【離島のビール旅】釣りとビールと星空と。ハテルマブルーに魅せられて
みなさん、こーんにーちはーっ! “ビールおねえさん”こと古賀麻里沙です。夏休みの足音が近づいてきましたね。今年はどこに行こうかな、ドキドキ、ワクワク。前回から「離島のビール旅」シリーズを執筆していますが、読んでいただけましたか? 今回のビール旅の舞台となる島は、日本最南端の有人島である波照間島。島の人は何もないよって言うけど、「ハテルマブルー」と呼ばれる日本国内でもトップクラスの美しさを誇る海、そして豊かな自然とおいしい食べ物があって、波照間にはビールが最強においしくなる条件が揃っているんです。また、美しい海での釣りも島旅の醍醐味。働かざるもの飲むべからず……ビールをおいしく飲むために、刺激的な釣り体験で新鮮な魚もゲットしてきますよ! 海のハンターになる!
前回の「離島のビール旅」シリーズはこちらから▼
【離島のビール旅】石垣島で楽しむ樽生とビールのお供3大グルメ
目次
港でお魚ゲットだぜ! 今晩の肴はキミに決めた!
「海のハンターになる」なんて生意気なことを言っていますが、実は釣り初心者の私です。初めて石垣島に訪れた時、せっかく海の近くに来たんだからどうしても釣りがしたいと思いました。とはいっても、私の釣り経験といえば中学生の時に体育の授業で川釣りをしたことがある程度。なにから始めればいいか全くわからず、どうしようかと思っていたら、波照間のとある居酒屋でたまたま隣の席に座っていた人たちが「明日釣りに行く」と話している場面に遭遇しました。ここはもう話しかけるしかない。「海釣りをしたいので、釣りツアーや釣具レンタルのお店を教えてもらえませんか?」と話しかけると、「それなら釣具貸してあげるから一緒においでよ」と神のような答えが! なんてラッキーなの!?!?!? しかもあとからわかったことなのですが、その神のような返答をしてくださったその方、プロの釣り師だったんです。それからは毎回、波照間に行くたびにその方に釣りを教えてもらっています。
今回も釣具を貸してもらって、いざフィッシング! いつもの釣りスポット、港へやってきました。見てください、このエメラルドグリーンの海。
透明度がとても高いので、釣り糸を垂らして上からのぞくと魚が餌を突っついているのがよく見えます。たまに大きなエイやウミガメが遊びに来ることも。餌を撒いて魚を引き付ける“撒き餌”をすると魚がたくさん寄ってくるので、真ん中に糸を垂らして、針を突かれた瞬間に引っ張り上げる! これを繰り返していれば、初心者でもそれなりに釣れます。
見て見て! 釣れたーーー!!! 綺麗な白っぽい魚が釣れました。名前は忘れちゃったけど、食べられる魚だそうです。針の大きさによって釣れる魚の大きさも変わるんだって。かかった魚の大きさによって釣り竿の引き具合も全然違って、この感触はクセになりますね……。釣り上げるか逃げられるか、その駆け引きがまた楽しい。釣れなくても楽しいって釣り人たちが言っているのを聞いたことがあって、「負け惜しみかな?」なんて思っていたけど違った。今ならその気持ちがわかります。めちゃくちゃ楽しい!
さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。頑張って釣り上げたのでご褒美の晩酌タイムですよ。石垣で飲むっていったらやっぱりこれ。オリオンビール一択ですよね。
これは、沖縄の本土復帰50周年を記念した限定ラベル。レトロで可愛い。現在は、朝ドラ「ちむどんどん」とのコラボラベルが発売されているみたいですよ。私はビールをパケ買いすることもよくあるので、デザインの変更には敏感です。
釣り上げた魚たちはBBQグリルで焼いて、シンプルに塩だけをふっていただきます。身が柔らかくてふかふか。ほんのりピリッと効いた塩味で魚の旨味が引き立ちます。さっぱりとした味の食べ物にはビールもライトな方がいい。ペアリングにはオリオンビールがぴったりです。実はこのサイズの魚を釣り上げたのは今回の旅が初めてで、それまでは小物ばかりだったので食べることはできませんでした。初めて自分で釣り上げた魚とビールで乾杯、最高すぎるシチュエーションです! 同じオリオンでも、いつもより何倍もおいしく感じちゃいますね。
ビール豆知識「沖縄でオリオンビールが愛される理由」
オリオンビールといえば、皆さんどんな味を思い浮かべますか? 分からない方のために簡単に説明しますと、スッキリしていてライトな味わい。私はよく、アメリカンラガーに近い味わいだと表現します。それにはちゃんと理由があって、オリオンビールの創業は1957年、まだ沖縄がアメリカの統治下にあった時代です。最初につくったビールはコクも苦味も強くてなかなか受け入れられませんでした。それもそのはず、当時人気のあったビールはバドワイザーなどの輸入ビールだったからです。そこから味の改良を重ねて、今のような軽い飲み口のビールになりました。当時は本土から輸入する大手メーカーのビールには関税がかかっていましたが、沖縄県内で生産されるオリオンビールにはかからなかったという価格面の強みもあります。本土復帰後の今でも沖縄県内では酒税が減免される優遇措置が取られているんです。そしてもうひとつ、地域密着型というのも大きな戦略です。オリオンビール自体に沖縄のイメージを植え付け、イベントや観光、音楽などに積極的に協力して地元のビールであることを強くアピールしていきました。沖縄といえばオリオンビール、というイメージ戦略に私もまんまと(喜んで)やられちゃっています。ズバリ、味と価格と地元密着、これがオリオンビールの成功の秘訣なのです。
船で1本釣りしたカツオとビールの最強タッグ
波照間島は人口約500人の小さな島ですが、1950年代には今よりももっと多くの人が住んでいました。その頃はカツオ漁が盛んで、漁船を8隻所有し、島内には10か所もの鰹節の加工工場があったほどでした。昔からカツオに精通している島民はもちろん、上手な釣り方とおいしい食べ方を知り尽くしている地元の方々。ということで地元の方に船を出してもらい、カツオ釣りに連れて行ってもらいました!
海のど真ん中での釣り、ドキドキしますね。船にロープとルアーの手作りの仕掛けをつけて走らせると早速かかりました! ロープがピンと張ったら、カツオが引っかかった合図です。船を停めて、太いロープを両手で手繰り寄せていきます。ロープを握った瞬間に緊張が走ります。つ、強い……! ものすごい勢いで引っ張られます。魚は釣られたら食べられる。私は引っ張られたら海に投げ出される。お互いに命懸けの勝負です。集中して腰を入れ、全身の力でロープを引きます。近づけば近づくほど強力な力で海に引っ張られます。負けてたまるかー! ラストスパート、力を込めてヨイショーーーッ!!!
獲ったどーーー!!!!! この活きの良さ、写真で伝わりますか? 美しく光り輝いている……やっとの思いで釣り上げたと思うと感動です。この日の釣果は10匹。釣れる時はこの倍以上釣れるんだそう。初めての船釣りは、港釣りではなかなか味わえない興奮を味わわせてもらいました。思いっきり戦ったので喉がカラカラです。金色のアレが飲みたくなってきましたねぇ。いっぱい釣れたので晩酌といきましょう。ということで早速、釣れたてのカツオを捌いてもらいました。
さすが見事な手捌き、あっという間に一口サイズに。次回は捌き方も教えてもらおうっと。さてさて、波照間島民は独特の絶品カツオレシピを持っているようです。水で溶いた味噌に酢を混ぜ、そこにカツオをくぐらせて食べるのが主流なんだとか。
なにこれ、うんま……! 今まで食べてきたカツオって実はカツオじゃなかったのかもしれないと思うほど、おいしすぎて衝撃。カツオを食べた時に感じる鉄っぽさが全くありません。新鮮な魚ならではのゴリゴリとした食感に、濃厚な赤身の旨味。酢味噌に潜らせることによって身がキュッと締まり、味噌のコク、甘み、酢の酸味の絶妙なバランスといったらもう……はいそうですね、その通りです。もう飲むしかありません。オリオンビールをカシュっと開けて、ゴクゴクゴクゴクゴク、プッハーーーーーー! こりゃたまらんです。船釣りで思いっきり汗をかいて火照った体に、冷たいビールが一気にドドドッと流れ込んできます。特別な体験をした後に飲むビールは最高です。釣れたてのカツオとビールをいただく漁師飯、この上ない贅沢を感じました。
単純に暑いからビールがおいしいっていうのと、興奮やその余韻からアドレナリンが出まくっていること、非日常にすでに酔いしれていることから、いつもよりおいしく感じたこのビール。アウトドアとビールって本当に相性がいいんですよね。
満天の星を眺めながら飲むビール
波照間といえば星が綺麗なことでも有名です。88個ある星座のうち84個が見えるらしいです!星空観測をするなら、特に有名な南十字星は絶対に見たい。海辺で星空を眺めようと考えていると、地元の人から海はおすすめしない、と言われました。月が海面に反射して明るいので、星がうまく見えないのだそうです。海まで出向かなくても、少し歩けば灯りのない真っ暗な場所がいくらでもあるので、近場で事足りるみたい。
これがiPhone12Proの、というか私の撮影技術の限界です……伝わりますか? カメラ越しでもこの明るさ。肉眼で見た時の感動は計り知れません。実は私が石垣島にハマったきっかけは、波照間島のこの壮大な星空。日が明るいうちから飲むビールも好きだけど、満点の星を眺めてビールをゆったりと味わう時間も大好きです。
移住するならここがいい
訪れる度に「また来たいな」という気持ちになる島、それが波照間島です。その理由のひとつに、島の人の温かさがあります。初対面でも一言二言ことばを交わせば「一緒に釣りに行こう」「今夜飲みに行く?」「三線教えてあげるよ」とみんなとってもフレンドリー。観光客を家族のように迎え入れてくれる温もりが心地よくて、年々宿泊する日数が増えています。そんな島民の心を表しているかのような透き通る海を眺めるのも幸せなひとときです。特に8月に入ると陽射しが強くなり、光を反射してきらめく海は宝石のように本当に美しいんです。ぜひ、夏休みの旅行の参考にしてみてくださいね。
沖縄離島ビール旅シリーズ、まだまだ続きます。次回はあの島へズームイン!! お楽しみに。