大人の隠れ家、見つけた。表参道にあるカフェ「allée(アレ)」で上質な時間
断片的に日常から逃れたい。日々タスクに追われる私たちには時折、そんな時間が必要だ。騒々しい都内の真ん中に憩いを求めて、訪れたのは表参道。
目次
駅から出てすぐ、路地裏へ入る。アレ? ここは何? 急に洗練されたモダンな建物が現れる。駅近にこんな場所あったっけ?
やって来たのは「allée(アレ)」
去年オープンしたばかりの上質を楽しむ大人の隠れ家。
扉を開けた瞬間に、美術館のようなアートな空間と鼻腔をくすぐるふんわり甘い焼き菓子の香り。なんだか肩の力が抜ける。
“焼き”をテーマに紡ぐアレの世界観。空間の演出同様、食へのこだわりも抜かりがない。オーナーさん自身が、素材の質と生産者さんのストーリーに共感し、その魅力を伝えるために、過度な装飾はせずに構築したお品書きたち。
クレープは「ひのき山農場の平飼い有精卵」、プリンは「いちえん農場の土佐ジローの卵」。どうやら主役によって、卵や乳まで変えているらしい……! アレは作り手と受け手の健全な架け橋となる場所。生産者の想いや熱量を焼き菓子というバトンに変えて私たちに届けてくれるのだ。
オーダーと同時に豆を淹れる音と香りが、アロマの様にふんわりと広がる。豆の香りを十分に楽しむために、日本ではあまりお目にかかれない台湾製の器具を用いているのだとか……。まだ飲んでいないのに、こだわりに脳がくすぐられる。
本日のスイーツ①「燻製はちみつのバスクチーズケーキ」
ずっしりと腰をおろす、「燻製はちみつのバスクチーズケーキ」。シンプルかつ気品が漂う佇まいだ。
ひと口味わうと……あ、深い。
この秘密はじっくりと燻された蜂蜜のおかげ。日々に定着したおいしさに、新たな発見を与えてくれるのがアレのすごいところ。知っているあの子が妙に色っぽくなる瞬間は、なんだか鼓動が早くなる(きゅん)。
燻製蜂蜜がグンツと奥行きを広げ、今までのバスクチーズケーキの一歩先へ。それでいて、この手のケーキに在りがちな、後半にかけて味にマンネリしちゃう問題は皆無。
しっかりと存在感を放ちながら、後味には軽やかに溶けていく爽やかなお味。ひと口がずっと最高点でフィナーレへ向かう。これが擬人化したら相当あざといモテ男だろう。
本日のスイーツ②「クレープ」
お皿の画角から贅沢に生地がダダ漏れているシュガーバタークレープさん。
薄く繊細なクレープ生地、八丈島のジャージーバターとアイス。生地だけかじって甘みを楽しんだり、バターの香りを足したり、アイスのコクをくるっと包んでみたり……。
甘さのトーンは私次第。このひと皿の上で、セルフ協奏曲を奏でるような楽しさに、にんまりしちゃう。気付けば、あんなに堂々とはみ出ていた生地が紙切れほどに。あぁ、楽しい時間は儚きかな。バスクチーズケーキ同様、飽きなく最後まで堪能できる。
甘味の余韻に浸りながら、コーヒーを啜る。
その間、他のお客さんのオーダーが入るたびに鼻腔をくすぐる焼き菓子やコーヒーの香りが、また絶妙な合いの手に。
アレのお店全体が、ライブ会場のように機能して私たちの五感をくすぐり、お腹と心を満たしてくれるのだ。なんて最高な空間セラピー体験。
(お腹もほくほくだし)
焼き菓子のラインナップはほかにもいろいろと。旬によって顔ぶれが変わるケーキ達がショーウィンドウ越しに誘惑してくる。テイクアウトもできるらしい。今度あの人の差し入れに……と、もうすでに次に足を運ぶ理由を脳内で妄想しちゃう。
都会のど真ん中。癒されて、楽しくて、おいしい。
大人の隠れ家、見つけちゃいました。
◆allée(アレ)
住所:東京都港区北青山3丁目5-23 1F
電話:03-5843-1503
営業時間:11:00~20:00(LO19:30)
定休日:月・火曜日