海の上でロマンチックな撮影が叶う“とってい”が好き! 【前編】

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2019.01.22

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海の上でロマンチックな撮影が叶う“とってい”が好き! 【前編】

目次

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桟橋? 防波堤? 海の上を歩ける「突堤」

長すぎる! 佐渡島の豊田漁港にある迫力の突堤に惚れ惚れ

粟島港の突堤はテトラポットが盛大で絵になる

灯台がメルヘン、島並一望感が雄大! 式根島・野伏港と小浜港の突堤

石組みがほっとする……沼津の大瀬崎にある突堤がかわいい

地図を見て、突堤(とってい)があるとまず行きます。大好きなんです、突堤。
お気に入りは数多くあるのですが、今回は、南志向の強いわたしにしては珍しく北の地域のスポットからご案内いたします。

桟橋? 防波堤? 海の上を歩ける「突堤」

ところで「突堤」て何?と思った方も多いはず。 街での生活ではあまり使いませんが、海好き、釣り好きの方には使われる言葉で、防波堤や防砂堤など海から突き出ている構造物のことです。各地の海には「桟橋」と呼ばれているけど構造的には防波堤に近かったり、いろんなアレがあるので、ここではまるっと「突堤」と呼ぶことにします。語感もいいでしょ「とってい」。個人的にはかわいくて! 無駄に口にしたくなるのも愛着のわくポイントです。

突堤にはそれぞれ違う味わいがあるけど、共通のお楽しみは、海の上を歩いてる感覚がロマンチックってこと! 波と波に挟まれて、風をふわっとまとって。なんなら海底の道を行くモーゼの逆バージョンではありませんか。各地の突堤を全制覇したらニュータイプの十戒が降りてくるかもしれません(笑)。

長すぎる! 佐渡島の豊田漁港にある迫力の突堤に惚れ惚れ

突堤の先の赤い灯台の横に、ちょんと見える赤い点がわたしです。大きいでしょー長いでしょ! 動画にも登場したここは新潟県の佐渡島の西側中心部にある真野湾南の豊田漁港の突堤で、その距離700mくらいはあるんじゃないでしょうか? 歩いても歩いてもぜんぜん先端に近づきません、逆モーゼよ永遠に。

しかもどーんと幅も広いから、ステージみたいでしょ。海の真ん中に誰も見てないステージです! ついくるくる回ってみたけど、現場を離れて思い返すとこわすぎるので、もうしません

漁港全体を空から見下ろすと、突堤の長さが明らかに。だいぶ長いでしょう。しかも、沖へグーンと斜めに突き出てる形が果敢で好きなんです。海の真ん中に招待してくれてありがとう。

粟島港の突堤はテトラポットが盛大で絵になる

こちらは新潟県の離島、栗島です。佐渡島の北、ちょうど山形県との県境くらいのところに、ぽちっと浮かんでいるんです。「粟島」の名前は、粟粒みたいに小さいことに由来しているそうですよ。ちなみに島の面積は10平方kmに満たないんです。日本海の荒波にどっかんばったんさらされて心配になりますが、だからでしょうか、粟島港のテトラポットは盛大で!

粟島港の突堤が好きなのはこの迫力です。テトラポットどーん! 粟島の海はどこまでも青いし絵になる! 

それにしても、テトラポットの形って意味不明でなりません。波の衝撃吸収など当然役割があるんでしょうけど、わたしには巨大ヒトデタイプのインベーダーにしか見えなくて。みんなで突堤の陰でゴロゴロしていると見せかけて、地球の生命体を偵察をしているんじゃないですかね、どのタイミングで接触しようか作戦会議しているんですよ?!

そんな勝手なストーリーが自分の中に出来上がっているので、どっかんどっかん他より多く積まれているこの突堤にはロマンがいっぱい。端に座って遠くを見渡しながら、実はテトラポットと交信しているんですよ~(笑)。

それから、突堤が交差しそうなこの感じも好きなんです。あっちに見えているのはまたずいぶん長い突堤で、すっごく渡りたい! けど渡れないんです、陸とは繋がっていない作りでね。行きたいな行けないな、そんな羨望の目であちらを見やる感じにまたそそられるんです。腹八分目感とでもいいましょうか、満腹になりたいもどかしさは人の思いを募らせますね。

灯台がメルヘン、島並一望感が雄大! 式根島・野伏港と小浜港の突堤

伊豆七島(実際には9島)の式根島は東京から船に乗れば着いちゃうお手軽な離島ですが、異世界感は抜群なんです! 野伏港の突堤もこの通りの抜群の景色を背負ってます。
 
向こうに見える岩ボコごつごつの島は新島で、左奥の黒い島が利島です。こんなに近いなんて、ちょっと道が浸水しちゃったくらいに感じられませんか? 式根島も面積4平方kmに満たない小さな島ですが、取り残され感がほとんどないのは伊豆七島の島並に母屋と離れのような近しい一体感を見るからでしょうね。

そんな絶景に、こんなかわいい灯台を置くなんて! とんがり帽子をかぶったキャラクターにしか見えません。上から見ると六角形なのにも萌えるし、これは愛が湧いちゃいます。

それにしてもこの突堤もなかなかの大きさでしょう。左の白い四角は車で、右上角の赤い点がわたしだから大した大きさです。長さは短いけど重厚感があるんです。沖縄など南方のものより全体的に突堤の作りがたくましいものが多いのは、サンゴ礁がなく荒波の影響を直接受けるからでしょうか。

野伏港から少し南下したところにある小浜港のテトラポットだらけの突堤も、同じ絶景を背負ってます。なのに、趣がぜんぜん違うのがおもしろいでしょ。

こちらは小さな港で、自然を利用した複雑な形になっているので、同じ絶景も違う額縁に入れられたように見えるんですね。

ちなみに、ここはかわいい船がいっぱい停まってるので、のぞき見も楽しいですよ。

石組みがほっとする……沼津の大瀬崎にある突堤がかわいい

ここまでは荒波にさらされるところで踏ん張る、大型の突堤をご紹介しましたが、最後にほっとするかわいらしい突堤をどうぞ。

こちらは静岡県沼津市の大瀬崎の突堤です。小さく湾状になっている静かな海にあるので、この小ささなんでしょうね。丸い石が積まれた側面がかわいくて、歩くだけでごきげんスイッチの入る場所です。なんならペタッと座って、のんびり本でも読みたいくらい穏やかな空気感なんですよ。写真は日の出直後で、釣り客もちらほら。こんな居心地のいいところなら、わたしも釣り糸を垂らしてみたいなぁ……普段釣りはしませんが、新しい気分にもさせてくれる土地パワーでした。

また、突堤が小さいから海と自分の距離も近く、海を入れての自撮りのしやすさもピカイチなんです。有名なダイビングポイントもあるくらい海がとってもキレイなところなので、背景としてばっちり。東京からほど近いロケーションとは思えない、まるっとすてきな突堤でした。


いかがでしたか? 海の上を優雅に歩くことができる「突堤」。思いがけないメルヘンな景色や、海の偉大さを感じるシーンに出会えるお気に入りのスポットです。次回は、南の離島の突堤をお届けいたします。気持ちいいところばかりですよ~、お楽しみに!

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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