バーチャルヒューマン・immaと行く、仮想と現実の境界を覗き見る旅
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みなさま、お久しぶりです。大石絵理です。関東も梅雨入りし、雨が続く毎日ですが、元気に過ごされていますでしょうか。今回ご紹介するのは、今話題のバーチャルヒューマンと13人の現代アーティストがコラボレーションする「imma天」。新進気鋭のアーティストたちが描く作品を一目見れば、じめじめとした気分を忘れるほどバーチャルの世界に夢中なってしまうはず。
バーチャルヒューマン・immaさんとは?
immaさんは、身長や体重、国籍、経歴など一切非公開の、アジア初のバーチャルヒューマンです。2018年にデビューし、CGとは思えないそのリアルさが話題を集めました。現在では数多くのファッションブランドやコスメブランドとコラボをしたり、ファッション誌の表紙を飾ったりとさまざまな場で活躍しています。
今回訪れた「imma天」は、そんなimmaさんと、国内外で活躍する13組のアーティストとのグループ展。immaさんを題材に“天国”をイメージしたペインティング、ドローイング、グラフィック、デジタルデータ、写真、立体などさまざまな作品を展示しています。
日々の暮らしの中で、SNSなどバーチャルでの接触の機会というのは増えていますね。事実よりもネット情報をたくさんの人が信じたり、それによって当人が心を痛めたり、いろいろなことが起きています。imma天では、“真実というものは、それぞれが「信じられるものこそ真実」なのである”ということをコンセプトに、一体何を人々はリアルとし、何をフェイクと解釈するかを私たちに問いかけています。
さまざまなカタチで描かれるimmaさんの世界を堪能
それでは、展示されている中で私が気になった作品たちをご紹介していきます。
場内に入って最初に目に付くのは、immaさんの大きな立体スカルプチャー! 右側のimmaさん、今にも動き出しそうじゃないですか? 実は目の中を覗くとおもしろい仕掛けがあるのですが……、何が見えるのかは実際に行ってみてのお楽しみ。ぜひ生で体感してほしい作品です。
続いて気になったのは、よく見るとジャケットがハイヒールになっている写真たち。おしゃれなファッションとimmaさんのかわいらしい姿に、女の子なら誰もが思わずときめいちゃうはず。こんな写真がおうちにあったら一気にかわいい空間になるなぁと、うっとり妄想してしまいました♡
yoshirottenさんの作品が展示されていることも、「imma天」に来た理由の一つでした。yoshirottenさんは、グラフィックだけでなく、映像やインスタレーション、音楽など幅広いジャンルで制作活動を行っているグラフィックアーティスト。色使いがハイセンスで素晴らしく、一度作品を見てみたかったんです。
「imagination」と「imma」がかけられた「immagination」というユニークなタイトルのこちらは、カラフルなアルミで造られています。角度によって色や光の見え方が変わり、違う表情を見ているみたい。
パッと目を惹くインパクトのあるこちらの作品。一目見て気になってしまいました。和紙や鉛筆、スプレー、クレヨン、アクリルなど、さまざまな画材で構成されています。繊細に描かれたお花達が和紙の上で華麗に咲き、とても華やか。上の方にさりげなく、immaさんの視線が組み込まれています。何を見ているんだろう……。
バーチャルの空間に迷い込んでしまいそう
見ているとこちらまでもバーチャルの空間に入ったかのような感覚になる作品もありました。その一つがこちら。暗闇の中に浮かび上がるimmaさんのフォトグラフです。幻想的で、ノスタルジックな雰囲気に引き込まれました。
写真だと伝わりにくいのですが、目の前に立つと黒い鏡のように自分の姿も絵の中に映り、まるでimmaさんと同じ空間にいるかのような、不思議な感覚に陥ります。
続いてスクリーンが4つ並んだデジタルアート作品。immaさんの顔が抽象画のように見えなくなっていったり、また現れたり……。次々と変化する画面に、どれが本当のimmaさんなのかわからなくなりそう。現実と非現実の境界がわからなくなりそうな作品の雰囲気に反して、色の組み合わせはimmaさんに良く似合うかわいらしいもの。その色使いにもとても惹かれました。
バーチャルヒューマンとの意外な組み合わせの作品も
最後はがらりと雰囲気が変わり、日本のカルチャーである浮世絵とバーチャルヒューマンを掛け合わせた作品です。作者は日本がとキャラクターをテーマにした作品を多く手掛ける、ニューヨークで人気のアーティストなんですよ。ポップで現代的な姿のimmaさんですが、浮世絵の世界にしっかりと溶け込んでいて、雅さが感じられます。浮世絵がこんなにおしゃれにアレンジされちゃうなんて! 素晴らしいアイデアに感動しちゃいました。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。皆さんの好みの作品は見つかりましたか? 会場は渋谷駅から徒歩5分ほどとアクセスが良く、期間も9月までと長めなので、ぜひタイミングの合うときに行ってみてほしいです。仮想と現実の狭間を見ているようで、とてもワクワクした気分になれますよ。ホームページからバーチャルでも見ることができるので、予習してから実際に見てみるのも、違いを楽しめて良いかもしれません。
◆グループ展「imma天」
会場:ディーゼルアートギャラリー
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 ココチ ディーゼル渋谷 B1F
期間:〜9月2日(木)
開館時間:11:30~20:00※変更の場合あり
料金:無料