気付けば知り合いが増える!? フレンドリーな大阪飲み旅へ
みなさん、こんにちは。“酔い子の味方”ビールおねえさんこと古賀麻里沙です。最近旅をしていて、地域によって飲みスタイルが全く違うことに気が付きました。東京でひとり飲みをする時、もちろん最後までひとりなんですけど、大阪でひとり飲みをしていると途中からひとりじゃなくなっているんです。どのお店でも気付けば常連さんたちと一緒に飲んでいるんですよね~……ということで今回は、初対面でも親しみ溢れる大阪のビール旅を紹介します。
目次
銭湯をリニューアルしたブリューパブ「上方ビール」
大阪は、いつ来ても賑やかなまちで元気になります。歩いていると、自然と視界に入ってくるインパクトある看板たちも面白いです。普通の四角の看板の方が珍しいんじゃないかってくらい、自己主張の激しい立体看板がひしめき合っていて、これを見ると大阪に来たな~と感じるんですよね。どのお店も個性的で、それぞれの工夫がすごい。今回はそんなこだわり溢れる大阪でのビール旅ということで、ほかにはない魅力を持ったクラフトビールのお店を回りたいなと思っています。
早速、前々から気になっていたお店へ。銭湯をリニューアルしてつくられたブリューパブ「上方ビール」。男湯が醸造所になっていて、ビールを飲めるのは女湯と脱衣所のスペースです。
もともとの銭湯の建物のつくりをそのまま生かしているので、まさに銭湯でビールを飲んでいる気分になれます。アットホーム感がよくって、ついつい長居してしまいました。
銭湯といえばの牛乳瓶! 「上方ビール」では、ビールを牛乳瓶で提供してくれるんです。めちゃくちゃ可愛くないですか……!? かなりツボでした。
いただいたのはトロピカルな香りが爽やかな「温泉エール」。フルーティーでゴクゴク飲めるビールです。思わず腰に手を当ててクイっといきたくなっちゃいますね。苦味もしっかりあって飲みごたえも抜群。フードの提供はありませんが、持ち込み自由なので近くの商店街で餃子を買ってきました。
銭湯×餃子×ビール。これは、至福以外の何ものでもありません。肉汁たっぷりでニンニクの効いた餃子に、フルーティーなビール……間違いありませんでした。
男湯をリニューアルしたという醸造所も覗かせてもらいました。「上方ビール」では同じテイストのビールをつくり続けることがないので、訪れる度に違うビールを楽しむことができるそうです。
“元銭湯”は、ビールづくりをするのにかなり好条件な場所だそうです。例えば、麦芽を粉砕する時には粉が舞うので、麦芽粉砕室には個室になっているサウナ室が使える。また、もともとお風呂なので濡らしてはいけないところが少ないというのもポイント。掃除や排水がしやすく、丸洗いできるので衛生を保てる……など。なるほど、まったく異なる業種に見えて意外と条件が適しているんだなーと思いました。
ちなみに「上方ビール」では、一般の方がオリジナルビールをつくれるサービスも行なっています。自分でイメージしたものが実際にビールとなって出来上がるってワクワクしますよね。ちょうどこの日オリジナルビールを仕込んだという常連さんがいて、お話を聞かせてもらいました。その方は、ハチミツをたっぷり使ったビールをつくったそうですよ。ビール好きが集まっている場所ということもあって、もうお互い話が止まらなくって、好きなビアスタイルからビールを好きになったきっかけ、よく行くビアバーの話まで、気が付けばビール片手に閉店時間まで“脱衣所”で盛り上がっていました。ビールも人も一期一会。ビールと共に緩やかに流れていく、とても愛しい時間でした。
【上方ビール】
住所:大阪府大阪市東淀川区西淡路3丁目15-6
電話番号:06-6829-6550
営業時間:14:00~19:00
定休日:月~金曜日
1.5坪の日本一小さなビアガーデン「天6アタック!」
続いてやってきたのは、小さい規模ながら工夫がギュギュっと詰まったお店「天6アタック!」。日本一小さなビアガーデンで、おいしい豚足とクラフトビールをリーズナブルに楽しめます。このお店の工夫ポイントは、敷地4坪、建物1.5坪の店内という狭い空間を無駄なく利用していること。
テーブル席として使われているのは、ビール樽用の冷蔵庫。ステッカーがいっぱい貼られていて可愛いです。
壁の代わりとして置かれているフェンスにはテーブル板が引っかけてあって、即席カウンター席が。しかもこれ、好きな場所に移動ができるんです!
フェンスに引っかけてある丸い輪っかにはビールを置くことができます。無駄がない……。よし、ではビールのスタンバイも完了したので、このお店の名物をいただきましょう。
とろっとろに煮込まれた豚足。表面がほんのり香ばしく、思い切ってかぶりつくとお肉がほろりと崩れていきます。うーん、これはたまらん! 濃厚な旨味が口の中で爆発しています。
思わずビールをグイーッ! 飲んでいるのは「これが俺の“チャイ”」というメニュー名のビール。スパイスが効いていてほんのりクラフトコーラっぽい味わいです。やさしい甘みとスパイシーな刺激の絶妙なバランスが煮込んだ豚足に合う。
この日はたまたまお店の2周年イベント中で、常連さんたちが集まっていました。誰かがおかわりをしたら、全員で乾杯! ビールを打ち抜いたら(打ち抜く=樽が空になるまで飲み干すこと)、全員で乾杯! 新しい樽が届いたら、全員で乾杯! ……ことあるごとに全員で乾杯するというカオス状態で、終始お祭りモード。もちろん私も全乾杯に参加させてもらいましたよ。周年をお祝いするために関東から足を運んでいるという方もいて、おいしい食べ物とビールに囲まれながら、常連さんの愛をひしひしと感じるひとときでした。
◆天6アタック!
住所:大阪府大阪市北区管栄町13-13
電話:06-7777-4529
営業時間:16:00~23:00※土・日・祝日は14:00~23:00
店休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
ビール豆知識▶ビールで乾杯すると打ち解けやすい?
ビール片手に乾杯すれば、初対面でもなんだかいつの間にか打ち解けている。そんな経験はありませんか? アルコールで気が大きくなっているのもあるかもしれませんが、それだけではないんです。ビールの主原料であるホップの香りにはリラックス効果があって、緊張をほぐしてくれているのかもしれません。また、ビールの香りを嗅いで脳波を測定すると、リラックスした時に見られる特徴的なアルファ波の波形が確認できたという研究結果も発表されています。かの有名な学者・福沢諭吉氏も、ビールに対しかつてこんな言葉を残しています。「其味至って苦けれど、胸郭を開くに妙なり」。胸郭を開くとは腹を割って話すという意味。彼にとっても、胸の内を開くにはビールが不可欠だったようですね。
“飲みニケーション”ってやつ
大阪にいると、コミュ力がものすごく鍛えられます。このまちには人見知りの人っているのかな?ってくらい、みなさん気さくでフレンドリー。小学校入学の時に夢見た「友達100人」、一度の大阪旅行で達成できそうな気がしてきました。ビールで乾杯すればもうみんな飲み友、胸郭が開けます。
今回訪れたスポット以外にも、大阪には国産ビール発祥の地があったり、“せんべろ”が叶うディープなスポットがあったり、まだまだ語り尽くせない魅力があります。ということで大阪ビール旅記事、まだまだ続くかも!? それではまた次のビール旅もお楽しみに!