ゆるりとしたまち散策にぴったり。歴史文化が息づく下諏訪を1泊2日で巡ってみた

長野県

2022.12.06

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ゆるりとしたまち散策にぴったり。歴史文化が息づく下諏訪を1泊2日で巡ってみた

11月27日まで「諏訪神仏プロジェクト」が開催されている諏訪地域で、「信州しもすわ温泉 ぎん月」を拠点とした下諏訪の歴史を感じる旅をしてきたLIKESメンバーのneige(ネジュ)さん。「ちゃんと旅を考える会」で諏訪エリアの地域活性について考えたので宿泊施設での体験はもちろん、周辺観光の楽しみ方も教えてくれました。

目次

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◆この記事を書いたメンバー

街歩きにおすすめ! 下諏訪駅を起点に旅をする

諏訪神仏プロジェクトとは?

【1日目】下諏訪「諏訪大社」から旅をスタート

下諏訪温泉の由来となった「綿の湯伝説」

二つのミュージアムと足湯がある「しもすわ今昔館おいでや」

街歩きをしながら下諏訪の地酒を飲む!

温泉と地元食材の懐石料理で旅の疲れを癒す「信州しもすわ温泉 ぎん月」

【2日目】レンタサイクルで街を散策

苔むす参道が美しい「慈雲寺」

ひっそり佇む小さなパン屋「pain moji(パンモジ)」

新しくなった御柱を拝見「諏訪大社 下社 春宮」

晴れたら見える! 富士山スポット

下諏訪を1泊2日で観光してみて

◆この記事を書いたメンバー

旅色LIKESメンバー

neige(ネジュ)さん(三期生)
お気に入りのお宿やホテルを見つけてステイをとことん満喫する旅が好きです。みなさんのいろんな旅の楽しみ方を教えてください。実家が岐阜で名古屋在住なので、中部のいいところをたくさん紹介できたらと思います。

街歩きにおすすめ! 下諏訪駅を起点に旅をする

旅色LIKESの1周年イベント「旅ガチャ」で「信州しもすわ温泉 ぎん月」の宿泊が当たったので、下諏訪を旅してきました。今回紹介する場所はすべて下諏訪駅からレンタサイクルや徒歩で移動できるところばかり。街歩きを楽しみながら気軽に観光できるところが嬉しいです。

「諏訪」という地名を聞いて一番に思いつくものはやはり諏訪大社ではないでしょうか。諏訪大社は諏訪湖周辺に本宮、前宮、春宮、秋宮の4ヶ所の境内地をもつ神社で、今回訪れた下諏訪には春宮と秋宮があります。古事記にも登場するほど古くから信仰を集めている諏訪大社の神様は自然を司る竜神様だそうで、この土地の壮大な湖や山々はやはりどこかパワーを感じずにはいられません。

諏訪神仏プロジェクトとは?

諏訪では2022年10月1日から「諏訪信仰と仏たち〜諏訪上下社神宮寺由来仏像一斉公開〜」(略称:諏訪神仏プロジェクト)が開催されています。明治時代の神仏分離以来、仏さまを大切に保管していた社寺や博物館がそれらを一般公開し、かつて神さまと仏さまが共に信仰されていた時代(神仏習合)があったことについて振り返ります。今回巡る諏訪大社もプロジェクトに参加しているので、気になる方はぜひ調べてみてください。

◆諏訪神仏プロジェクト
開催期間:2022年10月1日~11月27日
会場:諏訪地域社寺25箇所、諏訪市博物館、下諏訪町立諏訪湖博物館
内容:諏訪社神宮寺由来の仏像等の一斉公開、博物館等における特別公開展の実施

【1日目】下諏訪「諏訪大社」から旅をスタート

諏方大社

諏訪と聞いてまず思いつくものは、やはり諏訪大社ではないでしょうか。諏訪湖周辺に本宮、前宮、春宮、秋宮の四カ所の境内をもつ神社で、下諏訪には春宮と秋宮があります。諏訪大社の神様は自然を司る竜神様です。春宮と秋宮は少し離れているので、1日目は「下社 秋宮」へ行ってみました。

◆諏訪大社 下社 秋宮
住所:長野県諏訪郡下諏訪町上久保5828
電話:0266-27-8035

下諏訪温泉の由来となった「綿の湯伝説」

下諏訪温泉

下諏訪は温泉も見逃せません。下諏訪には「綿の湯伝説」と言われている言い伝えがあります。諏訪大社の女神さまが化粧用の綿にお湯を浸した湯玉を置いたら、温泉が沸き出したという言い伝えで、それが下諏訪温泉になったと言われています。神様がもたらした神聖な湯と言われているため、心の汚れた者が入るとお湯が濁ると伝えられているそう。濁っても神様がたちまち汚れをすすいでくださるともされ、温泉に入ると清められる気がします。

街には複数の共同浴場があり、「三湯めぐりセット」(700円)を購入すると「遊泉ハウス児湯」「旦過の湯」「新湯」で利用可能。さらにタオルとバッグがつくので、気軽に湯巡りができます。温泉は街中至るところに沸いているので、寒い季節には特に嬉しいですよね!

ここからは諏訪の観光スポットと宿について紹介します。

二つのミュージアムと足湯がある「しもすわ今昔館おいでや」

しもすわ今昔館おいでや

「しもすわ今昔館おいでや」には、星ヶ塔遺跡の博物館「星ヶ塔ミュージアム 矢の根や」と時計の博物館「時計工房儀象堂」が併設されています。星ヶ塔遺跡は黒曜石の原産地だったそうで、ここでは遺跡の出土品と合わせて、縄文時代の暮らしを見ることができます。黒曜石には水をおいしくしたり、浄化の作用があるとのこと。宿泊した「ぎん月」の客室にも、黒曜石が入ったお水が置かれていました。

しもすわ今昔館おいでや

もう一つ併設されている博物館が「時計工房儀象堂」です。世界最古の時計の再現から現在の時計まで、さまざまな時計があります。「大きな古時計」の曲に出てきそうな時計もあり、細かい装飾やレトロ感に見惚れてしまいます。ここでは博物館だけではなく、足湯も楽しめます! 街歩きの休憩にもぴったりです。

◆しもすわ今昔館おいでや
住所:長野県諏訪郡下諏訪町3289
電話:0266-27-0001

街歩きをしながら下諏訪の地酒を飲む!

街歩きの嬉しいことはハシゴ酒ができること! というわけで、二つの酒屋を巡ってみました。

湯田坂 岩井堂酒店

湯田坂 岩井堂酒店
湯田坂 岩井堂酒店
湯田坂 岩井堂酒店

まず行ってみたのが「湯田坂 岩井堂酒店」。おしゃれな古民家風の外観のお店です。角打ちがあり、国内外のナチュラルワインを取り扱っています。今回は長野県産の白ワインとホットワインを飲みました。

店主の岩井さんは関東から移住され、ワイン造りと販売をされています。「諏訪大社の秋宮を訪れた時に呼ばれている気がする……と思って、すぐ移住を決めました」とサラッと語っていた岩井さん。行動力がすごい! ちなみに奥様は「アソビバ」というお店で地元の野菜や惣菜の直売をしているそうです(とても行きたかったのですが、ちょうど街の産業祭りの日と重なりお店がお休みでした……残念)。

◆湯田坂 岩井堂酒店
住所:長野県諏訪郡下諏訪町湯田町3366

二葉屋酒店

二葉屋酒店

続いて「二葉屋酒店」へ。ここは地元の日本酒、地ビール、長野ワインなどを取り扱う酒屋さんです。二葉屋酒店にも角打ちがあるのですが、感染対策のため現在は利用できません。

◆二葉屋酒店
住所:長野県諏訪郡下諏訪町横町木の下3350
電話:0266-27-8221

温泉と地元食材の懐石料理で旅の疲れを癒す「信州しもすわ温泉 ぎん月」

信州しもすわ温泉 ぎん月

今夜は諏訪大社 下社 秋宮から徒歩約3分の「信州しもすわ温泉 ぎん月」に宿泊します。地元愛に溢れた素敵な宿です。女将さんは諏訪の歴史や信仰、観光についてとても詳しく、宿泊前から滞在中まで下諏訪について色々教えていただきました。

チェックインしたらまずは温泉! ということで、大浴場へ直行。温度は高めで、下諏訪の「綿の湯」源泉のお湯は柔らかく感じられます。

旬の食材を使った地元の料理

信州しもすわ温泉 ぎん月
信州しもすわ温泉 ぎん月
信州しもすわ温泉 ぎん月

夕食は地元の食材を使った懐石料理です。旬の食材を使った料理は、その時にしか味わえないものばかり。原木椎茸や信州サーモン、鯉の旨煮などもありました。夕食時に飲んだ日本酒の御湖鶴は、下諏訪唯一の酒蔵で醸造されたものです。酒蔵の話や料理についてスタッフの方に丁寧に教えていただき、とても楽しい時間を過ごせました。

諏訪大社 下社 秋宮の「朝御饌祭(あさみけさい)」に参加

朝御饌祭

宿から徒歩約3分ほどの場所にある諏訪大社のうちのひとつ、下社秋宮では朝6時から行われる食事を神様に捧げる儀式「朝御饌祭」(1000円、黒曜石のお土産付き)に参加できます。2日目の朝、宿の女将さんに案内してもらい、参拝へ行くことに。

朝御饌祭

早朝の参拝はなんだか清々しい気持ちになりました。いい1日のスタートです。

朝御饌祭

下社 秋宮の境内や中山道、下諏訪の温泉にまつわるお話などを聞かせてもらい、朝の散歩を楽しみます。

信州しもすわ温泉 ぎん月

“まごわやさしい”献立の、身体に優しい朝ごはん。

信州しもすわ温泉 ぎん月

朝食のあとは露天風呂へ。最高の朝活となりました。

◆信州しもすわ温泉 ぎん月
住所:長野県諏訪郡下諏訪町立町3306
電話:0266-27-5011

【2日目】レンタサイクルで街を散策

チェックアウトした後は、諏訪大社下社春宮へ向かいます。寄り道したい場所があったので、「しもすわ今昔館おいでや」で自転車を借りることに。ここは博物館、足湯以外にレンタサイクルもできるのです。1時間100円で電動自転車を利用できるので、坂道も余裕です。

苔むす参道が美しい「慈雲寺」

慈雲寺
慈雲寺

諏訪神仏プロジェクトで公開されている禅宗寺院の慈雲寺は、苔むす参道がとても美しいお寺です。境内がとてもきれいに整えられているので、ずっと見ていたくなります。

◆慈雲寺
住所:長野県諏訪郡下諏訪町東町中606
電話:0266-27-8171

ひっそり佇む小さなパン屋「pain moji(パンモジ)」

pain moji(パンモジ)
pain moji(パンモジ)

春宮の近くにパン屋を発見。どこが入口かわからず、パンが焼ける香りをたどって見つけました。ここではかわいいチョコパンを購入。

◆pain moji(パンモジ)
住所:長野県諏訪郡下諏訪町大門190-4
電話:0266-55-5205

新しくなった御柱を拝見「諏訪大社 下社 春宮」

「諏訪大社 下社 春宮」

1日目は「下社 秋宮」へ行ったので、2日目は「下社 春宮」へ足を運びます。宿の女将さんに御柱祭や諏訪大社の由来を教えてもらいながら、新しくなった御柱などを拝見。10月といえば全国の神様が出雲へ出向く神無月ですが、諏訪大社の神様は諏訪に留まると言われており、一年中神様がお迎えしてくださる神社です。

◆諏訪大社 下社 春宮
住所:長野県諏訪郡下諏訪町大門193
電話:0266-27-8316

参拝後は自転車で中山道を走り、街の中心へ戻ります。

山猫亭

途中で昼食のために立ち寄った「山猫亭」。そばはわさびより大根おろし派です。

晴れたら見える! 富士山スポット

山猫亭から自転車で約10分。晴れていれば山の間から富士山が見られる場所があると女将さんに教えていただいたので、諏訪湖の湖畔までやってきました。

諏訪湖

この日は曇り空だったのですが、富士山を見れました! いい旅の締めくくりです。

湖畔サイクリング

湖畔サイクリングの後に食べたマドレーヌサンド。クリームチーズが挟まっています。

下諏訪を1泊2日で観光してみて

下諏訪を巡る今回の旅は、ぎん月の女将さんや宿のスタッフの方、街の方がおすすめした場所ばかり。みなさん本当に下諏訪が好きなんだと、地元愛を感じました。そして、私自身ももっとたくさんの人に下諏訪に来てほしいと思いました。

街の中心から諏訪湖湖畔まで自転車に乗って10分程度でほどよいサイクリングができたり、中山道を有する街並みをぶらり街歩きしたり、気軽に湯巡りできる温泉があったり、心と身体を休めるための張り切りすぎないほどよさが下諏訪の魅力のひとつだと感じました。これからの季節は紅葉が綺麗に見られるそう。ぜひ下諏訪でゆるりと癒される旅をしてみてください。

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#長野県 #旅色LIKES #お試しステイレポ #諏訪 #旅ガチャ

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