偏愛が止まらない「食いだおレビュー②」 静岡で見つけた7種のポテトチップス
3度の飯よりポテチが好き、いや、3度の飯がポテチの日がある、万年ダイエッターの編集部・阿部です。年末から年始にかけて仕事で静岡に行く機会があり、やっぱり探しちゃいました、ご当地ポテチ。富士宮やきそば、さわやかのハンバーグ、静岡おでんなど、幾多の名物に負けず劣らずの魅力と味わいに満ちたポテチたちに出会いました。お土産にもピッタリです。
文/阿部大亮(編集部)
目次
①キクスイドーのポテトチップス しお味 216円
テレビなどでも紹介されたことがある静岡ポテチの代表格的な存在。いわゆる“ご当地フレーバー”をうたっている商品ではないので、ちょっと他とは方向性が違いますが、チップスの写真すら使わない、とことん無駄を省いたデザインから漂う「味勝負!」という逞しさに畏敬の念を抱き、一番最初にラインナップ。
メーカー独自の“直火炊き連続チップフライヤー”を使い、フライの油の中を炎が通り抜けていくという製法により独特の味わいに昇華されるそうで、じゃがいもの旨味をしっかりと感じられます。あまりにもシンプルな味わいは、他のお菓子と食べ合わせるのではなく、この1袋としっかりと向き合い、味わって、噛みしめて、食べたくなるポテチです。
【偏愛レビュー】※満点は★5つ
フレーバーの再現/★★★★
パッケージ/★★★★★
おいしさ/★★★★
②浜松餃子ポテトチップス 399円
2020年「ぎょうざ年間購入額日本一」を誇る、日本屈指の餃子のまち浜松市。やっぱりあったか、と思いながらパッケージをよく見れば、浜松餃子学会認定の文字が。単なるパロディではない浜松餃子の本気が伺えます。
浜松餃子は、昭和30年ごろに並んでいた浜松駅周辺の屋台餃子がルーツといわれており、特長は「1.餃子の中身の具材にキャベツを使用」「2.タレ・ラー油にこだわる」「3.もやしが添えてある」「4.レシピが多種多様」という点。なぜ、そこまで詳しいかと言えば、パッケージの裏にしっかりと浜松餃子の解説が書いてあるから。肝心のポテチの製法は、『昔ながらの釜戸揚げ』という見出しと数行の説明のみ。もはや、これは餃子です(違います)。
そんな解説を読みながら食べれば、ビールが飲みたくなること請け合い。後味にピリッと絡みが追いかけてくるのがよりそれを助長します。とても優秀な酒のおつまみです。
【偏愛レビュー】※満点は★5つ
フレーバーの再現/★★★★★
パッケージ/★★★
おいしさ/★★★
③静岡・富士山うま塩ポテトチップス 399円
世界遺産でもある霊峰富士が魅せる春夏秋冬の美しき景観と、駿河湾の猛々しいエネルギーを感じさせる青いパッケージが特徴。静岡県を代表するかのうような佇まいのこちらは、静岡県産のうま塩を100%使用しています。
静岡県焼津沖の駿河湾水深200mから汲み上げられた海洋深層水は、通常のそれと比べ細菌や有害化学物質等がはるかに少なく、豊富なミネラルを含むそうです。そんな深層水から作った「静岡のうま塩」だけを使い、昔ながらの釜戸揚げ製法により、じゃがいも本来の味が引き立ちます。どこか懐かしい味わいで、静岡産のお茶とあわせて、一服のお供にしたくなります。
【偏愛レビュー】※満点は★5つ
フレーバーの再現/★★★
パッケージ/★★★★★
おいしさ/★★★★
④富士宮やきそば ポテトチップス 399円
全国のご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」において、第1回(06年)、第2回(07年)でグランプリに輝き、第3回(08年)でも特別賞を受賞した実績を誇る富士宮やきそば。ご当地グルメの代表格とも呼べる、この味わいもやっぱりポテチになっています。
パッケージのど真ん中に鎮座する富士宮やきそばのアイコンとも言える「のぼり旗」。富士宮やきそばアンテナショップが監修となり、ご当地の味わいをしっかりと再現。
富士宮市民にとって、やきそばは、主食ではなくおかず(ごはん・やきそば・みそ汁という定食もあるのだとか)。ポテチにもしっかりとその味が踏襲されており、噛むほどに濃いソースの風味が、口いっぱいに広がります。これも浜松餃子に続き、ビールが飲みたくなるおつまみです。
【偏愛レビュー】※満点は★5つ
フレーバーの再現/★★★★
パッケージ/★★★★
おいしさ/★★★★
⑤お茶わさび味 ポテトチップス 432円
静岡名産品として、忘れてないけない“お茶”と“わさび”。どちらか一方でも良さそうな、このフレーバーをどうせなら掛け合わせてしまおうという欲張りな心意気と好奇心、大好きです。袋を開けた瞬間に、鼻腔をくすぐるわさびの風味。ポテチ界の王道「わさ〇―フ」を彷彿とさせるその香りに、つい食指が動きます。パッケージからもわかるように、チップス本体には緑の粉が、のりしお味のそれのように点々とかかっています。これは、お茶か?わさびか?
口にほうばると、ツンとわさびを食べた時のあの味わいが広がります。そうか、この点々はわさびなのか? と思いながら食べ進めていくほどによぎる疑問。「あれ、お茶は?」。舌が味の濃いチップスたちに麻痺させられてしまったのか、はたまた加齢により鈍感な味覚に磨きをかけてしまったのか。お茶を感じることができませんでした。誰か買ってレビューをお願いします。誤解なきよう補足しますが、わさび味のポテトチップスとしては、大変おいしゅうございました。
【偏愛レビュー】※満点は★5つ
フレーバーの再現/★
パッケージ/★★★
おいしさ/★★★★
⑥三ヶ日みかん ポテトチップス 399円
静岡県浜松市にある三ヶ日(みっかび)町の温暖な気候とみかんの栽培に適した古生層という土壌により育まれる三ヶ日みかん。「甘さだけではなく、みかんらしい酸味がある」ことを特徴に、全国で人気が高まっている品種です。これをポテチにかけ合わせることで、ほんのりと柑橘風味が漂うさわやかな味わいになっています。
国産のジャガイモを使い、静岡のうま塩を使ったシンプルな味わいがベースのため、しっかりとみかん風味を楽しめます。デザート感覚とまでは言いませんが、これまでに食べたことがない不思議な風味なので、お土産品として選ぶのも良さそうです。
【偏愛レビュー】※満天は★5つ
フレーバーの再現/★★★
パッケージ/★★★★
おいしさ/★★★
⑦かつお節 ポテトチップス 368円
最後は、静岡県焼津市発の味が変化する2WAYポテトチップスをご紹介。パッケージの左上に添えられた袋の中に入っているのは、かつお節。日本古来より和食のだしの素材として、親しまれてきたもので、焼津市は日本有数の産地として名高い場所です。急造庫(きゅうぞっこ)という乾燥庫で、良質な薪を燃やし、時間をかけてじっくりと乾燥させたかつお節が使われています。
まずは、そのまま食べ、次にかつお節を入れてシェイク。削りたての強い風味が加わり、コクが増した味わいに変化。さすが、だしの王様かつお節。ここでもいい仕事をしてくれます。手前の緑の袋が「わさび」、奥の黒い袋が「しお」がベースになっています。それぞれのマリアージュをお楽しみください。
【偏愛レビュー】※満点は★5つ
フレーバーの再現/★★★
パッケージ/★★★★★
おいしさ/★★★
おわりに
うなぎパイより止まらない、黒はんぺんよりも酒のアテにもってこいの静岡のご当地ポテチ(個人の感想です)。7種食べましたが、どうやら他にも、いちごや桜えびをフレーバーとしたものもあるようです。次の旅先は、また静岡になっちゃうかな。
今回購入した場所「道の駅 富士川楽座」
[DATA]
住所/富士市岩淵1488-1
電話/0545-81-5555
時間/9:00~20:00
定休日/無休(体験館およびプラネタリウムは火曜日定休)