車内はギャラリーのよう。観光列車「べるもんた」で富山の絶景と海鮮を愉しむ

富山県

2023.03.20

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車内はギャラリーのよう。観光列車「べるもんた」で富山の絶景と海鮮を愉しむ

三重県在住。愛読書は時刻表。暇さえあればリュックひとつで旅に出かけるLIKESライター・なおは、こよなく愛する鉄道を使い、温泉や絶景巡りをしています。前回に引き続き旅先は北陸。富山県を走る観光列車「べるもんた」をレポートします。

目次

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富山随一の港町から始まる観光列車の旅

かつて走った名列車を思い出させる車両

車内を飾る伝統工芸品

「額縁」の向こうの絶景を楽しもう

きときとの海の幸も愉しもう

列車の不思議な駅構内移動

新高岡駅は新幹線乗り換えもスムーズ

富山随一の港町から始まる観光列車の旅

前回は、能登の観光列車「のと里山里海号」と「花嫁のれん号」を紹介しました。今回は富山県氷見(ひみ)市の氷見駅へ。

能登の観光列車「のと里山里海号」&「花嫁のれん号」乗り比べ記

氷見市は富山県の北西端の港町。特にこの時期に捕れる「寒ぶり」は全国的に有名です。

駅舎の中にも「ぶり提灯」が!

駅舎の中にも「ぶり提灯」が!

目的は氷見駅を起点に走る観光列車に乗ること。まもなく列車が到着するので、ホームに出て待つことにします。

かつて走った名列車を思い出させる車両

10:56、「べるもんた」が入線してきました。砺波(となみ)駅・高岡駅からの乗客を乗せた「べるもんた1号」は乗客を降ろし、11:05に「べるもんた2号」として新高岡に向かいます。わずかな時間しかないので早速撮影を済ませます。

年季の入ったキハ40形車両を改造して誕生しました。濃緑のボディはかつて北陸本線を含めた日本海を走破して北海道に向かった寝台列車「トワイライトエクスプレス」を彷彿とさせます。

ヘッドマーク。

ヘッドマーク。

さきほどから「べるもんた」と連呼していますが、この列車の正式名称は「Belles montagnes et mer(ベルモンターニュエメール)」。フランス語で「美しい山と海」を意味しており、雪化粧した雄大な立山連峰と新鮮な海の幸に恵まれた富山湾を鑑賞しながら旅を楽しむことができる列車です。長くて言いにくいので「べるもんた」という愛称がつけられています。氷見と高岡を結ぶ氷見線内を走るのは日曜日のみで、土曜日は高岡より南側、城端(じょうはな)までを結ぶ城端線を走ります。

わずかな時間で清掃を終え、いよいよ車内に入ります。

車内を飾る伝統工芸品

五箇山とこきりこ祭り。

花畑の中を走る「べるもんた」。

富山西部地域の工芸品の数々も展示されています。

乗客をまず出迎えるのは「井波彫刻」と呼ばれる伝統工芸。城端(じょうはな)線側の南砺(なんと)市井波地区で栄える木彫り技術の技術の高さを見ることができます。五箇山(ごかやま)の合掌造りと“こきりこ祭り”の様子が彫られています。いずれも富山を代表する観光資源です。

「額縁」の向こうの絶景を楽しもう

絵のような美しい車窓が眺めよう、というコンセプトです。

「つままの会」の方の観光案内も楽しい。

座席海側はカウンター席、反対側はボックスシートです。カウンター側に座って「額縁」を模した窓越しにのんびり富山湾を眺めるもよし、友人と語らいながら食事を楽しむもよし。思い思いの時間を過ごすことができます。

上の写真の中央に写っている氷見市観光ボランティアガイドグループ「つままの会」の方が高岡まで乗車して沿線案内をしてれます。

本日曇りの雨晴駅。

向こうに見えるのは「女岩」。※別の列車で再度訪ねて「道の駅」から撮影しています。

能登半島をバックに過ぎる列車を撮影できるスポットです。※「道の駅」前で撮影。

列車は約7分で雨晴(あまはらし)駅に到着します。駅の向こうはすぐ海。沿線随一の観光スポットです。雨晴海岸は源義経が東北へ向かう途中、雨宿りをした地だったことからこの名がついたといいます。雨が晴れるなんだか気持ちのいい名前の海岸です。晴れた日には湾の向こうに立山連峰を望むことができます。「美しい山と海」が同時に見られる、列車の名前の由来となったともいえる場所です。条件がそろえば富山湾名物の「蜃気楼」も見ることができるそうです。

きときとの海の幸も愉しもう

「べるもんた」ではもうひとつ特筆するべきことがあります。

きときとの海の幸をいただきます♪

きときとの海の幸をいただきます♪

車内でお寿司「プチ富山湾鮨セット」(2,100円)をいただくことができるのです! 車内には寿司職人が乗っていて列車内で握ってくれます。富山のきときと(富山弁で“新鮮”という意味)な海の幸を車内で楽しめる。何とも贅沢です。ぜひ職人の写真を! と思ったのですが非常に多くの乗客がお寿司を注文していて忙しそうだったのでその場を後に。「べるもんた2号」の食事のサービスは高岡駅まで。31分しかない中で給仕をされているのでちょっと慌ただしいです。お寿司のほかにも「白エビと紅ズワイ蟹のお造り」(1,800円)などのメニューがありますが、基本的に事前予約が必要です。当日も注文できますが数に限りがあります。3日前の17:00までに予約を済ませておきましょう。

有名人のサインや写真も展示されていました。サイン色紙のある列車って初めてのような……。

列車の不思議な駅構内移動

列車はまず6番線に入ります。

11:36、高岡駅に到着しました。“あいの風とやま鉄道”との乗換駅であり富山県西部の中心駅です。列車はひと駅先の新高岡駅まで行くのですが、高岡駅発は12:07発。少し時間があります。約21分間の停車時間。通常であればずっと留まった後に発車するのですが「べるもんた」は違います。入ってきたのは氷見線が発着する6番ホーム。ですが、新高岡駅のある城端線は2番線からしか発車できません。このため一旦高岡駅を離れたあと2番線に入りなおすのです。移動を動画に撮っていたのに、お見せできないのが残念です……。駅の中を移動する列車に乗る経験ってなかなかできない見どころのひとつ。8本あるうち、1・2・3号でしか体験できません。

無事2番線への入れ替えが終わりました! って、写真でわかります?

無事2番線への入れ替えが終わりました! って、写真でわかります?

新高岡駅は新幹線乗り換えもスムーズ

12:07に高岡駅を発車した「べるもんた」は約3分で北陸新幹線の乗換駅である終点・新高岡駅に到着しました。新幹線に乗り換えて金沢、富山、長野方面への移動もスムーズにできます。※すべての「べるもんた」が新高岡駅に乗り入れるわけではありません。

今回は小雪の舞う曇り空でしたが晴れた日には立山連峰が望めます。美しい山と海の景色を眺めながら、新鮮な海の幸を堪能することができる鉄道旅をぜひ楽しんでみてください。

◆Bells montagnes et mer(ベル・モンターニュ・エ・メール~べるもんた~)
運転日:土曜日 高岡駅~城端駅間 2往復、日曜日 砺波駅・新高岡駅・高岡駅~氷見駅間 2往復 ※一部期間で月曜日の運転。
料金:おとな 530円、こども 260円 ※全席指定席、乗車券のほかに座席指定券が必要。
※天候や自然災害などにより運行を取りやめる場合があります。詳しくは公式HPで。
※お食事は3日前の17:00までにVISIT富山県で要予約。

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#鉄道旅 #北陸 #べるもんた #観光列車 #北陸を元気に

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鉄道旅 なお

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なお

とにかく旅好きで暇さえあればリュックひとつでどこかに出かけています。鉄道をこよなく愛し、時刻表はわたしの愛読書。温泉も大好きなので鉄道を使って温泉巡りする、そんな記事が多いかもしれません。最近は絶景めぐりも旅のポイントにしています。みなさんオススメの絶景情報求む!

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