九州は焼酎だけじゃない! 佐賀に根付く日本酒文化とは
九州といえば焼酎をイメージする方が多いと思いますが、佐賀県には日本酒文化が根付いているとのこと。なぜ焼酎ではなく、日本酒がよく飲まれているのでしょうか? 調べてみると「The SAGA 認定酒」や「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」など、気になる言葉がたくさん出てきました。
目次
厳正な審査のもとに選ばれる「The SAGA 認定酒」
佐賀県では、日本酒(純米酒)と焼酎(本格焼酎)を対象に「佐賀県原産地呼称管理制度」というものを用いて、いいお酒の認定をしています。なぜならより高い品質のお酒を、消費者に飲んでもらいたいという思いがあるため。次の3つの条件をクリアすると「The SAGA 認定酒」として認定されます。
1.佐賀県産の原料と水を100%使用していること
2.佐賀県の蔵元が醸造・蒸溜していること
3.味や香り、バランスに優れ、味覚審査で合格した純米酒・本格焼酎であること
有効期限は認定された日より1年間。年に2回(春と秋)行われる認定会で決まります。日本酒文化を推している佐賀県ならではの取り組みです。
日本酒文化を広めるために制定された「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」
もともと日本酒がよく飲まれていた佐賀県がさらに日本酒文化を根付かせるため、2013年に古川前知事が制定したのが「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」。過去に市の単位で「日本酒乾杯条例」が制定されたところはありますが、県として条例が制定されたのは佐賀県が初めてです。佐賀県産の日本酒を飲んで酒造業の発展、郷土愛を深めることが狙い。「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」が佐賀県の日本酒文化の醸成につながっています。
佐賀県の日本酒について牟田夫妻に聞いた
佐賀県では日本酒がよく飲まれていることがわかりましたが、なぜここまで日本酒が飲まれているのか、それだけではなく、佐賀県の日本酒にはどんな特徴があるのかを伺うべく、武雄市にある牟田酒造場の14代目社長・牟田勝浩さんにインタビューしました。牟田酒造場とは武雄市で約400年続く、市内に現存する唯一の酒造です。
――佐賀県で日本酒が主流になったのは、なにか理由があるんでしょうか?
「佐賀県が佐賀藩だったころ、藩主が財政立て直しを含め、酒造りを奨励されたと聞いています。佐賀平野の良質な米、そして脊振山系・太良山系・天山山系のいい水が広がったことで酒造りが広がり、水質に合わせた酒を造る酒造場が各地にできました。どこの酒造場も皆さん頑張っています。九州は焼酎のイメージですが、全国でも日本酒消費量が常にベスト15位以内に入るのも、そのような理由ではないでしょうか」
――佐賀県で飲まれている日本酒の特徴を教えてください。
「佐賀県の酒は甘口のものが多いです。代表的なのが東長さんや五町田酒造さん。東長さんのお酒はマッカーサーが愛飲していたようです。いずれにしても甘い酒が多いなか、皆さん切磋琢磨し、富久千代酒造さんからはインターナショナル・ワイン・チャレンジ SAKE部門の最高賞を受賞した“鍋島 大吟醸”を出していますね。また、馬場酒造さんの“能古見”は多くの方に評価されています。光武酒造さんもさまざまなバリエーションで多くのお客さまがいるそう。ほかにも素晴らしい酒造場がたくさんありますが、佐賀産の日本酒は全国でも高品質な酒と確信しております」。
動画でも武雄市のお酒を紹介しています
「お酒とおつまみを楽しむ“飲み旅”から、その町を知る」をテーマに、町の魅力や飲み旅の楽しみ方を深掘りしていく動画番組「飲み旅-NOMITABI-チャンネル」でも武雄市を特集しています。東海オンエアのゆめまるさんと土佐兄弟の有輝さんが、武雄温泉をはじめとした市内の観光スポットを訪れ、名物でもあるちゃんぽんなど、武雄グルメを楽しみながら、武雄市の飲み旅を楽しみます。