大阪ビール旅~ディープなエリア・西成でせんべろ編~
みなさん、こんにちは。“酔い子の味方”ビールおねえさんこと古賀麻里沙です。ジメジメした日が続いていますね。雨が降ると外に出たくなくて家に引きこもりがちですが、そんな時こそ一歩踏み出して外飲みに繰り出すのが古賀流です。うっとうしい気分もすっきり晴れて、ビールも飲めるし一石二鳥。ということで今回のビール旅は、前回に引き続き大阪編をお届けします。最近若者を中心に人気急上昇中のディープなエリア・西成でせんべろを体験してきました。
目次
平日の昼間から大行列な立ち飲み屋
大阪市営地下鉄御堂筋線・堺筋線の動物園前駅から出発。お目当ての店に向かって歩いていると、ワンカップ片手に座り込んでいるおじさまたちがちらほら10人ほど。昼間からはじめちゃってますね~と思いつつ、これが西成のまちか……と、私も気合いを入れ直します。
ここ数年SNSで話題になっている立ち飲みスタイルの店にやってきました。大阪西成のローカル飯・ホルモン焼きが味わえる「やまき」。年季の入った暖簾がたまりません。開店は14時からで、13時半には店に着いたんですが……
すでにこの行列!
1時間以上待って、ようやく中に入ることができました。モクモクと立ち昇る煙、そして甘辛いタレの香りが食欲をそそります。ビール……と思ったけど、ハイリキとホルモン串、肝を頼みました。ハイリキとはレモンチューハイのこと。もちろんメニューにビールもありますが、ここではハイリキが主流みたいなので、「郷に従えば郷に従え」です。賑わっている店なので、注文するときはジュージュー焼く音とほかの人の注文に声をかき消されないように、タイミングを見計らって店主にしっかりと自己主張するのがポイントです。
目の前で焼かれたアッツアツのホルモン串と肝がきました! 見た目からもうたまらない。ひと口かじりつくと、ぷるんぷるんの食感に甘辛いタレがたっぷりとまとわりつき、濃厚な味が広がります。ここですかさずハイリキをグイッと。すっきり酸っぱいレモンの風味が、こってりホルモンによく合います。ツウの人はここで裏メニューの「アブラ」を頼むのだそう。私もチャレンジしようとしたのですが、目の前で売り切れてしまいました……(涙)。アブラとは一体なんなのか、次回はその正体を探りに行きたいと思います。お会計はなんと自分で計算して自己申告するスタイル。ホルモン串と肝がそれぞれ90円、ハイリキが290円で、合計470円でした。安い! 500円でお釣りがきちゃいました。
◆やまき
住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋2-2-7
定休日:不定休
営業時間:平日14:00~21:00、土・日曜日11:00~21:00※冬季は13:00~20:00
ナイスな“心壱岐”
まだまだ飲み足りないので、もちろんハシゴ酒しますよ! 「やまき」に並んでいる間に視界に入って気になっていた、「心壱岐」というお店に飛び込んでみました。常連さんが盛り上がっていたので間に入れてもらうことに。でかでかと提げられた赤提灯が雰囲気ありますねぇ。簡易なテーブルと椅子で、外の空気を味わいながら飲むのもまた気楽でいい。店名の「心壱岐」ですが、店主の方が長崎県の“壱岐”出身だからだそう。私は福岡なので、同じ九州出身ということで勝手に親近感が湧いていました。
さて、そろそろビールが飲みたいので注文を。この店は串焼メニューが充実していて、おつまみには「豚ニラ巻き」をチョイスしました。豚巻きは地元でよく食べていましたが、ニラ巻きは初めて。ニラの香りに食欲を刺激されるー! ビールがめちゃくちゃ進むアテにまた出合ってしまった……。定期的に食べたくなる味です。
あっという間に完食したので、次は店主おすすめの「麻婆もやし」を注文。
シャキシャキのもやしに、たっぷりとかけられたとろっとろの麻婆。ちょうどいいピリ辛具合で深~いコクもあるけど、もやしだからあっさりパクパク食べられちゃう。ビール好きが喜ぶ“イキ”なおつまみに、店主の心意気を感じました。ちなみにこのお店に入ったのは「おいしそう!」と思ったのももちろんなのですが、私がいつも観ている人気YouTuberさんがちょうど撮影しているのを見かけたからなんです。お店に入るなり声をかけて、「いつも見てます! 一緒に乾杯してください!」と、ちゃっかりご一緒させていただきました。私のYouTubeチャンネルでその時の様子を流しているので、ぜひ見てみてください。
◆心壱岐
住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋3-1-18
定休日:不定休
営業時間:平日13:00~23:00、土・日曜日11:00~23:00
名前のないたこ焼き屋
大阪といったらやっぱりたこ焼きは欠かせませんよね。今日の〆はふっくら柔らかくて、中はトロトロのたこ焼き。目の前で焼いてくれるので出来立て熱々です。8個で250円。
椅子を借りて、店頭で味わうことに。店の方とお話ししていると常連さんがやってきて、なんとビールを差し入れてくれました!思いがけず乾杯できてうれしすぎる……。ところでこのたこ焼き屋、店名がありません。雨の日は定休日で、店をやっている日も開店時間や閉店時間は日によって少しずつ違うようです。ふらっと訪れて、開いていたらラッキーかも!? 看板がないので、メニューにちゃっかり貼らせてもらった私の名刺を目印に探してみてくださいね(笑)。
◆名前のないたこ焼き屋
住所:大阪府大阪市西成区太子2-1-39
営業時間:9:30~17:00
定休日:日曜日
ビール豆知識▶たこ焼きのルーツはビールのお供
今ではすっかり大阪名物として定着しているたこ焼きが誕生したのは、ここ、西成区なんです。もととなるのは「ラヂオ焼き」。今も西成に店を構える「会津屋」の初代・遠藤留吉氏が考案しました。大人がビールを片手につまめて、冷めてもおいしい食べ物ということで作り出されたそうです。当時高級品だったラジオにあやかって名付けられていて、具は牛肉・こんにゃく・豆など。当時はあまり評判が良くなかったのですが、兵庫の明石焼きを真似てタコを入れてみたところ、これが大ヒット。たこ焼きの誕生へと繋がります。もともとビールのおつまみとして作られたんだから、相性が良いのは当然でしたね。
いつもとひと味違った飲み旅をしたい人は西成へ
西成エリアはお店も常連さんも、まち全体がディープでした。昔ながらの大阪を垣間見た気がします。このエリアでしか味わえない独特な雰囲気があって、いつもとひと味違った飲み旅をしたい人にはもってこい。西成せんべろですっかりエンジンがかかった私は、このあと梅田でも飲んでいたのですが、その時に隣に座っていた常連さんがこんな話をしていました。
「20年くらい前の冬に西成を歩きよったら、おっちゃんが自動販売機と自動販売機の隙間に挟まっててん。おっちゃん何してるん? って声かけたら、ここあったかいねん……って言ってたわ。自動販売機で暖をとってたんやって。西成、おもしろいやろ?」
昔の西成は今よりももっとパンチの効いたまちだったようですね。まだまだ知らない魅力が隠れていそうです。発掘しがいがあるなぁ。それではまた次のビール旅もお楽しみに! 私のYouTubeチャンネルでも今回の大阪の旅を紹介しているので、そちらもぜひ。