飛び出し注意! の意味があるのか女の子の看板がありました。交通整備をしていたおじちゃんに「あの子はなんですか? 名前はあるんですか? 」 と、聞いてみたものの正体不明。
女の子の正体を疑問に思いながらも到着したのが「TSUGI」。
椀椀に行く移動中に見つけたお店で、めがねフレームに使われる素材(セルロースアセテート)を使用したイヤーカフや、眼鏡フレームに使用されず倉庫に眠っていた素材を使用したピアスなど、かわいらしくおしゃれなアイテムが多くありました。私が購入したのが、アクセサリーではなく漆の細かいチリを漉した紙を短く切った「箸置きのようなもの」と、越前和紙で作ったオリジナルの「ぽち袋」。食器集めが好きで買い過ぎと怒られるため、小物なら怒られないだろ……箸置きのようなものを購入しました。ポチ袋はポップなイラストに惹かれ恐竜とカニの2種を購入。お金を入れるだけでなく、小物をプレゼントで渡す時などに使う予定です。
自分だけのオリジナル商品が作れる! とのことで化粧ポーチの代わりや、日常で使う小物などを入れるのにピッタリと思い、巾着を作ってみました。ボディーを選び、イラストデザインは18種から選択。メガネやサバなど福井を連想させるかわいらしいイラストが多くありましたが、NEWという文字に惹かれ恐竜を選択。イラストの位置が選べるので、右から恐竜が迫って来ている感を演出したく右下に。
③RENEW2022/越前和紙エリア/岡太神社・大滝神社/やなせ和紙
続いては、車に揺られること約15分。
伝統的な「越前和紙」を今でも生産している越前市にあり日本で唯一、紙の神様をお祀りしている「岡太神社・大滝神社」へ。"日本一複雑な屋根"としても知られて重要文化財に登録されているんです。正面からだと複雑な屋根は見られないので左にずれ別アングルから見てみて下さい。
続いては、徒歩約5分にある「やなせ和紙」へ。
引っ掛け・流し込み・透かしなどの伝統技法を用いて、干支の色紙・和紙タペストリー・和紙の小物も製作。入り口を抜けるとブックカバーやヘアゴム、ブローチなどの小物がたくさんありました。年々、日常的に和紙に触れる機会が減っていることから、触れたときの柔らかさ、暖かさを知ってもらうため職人さんとデザイナーさんとマッチングさせ、新しい商品を作りを始めたそうです。石のような形の箱「harukami」は、河原に落ちていた石を見て「かっこよくて素敵」となったことから作り出したものなんだとか。
作品スペースを後にし、奥に進んで行くと作業スペースがあります。手漉きのふすま紙を主に漉いており、材料に楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ)を使用し、不必要な薬品は入れず自然が育てた木の素材で漉いているそう。毎年干支の和紙も作っており、訪れた際は来年の干支うさぎの和紙を作成していました。毎年9月頃から作業に取り掛かるそうですよ。
④RENEW2022/越前打刃物エリア/タケフナイフビレッジ
続いては、車に揺られること約5分。
700年の歴史を持つ越前打刃物の共同工房の「タケフナイフビレッジ」へ。工房でつくられた世界レベルの越前打刃物製品を、産地価格で買うこともできます。シフォンケーキや、ステーキ専用のフォークとナイフなど用途に合わせた包丁やカトラリーがそろっているので料理が好きな方はついつい長居してしまいそうな空間です。料理学校に通っていた私は、卒業してから10年以上My包丁を開けておらずちょっと錆びてるかも……と不安になったので「防錆紙」を買っておきました。年末包丁セットを開き、サビ具合など確認ししっかりと手入れをし保管予定……。
館内の奥に進んでいくと、 床と天井に鏡がありさまざまな種類のナイフが飾ってある映えスポットを発見! どのアングルがいいんだろ……と適当に撮っている方が意外といい感じの写真が撮れるんじゃないか? と、思う瞬間でした。
続いては、鍛造から研ぎまでさまざまな作業風景の見学。包丁ができるまでは全15の行程があるんだとか。手作り体験メニューもあり、こちらは外国人観光客から人気があるそうで、新婚旅行の記念に作られる方も少なくないとのこと。旅行から帰っても旅の思い出が蘇ってくるのも素敵ですね。
⑤天然温泉 岡三屋 彩かさね
続いては、車に揺られること約1時間。
宿泊先の「天然温泉 岡三屋 彩かさね」。到着した際は真っ暗で見えませんでしたが、三方湖の目の前! 明日景色を楽しもう! と荷物の整理をし、お食事会場へ。テーブルには舟盛りがドン! イカブームが来ている私は、厚みの身を噛みしめるほどに旨味が広がるアオリヤリイカの虜に。雑味と苦みが無い肝醤油との相性も抜群で、黒龍酒造さんの 「永 五百万石 」が進みました。12品という充実したお食事を堪能した後はお風呂へ。三方湖が目の前ということもあり、波打つ音が心地よく長風呂に。風が吹いている日でしたが、潮風ではないので髪の毛がパサツク心配がないのが嬉しいです。
翌朝、ボリューム満点の朝食にも福井県を代表する食材がありました。それが「油揚げ」。実は福井県は油揚げの消費額が日本一! 焼いて食べるのがおすすめということで、アジの横で油揚げも焼いてみることに。焼き目がついてきたころ火から離し、実食! 歯ごたえのある表面を噛むと、ジューシーなお揚げの旨みが広がります。冷蔵庫に油揚げがないとソワソワするほど、欠かせないストック食材なんだそうですよ。
2日目:①三方五湖レインボーライン
チェックアウトを済ませ、車に揺られること約15分。
2年前に福井を訪れた際も行きたい場所にカウントしていたのですが、天気が悪く景色を楽しめないと断念。今回念願の「三方五湖レインボーライン」へ。山頂へはケーブルカーかリフトが選べます。色を眺めながら風を感じ下っていく瞬間はとても気持ちいいのですが、リフトはスカートを履いていると風で捲れてしまう恐れもあるので気をつけてくださいね。
山頂にある「天空のテラス」は、テラスが5カ所に分かれており、どこを選ぶかによって見える風景が違うので、お気に入りの場所を見つけとっておきの1枚を撮ってみてください。絶景を眺めながら足湯で癒やしの時間が過ごせるスポットもあるのでホッと一息つくにも最適です。タオルは100円で購入可能なので足を拭くタオルを忘れてしまっても安心です。
2日目:②暦会館
車に揺られること約1時間。
昔の天文器具や古い時代の暦など、暦に関する資料がいっぱいのユニークな「暦会館」へ。現代では時計やカレンダーが生活の中にあるのが当たり前ですが、時計やカレンダーが無かった時代、どのように時を把握していたのかを知れるスポットです。
館内に展示されている香を炊いて時を知らせる「香時計」は、夏と冬で陽が出ている時間が異なることから、夏は燃えにくいもの、冬は燃えやすいものと、ブレンドを変えて使っていたそうです。他にも影を利用した「日時計」や、日没とともに底に開いた穴の栓を抜き、水面の高さで時を測る「水時計」などさまざまな展示(?)があります。日時計は天候に左右され、水時計は蒸発してしまうなど、当時の技術と欠点を知ることで今に至るまでの時計の歴史を学んでみては。
2日目:③土御門家墓所
車に乗り、すぐ到着
陰陽師安倍清明の子孫三代が祀られているスポットへ。大杉の周辺に車を停めて周辺を散策してみてください。中国・泰山の守護神泰山神君尊神を祀った「社跡の天社宮・泰山府君社跡」、「土御門家居城跡」、「四方に鳥居を配置した天壇」、「土御門家墓所」などからなる史蹟です。途中、ぬかるんでいる山道を通るので履きなれた靴、新品のきれいな靴は避けた方がおすすめです。
2日目:④ 料理旅館 南川荘
車に揺られる事15分。
創業昭和20年の「料理旅館 南川荘」にて昼食。夏~秋は南川の天然の鮎をいただけるということで塩焼きをいただきました。卵はお腹にぎっしり詰まっており、身は変な脂も無くサッパリ。頭から尻尾までおいしくいただけます。
お料理の説明をしていただいている中で驚いたのが、写真の中央にある、ナスの煮びたしです。ピーマンの葉を湯がき佃煮にしたものが一緒に盛り付けてあるのですが、特に料理名が付いているわけではなく、食材がもったいないからという点から食べられるようになったそうです。ピーマン単体は苦手ですが……ピーマンの葉とってもおいしかったです。
御膳と一緒に、ぼたん鍋もいただける贅沢なラインナップ。自家製の山椒の効いたお味噌をつけて食べるのですが、鼻に爽やかな山椒の香りが抜け、程よい痺れが病みつきに。猪肉はビタミンB1が多く、牛や豚に比べてカルシウムは約2倍、低カロリーで高たんぱくの猪肉は、美容にいいだけでなく、疲労回復の強い味方。食を楽しみながら「美」にも繋がるなんて女性には嬉しいですよね。
2日目:⑤若州一滴文庫
車に揺られること約30分。
歴史・文化・郷土の作家水上勉氏が主宰した竹人形文楽の劇場と、蔵書や絵画、文学関連資料などを収蔵している「若州一滴文庫」へ。貧しい子ども時代を過ごした水上氏は、本を読むことで夢を拾ったと言います。図書室の入口には1枚の掛け軸があり、「大切な本もあるが勝手に読んで何かを拾ってくれ」というメッセージが書かれています。本を読んで夢を拾った水上氏ならではの発想だな……と、どんな本があるんだろうと図書室に入る前からワクワクした気分に……
舞台の奥がガラス戸になっており、その奥に自然の竹林が配置され特殊な構造をした劇場の「くるま椅子劇場」も必見。劇場内は普段照明を落としており、太陽が雲に隠れたり、顔を出したりと、明暗によって本来茶色の舞台床面が幻想的な色合いに変化するんです。天候や時間帯によってさまざまな色合いになるのでついつい長居してしまいそうなほど心休まる幻想的な空間でした。
外観は平屋で、内部は三階建大壁作りの土蔵風建物。車椅子で見学していただけるようにスロープを中心として展示しています。水上氏がこちらの建物を建てた頃はバリアフリー対応という発想が少ない時代でしたが、妹が先天性二分脊椎のため下肢に障害があり、車いす、松葉杖生活ということから館内はスロープ、段差は低めなど意識されたそうです。「大切な本もあるが勝手に読んで何かを拾ってくれ」と、大切な本を提供したり、妹さんへの愛を感じられる心温まる素敵なスポットでした。
おわりに
福井県が好き! と言っておきながら写真映えや、有名な観光スポットに行きたいなどメジャーなスポットにしか足を運んでいませんでしたが、今回福井県を縦断し、伝統工芸の歴史、食文化を学んだり、もっと福井県を知りたいと思える時間を過ごすことができました。次は伝統工芸の体験や地元の方に食文化を聞き家で実践してみるなど、もっと奥深い所まで福井県の魅力を知っていきたいです。2024年春に敦賀駅まで北陸新幹線が開通しアクセスも良くなるのでぜひ、福井県の魅力感じてみてください。
著者プロフィール
脳内で観光地図を作成することが得意。旅に妥協は禁物! 調理師、温泉ソムリエの資格を持っています。食・酒へのこだわりは強め!