出張にもレジャーにも!ラグジュアリーな「特急ひのとり」で名阪間を優雅に移動しよう!
愛読書は時刻表。暇さえあればリュックひとつで旅に出かける私は、こよなく愛する鉄道で絶景巡りをしています。今回は、名古屋と大阪を結ぶ「特急ひのとり」をプレミアム車両に乗ってきた様子を紹介したいと思います。
目次
名古屋から大阪まで近鉄特急で
先日、名古屋へ出張に行ってきました。仕事は順調に終わり、そのまま帰宅してもよかったのですが、翌日に友人と大阪で約束が……。それならば! と、大阪駅へ向かうことにしました。
名古屋から大阪へ向かうとき、多くの人は新幹線を利用します。しかし、いつも通りではつまらない。そこで、もうひとつの名阪間(名古屋と大阪)ルート、近畿日本鉄道(通称:近鉄)で大阪に向かいます。
「近鉄名古屋駅」は、JRや名古屋鉄道(通称:名鉄)の名古屋駅のすぐ隣にあります。大阪や伊勢方面に向かう乗客が多く、駅に来ただけで少し関西のにおいを感じます。関西弁が飛び交っていたり、関西を走る列車が並んだりしているからかもしれません。
近鉄の特急電車といえば、ホワイトを基調にオレンジと黒のラインが入っているのがトレードマークです。名阪間だけでなく、伊勢方面や京都・奈良方面でもこのカラーの車両が走っています。
近鉄特急のエースとして名阪間を走る「アーバンライナー」。こちらは、その中でもバリアフリー化が進んだ「アーバンライナーNEXT」です。
異彩を放つ不死鳥「特急ひのとり」登場!
今回乗るのは、2020年3月にデビューした「特急ひのとり」。毎時0分に近鉄名古屋駅と大阪難波駅の2駅を発車し、どの特急よりも早く目的地に着きます。
デビュー時は、試乗会なども予定され、華々しく登場するはずでした。しかし新型コロナウイルスが流行し始めた時期と重なってしまい、お披露目イベントはできませんでした。私も試乗会の抽選に当たっていたのですが、中止となったときは悲しい思いをしました……。デビュー後から順調に本数を増やしていき、最近では乗車機会も非常に増えています。
ボディは“ひのとり”の名にふさわしい赤が目を引きます。側面には、不死鳥が舞った軌跡のような金色のライン。これまでの近鉄特急とは、一線を画したデザインです。
不死鳥が優雅に舞う姿もペイントしてあり、ボディ全体を眺めるだけで、これから始まる旅が優雅なものになるだろうと期待に胸が高鳴ります。
新幹線にはないラグジュアリーな空間・プレミアム席
座席は、レギュラー席とプレミアム席の2種類あります。両端がプレミアム席の車両です。
せっかく乗るのであれば「プレミアム席」をおすすめします。革張りの座席があまりにも心地よく、席間も広くてゆったり足を伸ばせます。ヘッドレストは、どの列車よりもふかふかでいい夢が見られそうです……。
座席配置は、2席+1席です。新幹線のグリーン席でも2席+2席ですから、とても贅沢な作りです。
車内で最も特徴的なのは、座席の後ろについているバックシェル。これがあることで、気兼ねなくMAXまでシートを倒すことができます。後ろの席の人に「すみません、座席倒していいですか?」なんて聞かなくてもいいのです。プレミアム席はかなり人気で早めの予約をしておかないと満席になることもあります。
レギュラー席もバックシェルがついています。
「こんな贅沢な電車、お高いんでしょ…?」と気になる方もいるかもしれません。そんな心配ご無用です! 近鉄名古屋駅から大阪難波駅までレギュラー席を利用した場合、+200円、プレミアム席にしても+900円。レギュラー席とプレミアム席の差は、700円しかありません。
ちなみに新幹線と比べてみても、
「新幹線のぞみ」名古屋ー大阪(指定席)6,480円 ※所要60分
「特急ひのとり」近鉄名古屋ー大阪難波(プレミアム席)5,240円 ※所要125分
時間は倍以上かかってしまいますが、+900円で新幹線にはないラグジュアリー感に浸れます。このくらいなら自分へのご褒美に出せそうですね。
クオリティの高い充実した設備
車内には挽きたて珈琲やお菓子の自動販売機もあります。一般の特急に比べると自動販売機でさえグレードの高さを感じます。紙コップもひのとりオリジナル! お土産に持って帰りたくなっちゃいます。
各車両のデッキには、ロッカーを完備。大きな荷物を車両に持ち込み、足元に置いておく必要がありません。ロッカーには鍵がついており、盗難防止対策もばっちりです。このほか、デッキに数人で談話ができるベンチシートも用意されています。設備が充実しているのも魅力のひとつです。
設備を設けることで乗車可能人数は減ってしまいますが、付加価値をつけることで乗車意欲を高め新幹線との差別化を図っています。その効果もあって「特急ひのとり」は人気があるのだと思います。
少ない停車駅で優雅に名阪間を舞う
近鉄名古屋を出ると、大阪の鶴橋までの間、津駅(一部の列車は、大和八木駅)以外はすべて通過。人の移動も少ないので落ち着いた時間を過ごすことができます。夜間のみ停車駅の多い便がありますので公式HPをご確認ください。
名古屋を出て2時間、ぐっすり眠ってしまいました……。
鶴橋駅で下車。この駅は、焼肉のいい匂いがします。私は乗り換えて大阪駅へ向かいますが「特急ひのとり」は、ここから少し先“大阪難波”まで走ります。
車内でゆっくり寛げたおかげで、翌日の大阪観光を楽しむことができ、充実したお休みを過ごすことができました。
新幹線にはない、贅沢な時間を味わうことができる「特急ひのとり」。みなさんも名阪間を不死鳥のように優雅に舞ってみてください。
◆特急ひのとり
運行日:7:00~21:00まで毎時0分発(※休日はダイヤが異なります)
運行区間:近鉄名古屋駅~大阪難波駅
※詳しい時刻表は公式HPをご確認ください。