クリエイティブ心溢れる「パティスリー・パロラ」のスイーツコース

東京都

2022.01.04

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クリエイティブ心溢れる「パティスリー・パロラ」のスイーツコース

私が食体験で大事にしていることは、知覚への鋭角な刺激。つまり、味覚だけに留まらず、五感と心が共に震撼する感動に、私はきゅんとする。

目次

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本日の訪問先は「パティスリー・パロラ」

定番人気の「レモン」、「青リンゴ」をオーダー

続いてのスイーツ

「シェフの気まぐれデセール」

本日の訪問先は「パティスリー・パロラ」

「パティスリー・パロラ」では、ユーモアとクリエイティブに富んだ、素敵なスイーツコースに出会える。

2種のスペシャルデセールとペアリングドリンクが楽しめるコースの内容は、まずスペシャリテを選択するところからスタート。

この日は、「ラ・フランス」、「レモン」、「青リンゴ」の3種。この顔ぶれは、シーズンによって変わるそう。

定番人気の「レモン」、「青リンゴ」をオーダー

あぁ……、綺麗。只々ため息がもれる。

美しいものを目の当たりにすると、人は大体同じ顔をしている。(目尻がダダ下がり)。アートを鑑賞しているような上質な感覚にうっとりしちゃうわ。掴みはバッチリ、さぁ、中はどうなっているの?

パカっ。薄いチョコレートの層を割ってなだれ込む、こだわりのジュレと果実の香り。

モチーフのフルーツの良さが、ぎゅんと凝縮されたジュレ。そして、ハーモニーが重なるように計算されたムース、ボトムの食感。あぁ、協奏曲のように美しい。

映えだけではない、緻密な旨味の音階の計算式は味覚の因数分解が大変です。初めての食体験に、脳が震える。

パロラの醍醐味は、フードの枠に留まらない。お店からのもうひとつのギフトはペアリングのドリンク。「レモン」には、レモングラス、ジンジャー、モリンガの冷たいハーブティー。「青リンゴ」には、キャラメルとナッツの冷たいフレーバーティー。

提案されたそれはスイーツと重なることによって、ひとくち目とは違う味覚のレイヤーへと誘う。すると、口の中は幸せな情報でまた溢れ出す。

日本のフルーツのクオリティの高さに驚いたというシェフ・パティシエの、アレクシ・パロラさん。この衝動がこのスペシャリテの原体験になったのだそう。母国の味と、厳選した素材、そして技術を融合させる。すると、日本のフルーツの素のおいしさがより立体感を帯びる。知らないことの素直な驚きと発見と好奇心。そして美しさが化合しあって、生まれた至高の作品。

私たちの当たり前が、目線を変えると当たり前ではない。そして、その逆も然り。面白いなぁ。

続いてのスイーツ

なにやらモクモクと煙が上がってきた。んんん? ヴィランでも現れる?! と、心して背筋を伸ばせば、液体窒素のプールに飛び込む、旬なフルーツ達の姿が。目の前で繰り広げられる“絶対零度ショー”。この行程を経て、アイスのような質感のフルーツクラッシュの出来上がり。

パステルカラーの平皿が、パロラさんの創作カンバス。お客さんの顔を見て、イメージに合わせて主役達を盛り付けていく。

繁忙期には、1日1,000個以上を作るという名物のカヌレ。きつね色のフィナンシェ、キャラメルアイスに、こだわりの素材で仕立てたグラスフェッドの生クリーム。そこに、赤ワインでつくった特製のソルト、フリーズされたフルーツ達をパラパラと振りかける。

仕上げにもう一度、液体窒素を振りかけて、スモークに包まれた幻想的なプレートの完成だ。

「シェフの気まぐれデセール」

ライブドローイングを目の当たりにしたような、躍動感と高揚。ドキドキ高鳴る胸。

今、芳醇なバターの香りが私の幸福度を底上げしている……。鼻先でもう多幸感、カリッと手応えのある食感は、外はカリカリ、中はふわふわ党の私のハートをしっかり射抜いてきて、苦しい。

入手の難しいボルディエバターは、パロラさんの母国の素材使用。ミネラル豊富な牧草を食べて育った乳牛の新鮮なミルクのみを使用して作られている。バターたっぷりなのに、食後の胃がご機嫌なのはここに秘密があるらしい。

お皿の上のスイーツたちを個々で踊らせるもよし、ペアを組んでダンスをすれば、ワルツからタンゴまで、抑揚のある味覚のリズムが生まれる。全てのパフォーマンスに無駄なんてひとつもない。全ての素材が重なって、溶けて、壮大な協奏曲の第二幕に胃袋はスタンディングオベーションだ。

クリエイティブ心が溢れるスイーツ達に、ペアリングのドリンク。上質なひと時にかかるプライスは3,080円。あまりにも良心的なおもてなしに、素直に驚く。五感が全方位満たされるこのひと時は、遊び心が満載のパティスリーパロラだから生まれる。

そして、オーナーのパロラさんが二枚目すぎて……!(お写真を撮り忘れてしまったので、気になる方は公式ホームページへGO!)。取材時は、シェフのパロラさん直々、お店と一皿への熱い想いをお話ししてくださいました。その真摯な姿勢と熱量が、今日の満足感との答え合わせ。

多角度から色々と、ご馳走様でした。


◆Pâtisserie PAROLA(パティスリー・パロラ)
住所:東京都千代田区内幸町1丁目7-1 日比谷OKUROJI
電話番号:03-6807-5622
営業時間:11:30~22:00(LO21:00)
定休日:無休

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スイーツ旅 村田倫子

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村田倫子

ファッション雑誌をはじめ、WEBメディア・ラジオ・広告・ファッションショーへの出演など幅広く活動をするモデル。趣味であるカレー屋巡りのWEB連載「カレーときどき村田倫子」や食べログマガジン連載「呑み屋パトロール」では自らコラムの執筆も行ない、ファッションだけにとどまらず、その文才やライフスタイルも注目を集めている。また、商品コラボレーションも積極的に行なっており、そのセンスを活かして人気商品を多数プロデュース。 5月からは自身のブランド「idem」を立ち上げた。

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